砂蜥蜴と空鴉

ひきこもり はじめました

♯30 世界の終わるその明日

2006年01月30日 | ログ

11時55分。

世界の終わりのあと5分。

彼は立ち上がり、僕は立ち上がれずにいた。

「どこへ行くの?」

「馬鹿じゃねーの?寝るんだよ。もう時間も遅いじゃん」

「そっか」

「おう」

「さようなら」

「また明日だ」

「うん?」

「嫌いだね、その言葉。さようなら。つまんねー言葉だぜ」

「そうかな?」

「そうだよ」

「・・・・また明日」

「おう、また明日」

そういう別れだった。

そういう最後だった。

午前零時。

世界の終わるその時間。

僕は笑って瞳を閉じた。