軍事アナリストの小川氏が民間人の立場で普天間基地返還問題に関わった回想を出版されました。
自分は昔から小川氏を知っており、本も何冊か読んでいましたが、普天間基地返還問題について深く関わっていたことは知りませんでした。
1995年の沖縄での少女暴行事件に端を発して、「普天間基地」返還で日本政府はアメリカに対して首脳会談で「(普天間問題の解決に向けて)継続的に協議する」を発端にしていろいろ事項が動いて行くのですが、小川氏もその一人とし、この問題の解決方法を時の政府首脳に提案されます。
沖縄側、政府側、官僚側、アメリカ側との各方面に対してのコンタクトは勢力的でこの人は沖縄の問題についてよく理解している事を感じました。
しかし、事は小川氏の提案内容とは別の案で進んでいきます。
この本を読んで分かったのはいかに関係者の軍事スキルが低いか、今すぐやらなければいけないことは普天間基地を閉鎖することで、次にどこに施設を作るかです。
そのことを置き去りにして政府側、官僚側、財界側は利権の事を最優先にして沖縄県民の苦痛を考えていないことが良くわかりました。
特に防衛省は何の役にも立たない、イージス・アショアの件でも同様です。
こんな役にも立たない基地の野古移設費用は9500億円です。
今の政府は新型コロナウイルス対策で「Go To トラベル」に多額のお金を大手旅行会社に配りますが、これも全て利権です。
政府、官僚、財界は国民の事を考えて対応しているのでなく、いかに利権が手に入るかのみを考えいるのではないかと疑います。
小川氏は「日本は間違いなく内側から蝕まれている。 民主主義は形式に流れ、政治が健全に機能していないからだ。それを象徴しているのが普天間基地の移設問題である。本書は普天間問題を歴史に埋没させないための作業である」と書き記す。
このことを日本国民が自覚しないから今のような状況となって行くことは菅政権の支持率が70%を見れば分かるような気がします。