ちょっと最近書く事が無いなと思ってたら、“嵐の過去アルバムのレヴューでも書いたら?”と言われたので、4カ月ぶりに(おぉ、今回はスパンが短いww)
嵐
『ARASHIC』
2006/7/5リリース
ジェイストーム
JACA-5042
前作『ONE』から1年というインターバルでリリースされた6枚目。
前作同様にとっちらかった感じ(苦笑)は継続中ながら、名曲もチラホラと散見される。
しかし、アルバムとしての纏まりの無さは相変わらずかも。
なにせ「WISH」で始まって、(初回盤の場合)「シルバーリング」で終わるという構成は、個人的に・・・・・・・・・腰砕けになる(笑)
「WISH」という曲が、ファンの拡大に貢献しただろうというのは想像に難くないのですが、ドラマ主題歌の制約の弊害を感じて仕方が無い。
詞:久保田洋司、曲:オオヤギヒロオ、アレンジ:CHOKKAKU、ベース:種子田健、ストリングス:弦一徹、という布陣でありながら、なんでこんなに・・・・・
2曲目の「ランナウェイ・トレイン」にしても、せっかくヌーノ・ベッテンコートやビリー・シーンを使ってるのにこのノングルーヴな感じは何なんだろう・・・・・・
そんな俯き感が消えさるのは、3曲目「Raise Your Hands」のイントロが鳴りだした瞬間(笑)
流石、安部潤のアレンジだと納得のファンキーグルーヴ。奥田健治のカッティングと、オマー・ハキムのドラミングが気持ち良すぎる。RUSHのストリングスも疾走感を演出。そして、大野くんのフェイクが冴え渡る名曲。
立て続けにたたみ掛ける4曲目「きっと大丈夫」の完成度は、今聴いても色褪せない。個人的には、嵐の全シングル中ベスト5に入る快作です。SOUL'd OUTのShinnosukeくんがメチャメチャいい仕事してます。ホーンのスコアとトロンボーンは佐野聡。トランペットは、佐々木史郎と鈴木正則の熱帯JAZZ楽団コンピ。翔くんのRapが見事にハマり、Aメロの大野くんのヴォーカルが実に心地良く響き、イントロからカットアウトまで一部の隙もないポップグルーヴ。
そして、大野くんのフィーチャリングナンバー「Raedy To Fly」で興奮はピークに。家原正樹が書き、石塚知生がアレンジしたカッコ良すぎるミドルグルーヴ。オマー・ハキムのハイハットと、ナイル・ロジャースやロバータ・フラックとの共演で知られるジェリー・バーンズのファンキーなベースが身体をスウェイさせる。サックスソロもアーバンな雰囲気を漂わせる。
しかしながら、ニノのフィーチャリング曲「キャラメル・ソング」での落差の大きさ・・・・・
ここから「COOL&SOUL」の流れって(苦笑)
「COOL&SOUL」自体は悪い曲じゃないけど、ど真ん中に置く事によって流れが分断されている気がして仕方が無い。でもまぁ、この曲が「Re(mark)able」に発展していくんだと思えば感慨深いモノがありますが。ホーンセクションは「きっと大丈夫」と同じ佐野聡チームに春名正治をソプラノサックスに加え、鍵盤を基調にしたサウンドプロダクションは良く出来ています。
「旅立ちの朝」については言及しません(苦笑)きっと、お好きな方は多いのでしょうけど・・・・・
潤くんフィーチャリングの「I Want Somebody」は、彼の趣味に合っているんだろうとは思いますが、如何せんマイケルがボンジョヴィをバックに歌ってる様にしか聴こえなくて。
相葉ちゃんの「Secret Eyes」は好きです。シティポップの要素を塗した岩田雅之のアレンジが良いです。初っ端から弾けるホーンセクションとスクーター・ワーナーのタイトなドラムがグルーヴィ。ファルセットも意外とイケてる(笑)
翔くんフィーチャリング曲「超?ありがとう」も岩田氏のアレンジ。バーナード・パーディとウィル・リーのリズムセクションにパーカッションも効いててイイ感じではあるんだが・・・・・サビ頭のメロディがマイケルの「マン・イン・ザ・ミラー」みたいで(笑)あと、このミュージカルテイストのコーラスはアリなんでしょか?
「CARNIVAL NIGHT part 2」はイイ曲だけど、後半部分の中で浮いてる気も。長岡成貢のアレンジは流石ですが。スクーター・ワーナー、ジェリー・バーンズ、シャロッド・バーンズ、フィリップ・セスによる4Rhythmが支えるバックトラックにグルーヴィなホーンが絡むラテンファンキー。聴いててモー娘。の「ラブマシーン」を思い出すのは御愛嬌というコトで(笑)
初回盤ラストにあたる「シルバーリング」・・・・・・・イントロ聴いた瞬間に、Chicagoの「素直になれなくて」かと(爆)長谷部徹、長岡道夫、松原正樹、中西康晴、菅原由紀、数原晋という面子を揃えてるのになぁ・・・・・・これは若草恵のアレンジが問題なのか・・・・・(・・・・・が多いw)
ちなみに、通常盤のボーナストラック「LOVE PARADE」はビッグバンドをバックに歌うオールドタイミーなジャズテイストのナンバー。“少年隊ばり”と別冊宝島に書かれたのも頷ける(笑)
てな訳で、このアルバムのハイライトは3曲目~5曲目。というか、ココ以外ではなかなかテンションが上がらないです(苦笑)
しかし、手探りで前に進もうとしているのは感じられる。前作でリセットしてから新しい形を模索しているのは伝わる。それが、『Beautiful World』や『Popcorn』に結実していくのだと解る。
そんな感想を持った次第です。