daddy-kのいきあたりばったりⅡ

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Rosie & The Originals / ANGEL BABY

2024-01-23 | 音楽つれづれ

歌に心が奪われ思考が停止する3分半。というドリーミー・ポップスが私には何曲かあるのだけど、ロージー&ジ・オリジナルズの「エンジェル・ベイビー」は、その中でも特に好きな一曲で、曲を書き、歌うのはロージー(ロザリー・ハムリン)

ピアノを独習し簡単なコードを覚え 、シンガーの夢がふくらんだ彼女はオリジナルズのオーディションを受け、ドゥー・ワップのコード進行を参考にメロディを、詩はノートに走り書きしたこの曲を録音したのは15歳の時だったそう。

これを売り込むにもラジオ局には相手にされず、仕方なくレコード売り場の試聴コーナーに置かせてもらうと反応が良く、目を付けたハイランドというマイナー・レーベルから発売され、それがビルボードで5位となったのが1961年の今日1月23日。

ロージー の歌は少し甲高くハスキーで "いなたい" く、イントロのギターは微妙なチューニングでポロロ~ン、からの妙なアルペジオ、中間のサックス・ソロは頼りなく、ドラムはたどたどしく…と、演奏はシロウト感丸出し。⇒ ROSIE And The Originals - ABGEL BABY

言ってしまうと歌もバンドもダメなはずが、ドゥー・ワップ調の三連符で、年頃の女の子が想いを寄せる男の子を歌う、それが田舎臭い (?) 歌声とあいまってリアルに感じられ、つい胸キュンとなるのです。私がロッカ・バラードに弱いのを差し引いたとしても。

 

歌手の夢がかなったロージーですが、著作名義を勝手にリーダー名義に変えられ、当然怒ります。それが直接の原因かはわかりませんが、ヒットから間もなくバンドは解散。

そのロージーの「Lonely Blue Nights」にソウルのスター、ジャッキー・ウィルソンが注目。そしてソウルの名門「ブランズウィック」からアルバムが発売。残念ながら売れ行きは"マイナー・リーグ並"だったとか。※Wayne Jancik著、加藤秀樹:訳 ただ一曲のスーパーヒット/音楽之友社より

このタイトル曲の録音では、サックスをわざとヘタに吹かれ腹が立った…みたいな話もありますが、何曲かを除き彼女の自作曲でANGEL BABY路線の甘酸っぱい曲が多く、後半のファルセット交じりの歌声はドリーミー・ポップスの王道。

「エンジェル・ベイビー」の話に戻ると、この曲がヒットしたのは1961年だそうで、日本のカバー・ポップスも出ていなかったはずだから、知ったのは当然後追い。それもかなり時間が経ってから。

73年の映画「アメリカン・グラフィティ」のヒットや、80年代のR&Rとそのファッションが流行ったりと、そのたびオールディズ曲が見直されましたが、その頃はまだ話題に上るような有名曲では無かったし。

それがジョン・レノンが最も好きな曲の一つに挙げた、と言う逸話からジワジワ広がったのが90年代あたりで、私もその頃に知ったはず。

更に2000年代に入り、イギリスのエース・レーベルから、お蔵入りしていた60年代の録音や、90年代後半の「エンジェル・ベイビー」の再吹込など、ファンにはお宝の音源がドッと入ったCDが2枚発売されます。

私がオバサンになっても…という歌がありましたが、オバサン(失礼)になってもロージーの歌声は魅力的。71歳で亡くなられのは残念ですが、レコードやCDでいつでも逢える。

そして、逢わせてくれるイギリスのマニアックなレーベルに感謝!感謝。

以上、【聞きたい365日】 第369話でした。