元空将補西山氏が戦略偵察飛行の活動の実態をCIAの秘密解除資料などをもとに検証された本です。
自分は航空艦関係については疎いのですが、偵察機と言えばU‐2、SR-71,RC-135等を思い浮かべますが、
実際の運用状況については詳細が不明であり、新聞報道等で知ることがあります。
本書は第二次世界大戦後のアメリカ軍の航空偵察について機種、運用状況、各戦闘での成果等について
詳細に解説されていて、知らないことが沢山ありました。
最近では偵察衛星や無人機偵察機(UAV)があるのでリスクの大きい航空偵察でなくても良いのではないかと感じますが、
実態として偵察衛星での課題、無人機偵察機(UAV)のコスト問題があり当分航空偵察が必要であることは理解出来ました。
自分が本書で知ったことはSR-71の前にA-12があり開発過程、移行について、コスト問題があることを知りました。
無人機偵察機(UAV)ではQR-1プレデター、MQ-9リーバーが有名ですが、最初に実用化していたのが、
AQM-34ファイアビーであること、実際の偵察での利用したこと、課題がネットワークであったことです。
QR-1プレデターが有効となったのはネットワーク構築と画像処理です。
やはりアメリカ軍は航空偵察一つをとっても様々な検討、偵察機の開発、試作、運用についてのノウハウを持っており、
最近ではロシア、中国が追いついてきたことです。
特にロシアはアメリカ軍の偵察機撃墜に力を注ぎ、防空体制の強化を図ったことが知りました。
CIAがU‐2撃墜について報告書を開示しており、撃墜は不可能に近いと記述されているが
著者は航空自衛隊機F-104での高高度要撃において
6万フィート以上で飛行しいてる米空軍RB-57Fを要撃に成功強いてとのことです。
「おわりに」での補記:保守義務と真相で筆者は大韓航空撃墜事件について各方面からの書物が出版されているが、
内容は「群盲象を評す(ぐんもうぞうをひょうす)」とのコメントを残されています、
真相は知っているが保守義務があるので言えないとのことです。
多分、アメリカは秘密解除があってもまだ公表できない事が沢山あるのだと負いました。
情報戦はあらゆる角度から視点を当てて相手の戦略を解き明かして行く必要があります、
そのための一つのツールとして戦略航空偵察は今後も必要であると認識しました。
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