DCC迷宮の住人

デジタル鉄道模型の備忘録

車輪のクリーニング

2023-03-26 19:07:05 | メルクリン

動力車の車輪のクリーニングは車輪が自由に回転しないため手間がかかりますが,それ故便利な商品が存在するものでして,今回は,それを3線式に対応させました

一般的には,クリーニング液をしみ込ませたキムワイプやキッチンペーパーをレールに被せて,その上に機関車を乗せる方法がありますが,これだとトラクションタイヤのゴムの劣化が進みます。ゴム車輪を長持ちさせるためには,やはりメンテナンス・スタンドに機関車を裏返して乗せた状態で車輪を回転させながら磨くのが良い方法ですが結構手間がかかります

ネットで色々と探しているうちに津川洋行が販売しているホイールクリーナーがあることを知り,これを採用することにしました。ホイルクリーナー「ソフト君HO」を選んだ理由は2つです。1つ目は,除染効果のある「通電布」を用いることにより「トラクションタイヤにも使用可能」であることと,2つ目は,左右の線路の間の部分に余分な突起物がなく「センターレールを設置できる構造となっている」ことでした。また,通電布自体に除染効果があるおかげでクリーニング液も不要です

製品自体は,当然のことながら2線式となっておりますので,センターレールに銅箔テープを用い,このテープに給電用の配線を直接ハンダ付けしてあります。

津川洋行のホイールクリーナーはワニ口クリップを線路に挟んで給電する仕組みになっています。このやり方ですとセンターレールの小さな突起に挟むのは難しいので,当鉄道標準仕様のネジ端子アダプタを通してコマンダーから直接給電しております。

コマンダー側のネジ端子から延びる配線の先にプリント基板に銅板を貼り付けてコンタクト端子を作りました。
接続については,3線式と2線式のそれぞれの原理に合わせた単純な方法で,間違え防止に銅板の大きさを変えてあります
3線式のグランド側は左右の線路に通じているワニ口クリップを大きい銅板に2つ挟み,センターレールはそれに通じているワニ口クリップを小さい銅板に挟みます。
2線式の場合は左右の線路に通じているワニ口クリップをそれぞれに挟みます。

通電布はメンテナンス用品として別途購入できるので,この在庫が尽きない限り一生物ホイールクリーナーです


猫屋線 フルサウンド機 ~猫会議編~

2023-03-15 18:47:08 | 猫屋線

当鉄道キハ17ですが,大幅にニャンコボイスを追加して猫会議をしてみました

ファンクション全30個のうちサウンドに25個を割り当ててありますが,そのうちニャンコボイス9個とワンコボイス1個を収録という猫会議仕様にしてみました

果たして,どうなりますやら

今回も音源については,小森平様のフリー素材集「無料効果音で遊ぼう!」からデータを使わさせていただきました。

動画のための臨時運行でしたが,このまま定時運行かも


KATO DS52 ポイントデコーダーの設定

2023-03-12 17:09:13 | DCC

DCCの利点の一つとしてポイントデコーダーへの配線も1本で済むことが挙げられます

いくつか市販されているポイントデコーダーですが,Nゲージサイズとなると道床に収まるものがないのが実情です。
そうなると外付け一択になるわけで,色々と探しておりましたところ,KATOが輸入販売しているDigitrax(デジトラックス)社製のポイントデコーダー「DS52」があり,2回路出力で,1回路につきユニトラックポイントの場合は4台まで接続可能ということで白羽の矢が立ったのでした
なお,DS52の許容電圧値が22Vと低めな点と,Digitrax社製のデコーダーは,今やDCCの標準であるNMRA規格に完全に準拠していないことで有名でありますので,これらの点をご納得の上で購入してください

本題に戻りますが,Digitrax社製のデコーダーは,欧州製デコーダーと勝手が違います
デコーダーのアドレス変更はプログラミングレールではなく,POM(運転用レール出力端子,ECoSではmain端子)で変更します。以下は,ESU社製のECoSでの設定手順です。
なお,この変更手順は,Digitrax社製のコマンダーを用いずに行うため,KATOの保証対象外となりますので,ご承知おきください

手順1.前もってアドレス変更画面で変更したいアドレスまで入力を済ませておく
手順2.給電を止める
手順3.配線とロック・ピン差替え
手順4.給電してアドレスを書き込む
手順5.ロック・ピンを戻す


1.前もってアドレス変更画面で変更したいアドレスまで入力を済ませておく

ECoSの最上段の左から4番目のコントローラー設定アイコンをタップします。

設定画面に変わったら,最上段の左から2番目の「Setup 2」のタブをタップ,左列のメニューの「PROG DCC」と書かれたアイコンをタップするとCV値の変更画面が表示されます。

「Mode」メニューの中から「Main track programming(POM)」と書かれている左側のにチェックを入れます(Prog. trackでないことに注意)。

その直ぐ下の「POM program. target」と書かれている選択肢の中から「Loco decoder」と書かれている左側のにチェックを入れます(Accessory decoderでないことに注意)。

CV番号入力欄は「1」です(ここを変えてはいけません)。

Value」は2桁の数値(1~99)を入力します(4桁アドレス入力には別の手順が必要で,ECoSで出来るのか現時点で不明)。
ちなみに2回路目としてのセカンドアドレスは,1回路目のアドレスの次番号が自動的に割り当てられます(例えば1回路目に7番を割り当てたら,2回路目は自動的に8番になります)。

DS52は給電開始から16秒間しかアドレス変更を受付ない仕様になっているので,「GO」ボタンを押してから一連の動作を行うには無理があると思われ,この手順を先に済ませておく方が無難です(タイムオーバーになったら,やり直しすれば良いだけですが)。

2.給電を止める

手順1の画面のまま「STOP」ボタンを押して,給電を止めます。

3.配線とロック・ピン差替え

ECoSのmain端子からデコーダーの給電用端子に直接配線する方が無難です。

次に,アドレス変更を物理的にロックしているピンを「」の位置になるように差替えます。

4.給電してアドレスを書き込む

GO」ボタンを押して,16秒以内に「Write」をタップする。

5.ロック・ピンを戻す

STOP」ボタンを押して,最後にロック・ピンを「」の位置に戻して完了です

これでポイントの遠隔操作が可能です


猫屋線 実感的な速度を目指して

2023-03-09 19:47:13 | DCC

DCCはスロー運転が得意でナローである猫屋線にピッタリですが,フルスロットルで新幹線並みに爆走するのも興ざめです
今回は実感的な運転のためにコントローラー(ESU製のECoS)とデコーダーの調整です
手順1.コントローラーのメーター調整(見かけ)
手順2.CV値変更でスピード調整(実態)


1.コントローラーのメーター調整(見かけ)

ESU製のECoSでは,スピードメーターの最高速のところに「126」とステップ値が書かれています。しかし,折角スピードメーター風なんだから最高速も各々の機関車に合わせて表示させたいと思うわけでして,そこで調整してみた次第です

上の写真ではDB101の最高速は50km/hです。おそらく10tタイプがモデルではと推測しております。仮に酒井重工業のC4であったとした場合,実車の最高速は25~30km/h(C4の各タイプによって異なる)になるのですが,模型の性質上,スケールスピードを超えて走ってもらわないといけない場面もありますので,50km/hを模型上の最高速としました。

スパナマーク」をタッチ,「Edit loco(機関車編集)」をタップします。

編集画面が開いたら「Properties(プロパティ)」と書かれているタブをタップし,左列のメニューから「メーターの形をしたアイコン」をタップするとスピードメーターの設定画面が表示されるので,「Speed(スピード)」と書かれているところの左にあるにチェックを入れると「km/h」を表示させることが出来るようになり,最後に「Max.speed」のスライダーで最高速度表示を変更できます
ただし,この設定は画面での見かけ上の最高速度であり,フルスロットルにすると新幹線並みに爆走しますので,次のステップに進みます。


2.CV値変更でスピード調整(実態)

【重要】初期値はメモして,元に戻せるようにしておいてください。慣れないうちは数値を徐々に変えて試してください(暴走注意)。
また,車輪及びレールを磨いて途中で交信途絶しないようにご注意ください。


調整するのは最高速度のCV5です。CV5の初期値は「255」になっていますので数値を減らしていって好みの速度感に調整しします。なお,LokSound5ではCV6の調整は無効です(そもそも変更できない)。
なお,車輌を緊急避難的にを速く移動させる場合を考慮して,実車速度に拘らず速く移動できるようにしておくと便利です

上の写真は,当鉄道DB101のCV5の値です。動力装置はナローゲージ製「H パワー 9mm 小型パワトラ」を組込んであります。何度か走らせてみて,最終的にCV5の値が25に落ち着きました。
また,加減速に不満がある場合(例えば,いつまでたっても止まらなくて暴走気味の車輌に手を焼いている)は,CV3(加速度)とCV4(減速度)の数値を調整します(数字が小さい方が反応が速い)。こちらは機関車の動力装置の特性により大きく性格が異なる部分ですので,全く触らなくても良い場合(むしろこちらの方が多い)があります。

ナローらしくのんびりと


猫屋線 DB101 フルサウンド機

2023-03-05 23:50:00 | 猫屋線

猫屋線ユキ1・DB101茶色塗装2両セットの中のDB101をDCCフルサウンド機に改造しました

外観で異なるのがエアタンクを備えていることとカプラーを交換したことぐらいです。
小さなエンジンルーム及び運転室という限られた空間にデコーダーとスピーカーをどうやって収めるかというのが最も苦心したところです。
DB102も発売されていますが,こちらは運転室が中央にありモーターに占拠されているためスピーカーの設置に無理があると判断し,DB101なら運転室が端に寄っていてスピーカーの収納に余裕があったのでこちらを選択しました。

Loksound5 microのサイズは,11mmx15mmで,厚さは公表されていませんが5mm程度あります。これにnext18アダプターが付くので更に3mm程度厚みが増すことになります。トミーテックから発売されている純正の動力化装置「TM-TR02 鉄コレ動力ユニット 2軸電動車用B」では,装置の高さが機関車のエンジンルーム一杯になってしまうようでデコーダーの収納は不可能と思われ購入そのものを諦めていました

ところが,ネットで探しているとナローゲージ製「H パワー 9mm 小型パワトラ」があり,さらに「NG-P115(鉄コレ動力用アダプター)」といった至れり尽くせりの製品が存在することが分かりました。同製品の紹介ページにはオリジナルの「はこてつ動力」ユニットと並べた写真が掲載されており,これならデコーダーが収まるのではないかと思い見切り発車となりました

デコーダーとスピーカーの大きさはこんな感じです。当初,エンジンルーム前方のラジエーターがあるところににスピーカーを押し込み,デコーダーを運転室内に収納することを考えていましたが,現物合わせの結果,デコーダーからの配線に無理が生じることと,スピーカーとモーターが収まりきらないことが分かり,この配置になりました。黄色のテープは絶縁用のカプトンテープです。
なお,ヘッドライト(前・後)をLEDで点灯させていますので,照明用にCRD(定電流ダイオード)を組み込んであります。製品でしたらチップ抵抗器を使うところでしょうが,個人の趣味なのでご容赦ください

スピーカーの幅はエンジンルームギリギリで収めることが出来ますが,長さがモーターと当たるため縦に配置することとしました。その結果,運転室内で蓋をしている部分は全部取り去りしました

デコーダーをエンジンルームに収納する場合,骨格の一部と当たるため,その部分を取り去ってあります

ヘッドライトはレンズ部分をピンバイスで突き抜けないように慎重にくり抜き,光漏れ防止のためシルバーで塗装後,配線済みの0402(電球色)チップLEDを組み込んであります。レンズは(拡大するとお見苦しくてすみませんが),固まっても濁らないセメダインの接着剤「ハイグレード模型用」を表面張力を利用して真ん中を盛り上げるように固めてあります。

いかに滑かな走行が売りの「H パワー 9mm 小型パワトラ」であっても,重量不足からくる集電不良には適いません。そこで錘として(タングステンは高価過ぎるのでもったいないし,鉛はワンコが誤飲すると可愛そうなので)ステンレスの1.0mmベアリングボールをコニシ ボンド「デコプリンセス ラインストーン用」で混ぜ合わせて隙間に充填しました。さらにペアーハンズ製「NP-078 小型車両用 エアータンク」を装着し,ディテールアップと軸重アップ(ほんの僅かですが)をしてあります。
なお,「H パワー 9mm 小型パワトラ」にはフライホールがなくラビットスタートとなってしまいましたのでCV55(パラメータI)の数値を「10」に変更しました(走行そのものは滑らかです)。

連結器は当鉄道仕様のIORI工房製の「アサガオ型連結器 鉄コレナロー用 角形・長」に交換しました。連結リングを抜き差ししにくいのが難点ですが,実感的なことと鉄コレのカプラーの差し込み部分と形状が同じで交換が容易なのでオススメです

もちろんフルサウンドです。サウンドデータは「V15 / BR101DR」を利用しました
にゃんこボイスもあるにゃ