妖怪やお化けの類は好きで、特別熱心に集めている訳でも無いのですが、水木しげるさんの描く妖怪には親しみがあり、生誕百周年に合せた展示会という事で行って来ました。
会場は札幌芸術の森美術館で、ここに来たのは「月光ノ絵師 月岡芳年展」以来。
調べてみたら月岡芳年が開催されていたのは2017年。実に七年振りですか? 普段から美に疎いことが知れますね、そしてこの時も奇想物の絵師でしたので、やっぱりそんなのが好きだと言う事がバレバレですが…
私が妖怪を好きなのは、小さい頃から空想に遊ぶのが好きな子だったからでしょうか?
水木先生の「私はゲゲゲ」に出てくる「のんのばばぁ」みたいに、私のそばにはそんな空想の手助けをしてくれる人はいませんでした。妖怪アンテナも無いですし…
が、子供の頃になんとなく覚えているのは、母が話してくれた拝み屋みたいなおばあさんの事で、その人が癇の強い赤ちゃんの掌に塩水で字を書き、手を握り印を結ぶと赤ちゃんの手から白い脂のようなものが出てきて治ったとか、原因不明の病気にかかった子を診て「この子は川で流されている子猫を見て可哀想だなと思いつつ棒でつついた。その祟だ」という話をして拝んだり(実際その通りだったそうですが)そんな話は覚えています。
それはさておき、会場には水木しげるさんの生原稿があり、背景の茅葺き屋根や草木の丁寧な描写。どれだけの時間をかけているのだろう?そしてアシスタントの皆さんの力量にも感心。
笑ってしまったのは実物大(??)の「大かむろ」が置かれていたこと。一見の価値ありです。
水木さんが集めた古書の展示もされていて、そこには竹原春泉齋とか藤原衛彦、一川礼山など知らない名前がたくさんあって勉強になりました。
もちろん鳥山石燕も展示されていて、妖怪は水木さんから入った私にとって、後で鳥山石燕を知り、な~んだ写ものだったのかと、ガッカリした時期もありましたが、妖怪の絵の系譜は写本にあるようで、今は時代に合わせアップ・デートしてくれた事に感謝。
久しぶりに水木先生と妖怪たちに遊んでもらった一日になりました。