カヴァーとはセンスだというコトを改めて認識させてくれる作品がリリースされました。
UNCHAIN
『Love&Groove Delivery』
2013/2/6リリース
Cloud Cuckoo Land
YZSM-20008
名盤『Eat The Moon』から約10カ月。あの名盤を作る呼び水になったのではないかと感じられる配信カヴァーと新録を含む10曲入りカヴァーアルバムです。
その10曲が全て素晴らしいという、近年稀にみる傑作カヴァーだと断言。
収録されているのは、
1.丸の内サディスティック (オリジナル:椎名林檎)
2.あいのうた~SWALLOWTAIL BUTTERFLY~ (オリジナル:YEN TOWN BAND)
3.Best Of My Love (オリジナル:THE EMOTIONS)
4.Super Girl (オリジナル:岡村靖幸)
5.エイリアンズ (オリジナル:キリンジ)
6.Automatic (オリジナル:宇多田ヒカル)
7.What a fool believes (オリジナル:The Doobie Brothers)
8.Mr.Taxi (オリジナル:少女時代)
9.This Christmas (オリジナル:Donny Hathaway)
10.Don't You Worry 'Bout a Thing (オリジナル:Stevie Wonder)
1曲を除いて名曲揃い(爆)
しかし、エモーションズの「ベスト・オブ・マイ・ラヴ」やドゥービーの「ホワット・ア・フール・ビリーヴス」、スティーヴィーの「ドント・ユー・ウォリー・アバウト・ア・シング」といった古今東西の名曲の原型になった様な作品をカヴァーするというのは、自分たちの咀嚼力に自信が無いと出来ない気がする。
「ベスト・オブ~」は嵐の「きっと大丈夫」の様な作品の下敷きだったり、「ホワット・ア~」はシティポップスの教科書の様なモノだし、「ドント・ユー~」はインコグニートの様な優れたカヴァーの先例がある訳だし。
それでも、彼らは結果を残す。
谷川くんのヴォーカルは更に艶を増し、ソウルフルとメロウを同居させる。リズム隊は、テンポに関係なくグルーヴィで腰を揺らすビートを刻む。そして何よりもギターの心地良さったらない。特にガットギターのドライヴ具合が素晴らしい。
ライトメロウなイントロと柔らかいヴォーカルで度肝を抜く「丸の内サディスティック」から彼らの魅力が全開。「ベスト・オブ・マイ・ラヴ」でグルーヴの真髄を見せつけ、岡村ちゃんの「SUPER GIRL」ではドライヴィンなカッティングが炸裂。ほぼ完成型と言っていい冨田恵一のアレンジに真っ向から対決を挑み、テンポアップとアップトゥデートさせたセンスで新たな世界を付け加えた「エイリアンズ」(妻は、キリンジファンなので“ヘタなカヴァーしたらブッ殺す(笑)”って言ってましたが、納得の出来だった様で良かったです(爆))
カッコ良すぎるアレンジと怒涛の展開で最後までテンション上がりまくりの「ドント・ユー・ウォリー・アバウト・ア・シング」は、個人的にはインコグニートを凌駕していると思います。
そして、何よりも驚きだったのが「MR. TAXI」
オリジナルの、平板でノングルーヴで退屈なエレクトロポップを、こんな抑揚の効いたミドルグルーヴに仕立てるセンス。やはり、アレンジはセンスだと感じさせる。
K-POPのつまらなさの大半はアレンジなのかと思わされた。
パフォーマーのスキルを上げる事に注力し過ぎて、肝心のサウンドメイクがスカスカになったんじゃ本末転倒だろ・・・・・・・(苦笑)
あ、話が逸れた。
このカヴァーが彼らの今を示しているとすれば、今年出るアルバムに関しては期待し過ぎるくらい楽しみにしててイイんじゃないでしょうかね。
とりあえず、今年の企画盤のベスト3の一角は決まったと思います。
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YouTube: UNCHAIN / 丸の内サディスティック
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YouTube: UNCHAIN / MR.TAXI
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YouTube: UNCHAIN / Automatic
</object>
YouTube: UNCHAIN / SUPER GIRL
そういや、最近気になる若い才能があります。
テレビでも時々取り上げられる
RED BOOTS FACTORY
というギターロックバンド。ギターの音色とかカッティングにセンスを感じます。ヴォーカルの声質も好み。まだキャリアが浅いらしいですが、将来が楽しみな存在です。
アンチェインみたいに、育っていってくれたら嬉しいなぁ・・・・
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YouTube: RED BOOTS FACTORY「answer」