【044】三室戸寺 西国10番
住所 宇治市莵道滋賀谷21
宗派 本山修験宗別格本山
山号 明星山
開山 行表・光仁天皇
本尊 千手観世音
重文 木造阿弥陀如来坐像 木造勢至菩薩坐像 木造観音菩薩坐像 木造釈迦如来立像 木造毘沙門天立像
いまや紫陽花寺と言われるほど、境内に5000株からの紫陽花があります。昔は、花の寺と言うイメージではなく五雲山にぽつりとある小さな寺と言うイメージでした。近くに、平等院や万福寺の大きな寺院がありますのでどちらかと言うと目立たない寺でした。しかし、今や山門前には大きな駐車場があるし、山門から石段までに紫陽花園。昔を知る人にとって「えっ」と絶句します。本堂は昔のままですが、本堂の前が違います。昔は、芝がきれいに植えられていて、寝ころんでみたい欲求がありました。芝内への立ち入りが禁止でしたのでそれはできませんでした。芝とぽつりぽつりとある植木があり枯山水の庭園のような雰囲気を醸したお寺でした。ところが、今はコンクリートの池があり蓮の栽培の鉢があり、ごちゃごちゃとした境内になっています。昔を知る人にとっては、がっかりと失望の溜め息しか出てこない寺になってしまったようです。
光仁天皇が宇治を訪れたとき、宇治川の上流の岩淵の滝に千手観音をみつけ、宇治の離宮に安置し、奈良元興寺の行表禅師を迎え、御室戸の寺号を与えられたとあります。三室と言うのは、後光仁、花山、白河の3代の天皇の離宮になったことで御室を三室と改めたとあります。
本尊は三十三年に一度の開扉される秘仏ですが、重文ではありません。火災、再興を何度か繰り返し、足利に味方し信長に焼き討ちされたりもしており本尊焼失は間違いのないことなんでしょう。ところで、重文の聖観音菩薩坐像がありますが、これがなんと正座されております。こんな珍しい聖観音菩薩を見たことがありません。今や本尊はこちらでは。
また、長らく西国三十三ヶ寺巡礼の結願寺でした。長谷寺ではじまり、三室戸寺で終わる巡礼だったのです。
御詠歌
夜もすがら 月を三室戸 わけゆけば
宇治の川瀬に たつは白波
本堂
三重塔と石楠花
木札 絵馬
四月十九日の花
緑のアジサイ
シャガ
ツツジ
シャクナゲ
ヤマブキ
モクレン
新緑
初夏と晩春がごちゃ混ぜになっていますが・・・いずれも4/19です。
石楠花の 赤く染まりし 三室戸の
三重塔 巡礼の寺 団子