自ら作詞・作曲し歌うと言う、シンガー・ソングライターの先駆けでもある浜口庫之助さんは、数々のヒット曲を生んだ人として有名で、私も好きですが、有名バンドで曲を書いている中にもファンが多いと聞いて納得。
個人的に一番好きな曲は、島倉千代子さんの「愛のさざなみ」です。でも詩は「なかにし礼」が書いているので、ハマクラさんの作詞作曲となれば、高田恭子の「みんな夢の中」が好きです。それが発売されたのが1969年の今日3月1日だったそうです。
ジャケットを見てあれ?マイク真木のバンド、ザ・マイクスにいたあの娘だと。ビージーズのカバー「星空のマサチューセッツ」は、高田恭子のコーラスの絡みも生き、出来は悪くなかったと思うけれどヒット的には残念だったはず。
B面は村井邦彦の書いた「夢の牧場」。sus4(サスフォー)を使ったコーラスとか、当時のフラワー・サウンド的な曲調で、この手の曲が好きな私は気に入ったのですが、やはり不発に終わったようです。当時は洋楽ファンと邦楽ファンは明確に分かれていましたからね。
意外な転身と思ったら、彼女はアマチュアでフォークを歌う一方、独学でカンツォーネを学び、68年の報知新聞主催のカンツォーネ・コンクールに優勝した経歴の持ち主だそう。そうした経歴がミックスされたヴォーカリストだったのですね。
その中でどの経歴が活きているのかは分かりませんが、彼女の歌には独特のタイム感覚があって、曲に合わせて口ずさもうとするとおいて行かれるのです。カンツォーネのカバー「愛は限りなく」などでもそうでしたし、上の紅白出場での歌唱は顕著でした。
でも、それが彼女の歌で聞くとキチンと納まるのです。
声量のあるハスキー・ヴォイスを聞かせてくれた彼女は、私の少しだけお姉さん。みんな夢の中に終わらず、機会があれば生の歌声を聞いてみたいものです。
以上【聞きたい365日】第396話でした。
付け足しですが、私はおおたか静流さんのカバーも好きです。彼女も好きな曲だったとみえ、私が知るだけで3つバージョンがありますが、一番好きなのはアルバム「リピート・パフォーマンスⅡ」収録のものかな。テンポを落とした井上鑑のアレンジと共に、切ない思いが沁みるこれも名唱でしたが、おおたかさんについては別に書く予定をしています。