普段さほど聞かないレディ・ソウルですが、好きなシンガーは当然いて、3人挙げるとしたらローラ・リーにキャンディ・スタントン、アーマ・トーマス、エラ・ワシントン…その日の気分で少し迷いますが、ミリー・ジャクソンは絶対外せないかな。
一番アルバムを持っているのが彼女だから… といってもデビューから5枚目迄ですが。
最初に気に入ったのは4枚目の「愛のとりこ」。ここで歌われていたのがあの不倫ソングの帝王、ルーサー・イングラムの「IF LOVING YOU IS WRONG I DON’T WANT TO BE RIGHT」。
"君を愛する事が罪になるなら 僕は罪を犯す"という、熱烈に不倫の正当化(?)をした歌ですが、A面最初の「IF LOVING…」から不倫相手に語りかける「THE RAP」、そして「IF LOVING…」に戻る濃い10分間にすっかり魅了されました。
このアルバムのA面では妻ある男性を愛してしまった女を。B面では夫に浮気され嘆く妻を、という[不倫]がキーワードのコンセプト・アルバムでしたが、続く5枚目の「続・愛のとりこ」(下右)ではA面で咎める側を、B面で不倫をする側となっていました…はさておき
この4枚目が気に入り、遡って (日本ではアルバムの発売順が本国と違った) 彼女27歳の時の72年制作、一枚目の「もしこれが愛ならば」(下左)を聞いてみると、これが実に好みに合って、今はこれが一番好きなアルバムです。
その力強いゴスペル・タッチで歌うタイトル曲や、神の子である人間が人を傷つけると歌う「チャイルド・オブ・ゴッド」など、他のアルバムと少し毛色が違うけれど良いのです。
一枚目と並んで好きなのが三枚目の「ザ・モーニング・アフター」(右上)で、タイトル曲や「ア・レター・フル・オブ・ティアーズ」など佳曲に情のこもった歌声、これまた手放せない一枚。
彼女が日本で紹介されたのは、本国では二枚目の「ハーツ・ソー・グッド」(中央下)が最初。受話器を持ち頬を濡らすジャケットが気になり試聴したのですが(当時は試聴し買う事が出来た)ファンク調のギターのバックは当時の最先端の音…ではあったのですが。
当時は好みに合わずスルー、買ったのはCDになってからですが、アナログ盤は片面が終ったら引っくり返すというインターバルが良かったなぁ、特にコンセプト・アルバムでは。もしかして、最近のアナログ盤ブームの人気の原因の一つかも知れませんが。
私のミリー・ジャクソンは以上5枚でとりあえず終了ですが、その後もコンスタントにアルバムを出し、77年の舌なめずりしたジャケットの「Feelin' Bitchy」や、トイレに座り足首まで下穿きを下げた89年の「BACK TO THE S__T!」など、本国ではそのたび避難をあびる(ま、当然か?)そうですが、ま~お下劣などと言わず、歌は本物だからなり代って(?)ご容赦を。
今日7月15日は彼女のお誕生日! と言う訳で遠く日本より a happy birthday と。
久々の新ネタで【聞きたい365日】 第377話でした。
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