daddy-kのいきあたりばったりⅡ

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ノエリーン・バットリー/こんにちわ赤ちゃん

2023-02-18 | 音楽つれづれ

60年代のオーストラリアにノエリーン・バットリーという歌手がいて、彼女がオーストラリアの恋人(Australia’s Little Miss Sweetheart) と呼ばれるほど人気があったと言うのは、この題を付けた二枚組CD(66曲も入っている)を手して初めて知りました。

これはオールディズ愛好者の友人が「断捨離を始めるので」、と言う事で私の所に来たもので、私がもしショップでこれを見かけたとしても、きっとスルーしていただろうな? ガール・ポップスは好きだけど、ワクワクしないイモっぽい(失礼)ジャケットだったし。

聞いてみるとオリジナル曲(多分)はどれも今ひとつ、「タミー」などカバー物もセンスが感じられず、やっぱりねとワンコーラス聞かずにスキップしていると、終わりの方の31曲目、聞き覚えのあるイントロに続き、コンニチワ アカチャン と歌が始まります。(以降は英語)

Little Treasure Form Japan」となっていますが、梓みちよの「こんにちわ赤ちゃん」のカバーで、これは64年頃シングル盤として発売され、更に調べるとB面には梓みちよのオリジナルがカップリングされていたそうですが。※1

曲を書いた中村八大は、63年に3週連続全米№1ヒットの「スキヤキ」(上を向いて歩こう)を書いた人ですから、それに乗っかったカバー盤だったのかも知れませんが、これにはビックリしました。日本では発売されなかったようで知らなかったのですが。

 

そしてもっと驚いたが次の「OWAKARE NO NAMIDA」と「SHIMA NO ANKOSAN」で、「お別れの涙(泪?)」と「島のアンコさん」と表すのでしょうか?この二曲は日本語だけで歌われていて、その日本語が上手なのにもびっくり。

あの頃日本語で吹込む"外人さん"は結構いましたが、その中でも上位クラス。何より「島のアンコさん」では「トコサイサイ」という男性コーラスが入るのですが、これが完璧。

調べると※2この2曲がカップリングされたFISTVAL FK-970というレコードのラベルにRecorded in Tokyo by King Recordsと入っていて、日本に来てキングレコードで録音していたんだ!と、また驚き、バックコーラスが上手なのも納得したのですが。

不思議なのは、ライナーでは作者不明となっていて、後者はネットで検索すると詩:横井弘/曲:中野忠晴/歌:小宮恵子でキングから発売されていた事がわかりましたが、「お別れの涙」の方は今の所不明で、彼女の為に書き下ろした曲?作者がUnknownなのはキング専属外の人が書いたから伏せた?などと、これはしばらく謎解きで遊べそう。

「島のアンコさん」作曲者の中野忠晴は、ナカノリズムボーイズを結成して「山寺の和尚さん」などをジャージーに歌い、またバタ臭い歌謡曲も作曲もされたあの方ですよね?

この二曲、彼女の歌は見つからなかったのですが、小宮恵子の「島のアンコさん」は見つかり、三沢あけみの「島のブルース」にも似た雰囲気の曲で、なかなか良い感じでしたので、興味ある方はこちらで ⇒ https://www.youtube.com/watch?v=n_-48uWTTCM

 

このCDにはフェスティバル・レコード50周年というステッカーが貼られてあって、60年代にはビージーズやオリビアニュートンジョンなども抱え、オーストラリアのポップシーンで重要なレーベルだったそうです。今はもう無いそうですが。

そしてその昔から昭和初期まで、白蝶貝の採取(高級ボタンの原料)のため、多くの日本人がオーストラリアに渡航し、ヘルメット潜水(多分)で1800年代半ばからアラフラ海に潜ったそうです※3 スクーバでしか潜った事の無い私には、さぞ大変な作業だったのだろうなと想像するしか無いのですが、そうした昔からのつながりがあって、こうした録音などの縁となった? とは考えすぎでしょうけれど、改めてこの国に想いはを馳せてみた所です。 【参考にしました※1:Wikipediaより。※2:Discogsより。※3串本町HPより。】

■ 以上、聞きたい365日 第339話でした。



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