最初に装飾音符に半音のアプローチ音や装飾音符が付いている形を紹介します。
Cannonball Adderleyのアドリブの中心にあるのがこの方法と思われます。
音(コードトーン)に対してアプローチ音が重複している。
コードトーンが次の音の装飾音になるという機能の重複もみられる。
平坦なアルペジオも装飾音と共に跳躍させることで緊張感が増して、
部分的にみるとテンションコードのようなサウンドを生み出している。
2段目(106)の1小節目の音「F・E・D#」は上で説明したように音「F」を
半音のアプローチ音と考えます。ここのコードは「B7」の裏コード「F7」を2度5度に
変化させたもので次の小節の「Em」のブルーノート「B♭」音に解決していきます。
ここでの赤い矢印は装飾音符を示し、矢印の順のように重複した装飾音符があります。
2段目の3小節目は主要音は「E・G」で、装飾音符がが付いています。音「B」はコード
トーンであり、音「A」を強調する装飾音符的な感じもあり、機能の重複ともとれます。
3段目の1小節から2小節にかけて赤い丸の音「D・F・D」ですが、これは音「D」への
ブルーノート「F」で装飾されたものと考えコードは「D7」です。次の2小節目では
コードは「D7」から「D7」の裏コード「A♭7」を経過して「G」へ解決してます。
ここでもコード「D7」の部分が2小節にわたっていますが小節線はフレーズの切れ目では
ないということと、フレーズが成立していればよいということです。また、コード進行も
同様にアドリブ奏者が自由に展開していることが分かります。
ここではコード「A♭」が次の小節の1拍目までで、次の拍で音「G」に、そして、
半音階で音「D」へ、
4段目の1小節目の最後の音「F#」は次のコードの先取りと考えます。
4段目2小節目からは演奏者としては音列「F#・F・E・D#・E」を考えていたのではないか
と思われます。そこで浮かぶコード進行は「F#m・F#m△7・F#m7・B7・Em」です。
赤丸で示すようにMaj7thの「F」7thの「E」があり次は音「D#」です。音「D#」は次の
1オクターブ上がる音「D」の跳躍した音への装飾的でもあります。そうであれば次の音列
「D・B・G・D・C」は楽譜の下に記述してあるように音列「D・B・G・F・D・C」となり
ここに裏コード「F7」が見えます。そして、次の小節のコード「Em」の音「B」に解決して
いきます。この音「B」は次の小節の赤い丸の部分も合わせ音列「B・G・E」という一つの
フレーズと考えます。
5段目の3小節目はコード「C7」「G7」で次のコード「F#m7♭5」はコード「C」の裏コード
で音階では「CLydeian」Cリディアンになります。
4段目の1小節目と最後の段の1小節目の赤い矢印は装飾音符を表しています。
楽譜下の赤い矢印は主要音を示しています。今回の最初の楽譜のように装飾音符の重複が見られます。
Autumn Leaves -Cannonball Adderley 1
Autumn Leaves -Cannonball Adderley 2
Autumn Leaves-Cannonball Adderlet3
Autumn Leaves -Cannonball Adderley 4
Autumn Leaves -Cannonball Adderley 5
Autumn Leaves -Cannonball Adderley 6
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