DCC迷宮の住人

デジタル鉄道模型の備忘録

KATO DS52 ポイントデコーダーの設定

2023-03-12 17:09:13 | DCC

DCCの利点の一つとしてポイントデコーダーへの配線も1本で済むことが挙げられます

いくつか市販されているポイントデコーダーですが,Nゲージサイズとなると道床に収まるものがないのが実情です。
そうなると外付け一択になるわけで,色々と探しておりましたところ,KATOが輸入販売しているDigitrax(デジトラックス)社製のポイントデコーダー「DS52」があり,2回路出力で,1回路につきユニトラックポイントの場合は4台まで接続可能ということで白羽の矢が立ったのでした
なお,DS52の許容電圧値が22Vと低めな点と,Digitrax社製のデコーダーは,今やDCCの標準であるNMRA規格に完全に準拠していないことで有名でありますので,これらの点をご納得の上で購入してください

本題に戻りますが,Digitrax社製のデコーダーは,欧州製デコーダーと勝手が違います
デコーダーのアドレス変更はプログラミングレールではなく,POM(運転用レール出力端子,ECoSではmain端子)で変更します。以下は,ESU社製のECoSでの設定手順です。
なお,この変更手順は,Digitrax社製のコマンダーを用いずに行うため,KATOの保証対象外となりますので,ご承知おきください

手順1.前もってアドレス変更画面で変更したいアドレスまで入力を済ませておく
手順2.給電を止める
手順3.配線とロック・ピン差替え
手順4.給電してアドレスを書き込む
手順5.ロック・ピンを戻す


1.前もってアドレス変更画面で変更したいアドレスまで入力を済ませておく

ECoSの最上段の左から4番目のコントローラー設定アイコンをタップします。

設定画面に変わったら,最上段の左から2番目の「Setup 2」のタブをタップ,左列のメニューの「PROG DCC」と書かれたアイコンをタップするとCV値の変更画面が表示されます。

「Mode」メニューの中から「Main track programming(POM)」と書かれている左側のにチェックを入れます(Prog. trackでないことに注意)。

その直ぐ下の「POM program. target」と書かれている選択肢の中から「Loco decoder」と書かれている左側のにチェックを入れます(Accessory decoderでないことに注意)。

CV番号入力欄は「1」です(ここを変えてはいけません)。

Value」は2桁の数値(1~99)を入力します(4桁アドレス入力には別の手順が必要で,ECoSで出来るのか現時点で不明)。
ちなみに2回路目としてのセカンドアドレスは,1回路目のアドレスの次番号が自動的に割り当てられます(例えば1回路目に7番を割り当てたら,2回路目は自動的に8番になります)。

DS52は給電開始から16秒間しかアドレス変更を受付ない仕様になっているので,「GO」ボタンを押してから一連の動作を行うには無理があると思われ,この手順を先に済ませておく方が無難です(タイムオーバーになったら,やり直しすれば良いだけですが)。

2.給電を止める

手順1の画面のまま「STOP」ボタンを押して,給電を止めます。

3.配線とロック・ピン差替え

ECoSのmain端子からデコーダーの給電用端子に直接配線する方が無難です。

次に,アドレス変更を物理的にロックしているピンを「」の位置になるように差替えます。

4.給電してアドレスを書き込む

GO」ボタンを押して,16秒以内に「Write」をタップする。

5.ロック・ピンを戻す

STOP」ボタンを押して,最後にロック・ピンを「」の位置に戻して完了です

これでポイントの遠隔操作が可能です


猫屋線 実感的な速度を目指して

2023-03-09 19:47:13 | DCC

DCCはスロー運転が得意でナローである猫屋線にピッタリですが,フルスロットルで新幹線並みに爆走するのも興ざめです
今回は実感的な運転のためにコントローラー(ESU製のECoS)とデコーダーの調整です
手順1.コントローラーのメーター調整(見かけ)
手順2.CV値変更でスピード調整(実態)


1.コントローラーのメーター調整(見かけ)

ESU製のECoSでは,スピードメーターの最高速のところに「126」とステップ値が書かれています。しかし,折角スピードメーター風なんだから最高速も各々の機関車に合わせて表示させたいと思うわけでして,そこで調整してみた次第です

上の写真ではDB101の最高速は50km/hです。おそらく10tタイプがモデルではと推測しております。仮に酒井重工業のC4であったとした場合,実車の最高速は25~30km/h(C4の各タイプによって異なる)になるのですが,模型の性質上,スケールスピードを超えて走ってもらわないといけない場面もありますので,50km/hを模型上の最高速としました。

スパナマーク」をタッチ,「Edit loco(機関車編集)」をタップします。

編集画面が開いたら「Properties(プロパティ)」と書かれているタブをタップし,左列のメニューから「メーターの形をしたアイコン」をタップするとスピードメーターの設定画面が表示されるので,「Speed(スピード)」と書かれているところの左にあるにチェックを入れると「km/h」を表示させることが出来るようになり,最後に「Max.speed」のスライダーで最高速度表示を変更できます
ただし,この設定は画面での見かけ上の最高速度であり,フルスロットルにすると新幹線並みに爆走しますので,次のステップに進みます。


2.CV値変更でスピード調整(実態)

【重要】初期値はメモして,元に戻せるようにしておいてください。慣れないうちは数値を徐々に変えて試してください(暴走注意)。
また,車輪及びレールを磨いて途中で交信途絶しないようにご注意ください。


調整するのは最高速度のCV5です。CV5の初期値は「255」になっていますので数値を減らしていって好みの速度感に調整しします。なお,LokSound5ではCV6の調整は無効です(そもそも変更できない)。
なお,車輌を緊急避難的にを速く移動させる場合を考慮して,実車速度に拘らず速く移動できるようにしておくと便利です

上の写真は,当鉄道DB101のCV5の値です。動力装置はナローゲージ製「H パワー 9mm 小型パワトラ」を組込んであります。何度か走らせてみて,最終的にCV5の値が25に落ち着きました。
また,加減速に不満がある場合(例えば,いつまでたっても止まらなくて暴走気味の車輌に手を焼いている)は,CV3(加速度)とCV4(減速度)の数値を調整します(数字が小さい方が反応が速い)。こちらは機関車の動力装置の特性により大きく性格が異なる部分ですので,全く触らなくても良い場合(むしろこちらの方が多い)があります。

ナローらしくのんびりと


サウンドファイルのインストール ~その4(了)~

2023-03-04 20:35:00 | DCC

今回は,出来上がったサウンドの視聴とアップロードです(完成)

手順8.音量を調整する(必要に応じて)
手順9.走行音に紐づけする設定(念のために確認)
手順10.音の種類に合わせてアイコンを変える(コントローラーからでも可能ですが)
手順11.デコーダーへの上書き


8.音量を調整する(必要に応じて)

わんこボイス「Bow wow.wav」の音量を変えるという設定例です。

音量を調整したい場合は,メニューバー(1)のSoundをクリック。サウンド一覧(3)の中にあるわんこボイス「Bow wow.wav」をクリック。ウインドウの下にあるスライダーで右側にスライドします

Volumeスライダーをスライドさせて大小を調整。これで完了です


8.走行音に紐づけする設定(念のために確認)

走行音がオンの状態(たとえば,DLではエンジンを始動している間だけ)にサウンドを出すことが出来るという設定です。

DCC機は,いくつかの機械音がランダムに再生されます。しかも,レール上の全ての機関車は通電状態にあり,ヤードで休止している機関車から突然コンプレッサーの圧縮音が流れるといったことが起きてしまいます。これらを防ぐためにサウンドによっては走行音に紐づけさせる必要があります。

メニューバー(1)のDecoder,サブメニュー(2)を下の方にスクロールしてSound slot settings(サウンドスロット・セッティング)をクリックすると,サウンドスロットの内容が表示されます(3)。Sound slot configurationと書かれたところにSound slotの一覧が表示されていますので,紐づけさせたいサウンドを選択し,「Play only if drive sound is enabled」の□にチェックをいれます。

既存のサウンドを書き換えたケース前の設定が残っています7-2.寝ているファンクション番号を目覚めさせるケースではデフォルトでチェックが入るのでご注意ください。走行音に紐づけされて困るといったサウンドもありますので,念のために確認することをお勧めしますにゃんこボイスを何時でも聞きたい方は,紐づけしない方がよろしいかと

ご注意
Volume(音量)のスライダーは,この試聴画面のみのボリュームのようで,Sound slotに入っているデータの音量そのものを調整できないことです(=単に再生するだけ)。音量を調整したい場合は前の章の例にならって変更してください。


10.音の種類に合わせてアイコンを変える(コントローラーからでも可能ですが)

F12のレールジョイント音のアイコンは明らかに「にゃんこボイス」にそぐわないので,これを変更するという設定例です。
この設定は,わざわざLok programmerで行わなくてもコントローラーから変更できます。ここまで修正したら感覚的に90%位出来たようなものです。経験上,デコーダーは永久不滅ではないので,その時に備えて,元データは完成させておいた方がよろしいかと思われます

ちなみに,ファンクション番号ですが,どれにどれを割り当てたのか私は全部覚えていないので,PCのエクスプローラーを使って同じファイルを二重起動(←できるんです)させて作業をしています。

メインメニューのInformatonをクリック(1)。サブメニューのFunctions(2)をクリックするとファンクション一覧(3)が表示されます。
F12の行にあるアイコンをクリック。▼印が出たらスクロールします。スピーカーアイコンを選択します(お好きなアイコンをどうぞ。残念ながらにゃんこアイコンはありませんが...)。次に,2列右隣りのMoment欄の□にチェックをいれます(チェックを入れないとファンクションボタンは押されたままの状態になり,ループ指定のある音源に適した状態になります)。Description(説明)と書かれている列に「猫」(お好きな名前をどうぞ)と入力して完了です

補足

1.Description(説明)と書かれている列はファンクションのメモ欄です。入力内容は動作に影響ありません。
2.Index(索引ナンバー)と書かれている列はアイコン毎に割振られている索引番号です。慣れてきたらスクロールさせてアイコンを選択するより,ここに番号を直接打ち込んだ方が素早く変更できます(例:スピーカーは「6」,おしゃべりは「8」等)。
3.Inverted(反転)と書かれている□チェックボタンは試したことがありませんので分かりません(おそらくファンクションボタンを押していないときに作動するのではないかと。)。
4.Category(カテゴリー)と書かれている列はアイコンに連動していますので変更不要です(むしろ手動で変更してはいけません)。


11.デコーダーへの上書き

出来上がったサウンドデータをデコーダーに新規インストールまたは上書きインストールする例です。


【重要】
1.既存のデコーダーに上書きインストールする前にデコーダーに入っているオリジナルデータをダウンロードしてPC内(または他のデバイス上)保管しておいてください。
2.必ず出来上がったファイルはPC内(または他のデバイス上)に保管してください。
3.デコーダーテスターを使わずに,車輌に直接書き込む場合は車輪及びレールを磨いて途中で交信途絶しないようにご注意ください。

枠で囲ったところの左から順に,緑の左矢印がデコーダーからのダウンロード赤の右矢印上書きアップロード音符付き赤の右矢印サウンドスロットの上書きアップロードです。緑色のダウンロードボタンは間違って押しやすいのでご注意ください。
アップロードするときは最初に赤の右矢印クリック(数分で完了),次に音符付き赤の右矢印ので順にクリック(データ量にもよりますが15分位で完了)します。音符付きの赤の右矢印をクリックしないとサウンドをアップロード出来ませんのでご注意ください

補足

赤の右矢印のアップロードボタンで上書きされるのはモーター制御,ライトやサウンド等のファンクション制御データです。新しい音を入れ替えない場合は,赤の右矢印のアップロードボタンのみで済ませることができます。

以上で完了です。素晴らしいサウンドの世界をお楽しみください

追記:内容の一部が間違っていましたので訂正しました。2023.03.12


サウンドファイルのインストール ~その3~

2023-03-02 21:23:45 | DCC

今回は,インストールしたサウンドファイルをファンクションボタンに割り当てます

手順6.Lok programmerのデコーダー編集画面を開く
手順7-1.指定済みのファンクション番号の中身を入れ替える
手順7-2.寝ているファンクション番号を目覚めさせる


6.Lok programmerのデコーダー編集画面を開く

前回作成したサウンドスロット「猫2」がサウンドスロット選択ウインドウ(2)に,インストールした「Merow of cat2.wav」がサウンドファイル一覧(実装されているサウンドファイル構成)ウインドウ(3)に表示されています。

メニューバー(1)のDecoder(デコーダー)と書かれているところをクリックし,次にサブメニュー(2)のFunction Mapping(ファンクション・マッピング)をクリックするとファンクション設定画面(3)が表示されます。


7-1.指定済みのファンクション番号の中身を入れ替える

ファンクション設定画面(3)の不要なサウンドを入れ替えます。F9のドイツ語アナウンスは不要なので,ここにSound slot 16「」に入れ替えるという設定例です。ちなみに,オリジナル音源はファイルの中はSound slotそのものを上書きしない限りは残っており,同じ手順で戻せます。

F9行をクリックし,第5列をクリックします。▼印が出たら下にスクロールするとSound slot 13「german announcement #8 (old timey)」が指定されていますのでチェックを外します。少し下にあるSound slot 16「」にチェックを入れます。最後に「×」をクリックして完了です

前回はにゃんこボイス「猫2」をインストールしましたが,画面構成の都合上,別猫ボイスになっていますので,悪しからずご了承ください

ちなみに,上書き前のSound slotのチェックを外し忘れると,合唱します


7-2.寝ているファンクション番号を目覚めさせる

ファンクション設定画面(3)の寝ているファンクション番号にサウンドを割り当てます。ちなみに,LokSound 5は最大32個のファンクションが設定可能で,しかも10個のサウンドを同時に鳴らすことが出来ますので,猫会議も可能です

F24以下が寝ていますので,目覚めさせたF24にSound slot 10の車内チャイム「アルプスの牧場」を入れるという設定例です。←国鉄型のチャイムなのですが,個人の趣味なのでご容赦ください。

寝ているファンクション番号を目覚めさせる

F23行の下の行をクリックし,第2列をクリックします。▼印が出たら下にスクロールします。F24の▼印をクリックし,「On」を選択します。最後に「×」をクリックします。これで目覚めました

サウンドスロットを割り当てる

その後は上記7-1と同様です。第5列をクリックし,▼印が出たら下にスクロールし,Sound slot 10「アルプスの牧場」にチェックを入れ,「×」をクリックして完了です

便利にするための一手間

以上の例示ではF9がにゃんこボイス,F24がチャイムとなっています。32個もファンクションがありながら現時点で一画面に表示されるのは16個17個目以降はページ送りをしなければなりません

利便性向上のために頻繁に使うファンクションは,上記7-1の方法を使って最初の16個のファンクションと入れ替えることをおすすめします

なお,慣れないうちは「Physical outputs」と「Logical functions」の列に何かしらの設定があるファンクションは触らない方が無難です

上図の薄緑色の部分はページ送りが必要なエリアです。F12からF14まで動物の声をまとめまてみました


サウンドファイルのインストール ~その2~

2023-03-01 21:09:37 | DCC

今回は,サウンドファイルをLokSound形式ファイルにインストールします

手順4.Lok programmerのサウンド編集画面を開く
手順5-1.空いているサウンドスロットを開く
手順5-2.サウンドスロットに格納「ボックス」をつくる
手順5-3.サウンドファイルをコピーする


4.Lok programmerのサウンド編集画面を開く

ESU社のサイトからダウンロードしたファイル名には「S0312-LS5H0M4-Diesel-Wismarer-Schienenbus-V1-R1.esux」のような長い名前が付いています。これをクリックすると以下の画面が開きます(左のメニューバーでサウンド選択済みです(1))。


サウンド編集で使うのは(2)サウンドスロット選択ウインドウ,(3)実装されているサウンドファイル構成ウインドウ,(4)自分のPCのファイル構成ウインドウの3つです。


5-1.空いているサウンドスロットを開く

にゃんこボイス「Merow of cat2.wav」を空いているサウンドスロット6に入れてみます。

(2)の枠のサウンドスロット6をダブルクリックすると(2)の枠がサウンドスロット6の編集画面に変わります。


5-2.サウンドスロットに格納「ボックス」をつくる

サウンドファイルを収納するボックスを作る作業をします。

サウンドスロット6タブの下段の「State」と書かれているところをクリックすると右側のウインドウに「State」ボックスが作られます(ここにサウンドファイルが入ります)。作業の都合上,「State」ボックス「Mute」ボックスの右側にドラッグします。

コマンダーのボタンを押したときに音が出るようにする命令文を書き加える作業をします。

サウンドスロット6タブの下段の「Transition」と書かれているところをクリックします。

マウスポインターを「Mute」ボックスの四角い枠の中(位置はアバウトでかまいません。以下同じ。)でクリックするヒゲみたいなラインが現れますので,そのまま「State」ボックスの四角い枠の中まで引っ張っていきクリックします(勝手に付きまとうのでドラッグ不要)。「1:[ture]」と書かれた矢印が出来れば半分できました。

次に今の逆の線を引きます。Transition」と書かれているところを再びクリックします。

「State」ボックスの四角い枠の中でクリック,ヒゲ線をそのまま「Mute」ボックスの四角い枠の中まで引っ張っていきクリックします。「1:[ture]」と書かれた矢印が出来れば命令文の作成作業は終了です。

線引きに失敗しても,右クリックで線を削除するメニューが用意されていいますので安心して作業してください。なお,曲がっていても効果に変わりはありませんし,少しのことなら自動修正されます。


5-3.サウンドファイルをコピーする

(4)自分のPCのファイル構成のなかから,鳴らしたいサウンドファイルを「Sample」と書かれているところをまでドラッグします。(4)の枠の中にあるにゃんこボイス「Merow of cat2.wav」を(2)の枠の中にある「Sample」へドラッグします

上書きしても良いか聞いてきますので,「はい(Y)」をクリックすると上書きされます。

名前を付けます。

最初にサウンドスロット6を見たときには,その右側の名前が空欄でした。このまま作業を進めると,ファンクションボタンを設定する際にどの音か分からなくなるので,分かりやすい名前を付けます。

ボックスのあるウインドウの中の何もないところをクリックします。

Name」と書かれた右の枠内に名前を付けます。にゃんこボイスなので「猫2」としました(ここでは別ファイル「猫」が存在しているので)。書き換えにチョットだけ時間がかかりますので,そのまま待ちます。タブの名前が変われば終了です

Overview」と書かれたタブをクリックします。サウンドスロット6の右に「猫2」と名前が入っているのが確認できます

サウンドファイルをLokSound形式にインストールする作業は終了です