アジア・ファースト 新・アメリカの軍事戦略
著者のエルブリッジ・コルビー氏は次期トランプ政権の国防次官(政策担当)に指名されているとのことで、
トランプ政権の国防戦略が読み解かれる
彼は今直面する脅威は中国であり、防衛戦略の優先順位は主敵を中国だけに絞り、対応する必要性を説いています。
彼の理論は昔のアメリカとソ連の「バランス・オブ・パワー」が今のソ連が中国に変わったとも論じでいます。
しかし、その時とは時代が違います、ロシア、中国、イラン、北朝鮮の同盟国は
イデオロギーを超えてアメリカと同盟国に現状打破で結託しています。
アフリカ諸国、中東諸国はどちらに自国に有利であるかを模索しています。
そして経済力が軍事力とイコールとも言っています。
今のアメリカ1国では中国に対抗できないので、アジア関連同盟国は結束して対抗する必要性をといています。
それは軍事費をGNPの3%まで上げろとも論じています。
しかし、国防は軍事力だけで成り立つものではありません。
彼の論理から透けて見えるのはアジア諸国のみならず、
欧米各国に主張している軍事費を5%に上げろと言っている論理と結びつきます。
アメリカは軍事費を削減しようとしているのです、そして経済的にアメリカが有利であればよいとの理論です。
そしてアメリカの軍事産業を育成するためには各国が軍事費を上げて、
その予算をアメリカの軍事産業に向けようとしていることが分かります。
結局は「アメリカ・ファースト」であることが透けて見えます。
この様な理論には乗ってはいけません、確かに中国の覇権主義は脅威でありますが、
軍事力を高めることが全てではありません。
国防は国民の意識と外交と最小の軍事力で立ち向かうことが最善です。
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