宇沢弘文(うざわ ひろふみ)の生涯を記録した本です。
著者は膨大な資料から解き明かして行かれますが、経済学に素人な自分には最初は戸惑いましたが、
宇沢氏が最初は東大数学科から数理経済学に移行されて行くことには大変興味を抱きました、
数学は全ての学問に通じている事は数学好きの私には分かるような気がしました。
しかし、経済学者を知らないので読み直していくので、進みません。
読んでいるうちに自分が今まで読んだ、「中央銀行の罪ー市場を操るペテンの内幕」
「オフショア化する世界」「洪水と水害をとらえなおす: 自然観の転換と川との共生」
が繋がって行くことには再認識しました。
知っている事が書かれていたのはペレーショナル・リサーチ(OR)です、
これも経済学と結びつく事は知りませんでした。
自分は第二次世界大戦でのドイツ潜水艦の群狼作戦における護送船団の効率的な運航方法を
生み出すのに用いました文献を読んだ時に知りました。
印象に残る文書は「社会主義の弊害と資本主義の幻想」「資本主義の弊害と社会主義の幻想」です、コインの裏表ですね。
前に読んだ「武器としての「資本論」」を読んだ時にも同じ感想だったのですが、
マルクス、ケインズが書いた時と今は現状が違うのではないかと思います。
東西冷戦が終わり、アメリカーナ―も弱体化している今、新たな主義が求められているのではないかと思います。
その一つに宇沢氏が唱えた「社会的共通資本」があるのではないかと思いました。
それにしてもアメリカの経済学者が政府の御用学者であり、
その人たちがみんなノーベル経済学賞を受賞しているのにはビックリしました。
宇沢氏がノーベル経済学賞を受賞しなかったのは今の日本経済学界がどんな状況であるか一目瞭然です。
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