メディア大国アメリカの現状について著者はこれまでの経験を基に解き明かします。
自分の認識ではアメリカはラジオ大国です、ジャズ関連放送局であれば、一日ジャズが流れています。
本誌を読んで沢山の多様なメディアが存在している事を認識しました。
それはアメリカの政治にまでも影響がありそれに関わる人間模様も解説されています。
アメリカのメディアはそれぞれに色があり、その色は複雑に入り組んでいます。
特徴としてはテレビ、ラジオは視聴率が全てであり、新聞等は販売数が全てです。
そのためには何んでもやるのが常とう手段であり、スタフもどんな色も関係がなく、
ビジネスとして儲かることが全てであります。
しかし、このことがアメリカの民主主義としてのアイデンティティーであり、
複数のメディアが独自の目線で「競う」こと自体が大切であることを気づかされます。
中国やロシアの様にメディアを規制している国では考えられない事であります。
特に第4章 風刺―ジャーナリズムとしてのコメディについては
トランプ主演のリアリティ番組「アプレンティス(The Apprentice)」、
トランプを不動産王からテレビタレントに押し上げた。
テレビ衰退のなかでトランプはその特異なキャラクターと爆弾発言で集客力抜群の救世主だった。
トランプはこの経験を政治に利用して大統領まで上り詰めます。
物真似パロディと映画「バイス」では
著者は映画「バイス」を物真似パロディと政治ドキュドラマを掛け合わせた作品であると紹介されています、
自分はこの作品を見ましたが、パロディであるとは思いませんでした、
海外のパロディ作品は自分には全く理解出来ないので、見ることはないのですが、よく分かりません。
しかし、このような作品を作る事の出来るアメリカの懐の深さには関心せざるにはいられません。
アメリカメディアの課題はこの国の人種、
経済格差など未解決の深刻な政治課題をそのまま映し出しているようであります。
ちなみに私はテレビをほとんど見ません、ラジオも音楽番組しか聞きません。