BRADIO待望のファーストフルアルバム『POWER OF LIFE』のレヴューを書いてから幾ばくも経たぬ7月1日。私は高松DIMEの2階へ上がる入口のところで、家族4人で待っていた。
ライヴの開場時間は午後6時。その1時間半以上前から、今か今かと感情を高ぶらせながらその瞬間を待っていた。
待ちに待った地元でのBRADIOライヴ。昨年の9月に衝撃の生体験をしてから10カ月弱。またこの場所で彼らの音楽と対峙できる幸せ。
ワンマンだったらイイのに・・・・などと贅沢な事も思いつつ(苦笑)
今回のライヴは地元のバンド2組を含む5バンドによる企画。事前の情報は殆ど入れずに臨みました。
そして、全て終わって思った事。それは昨今のバンド事情(特に我が地元では顕著だと思いますが)からすると、BRADIOの明らかな異質さ。
まぁ、特に今回の対バンは殆どが感情が表面に迸るタイプだったので余計にそう思ったのでしょうが、BRADIOだけ明らかに違っているのです。
私は、自分たちの感情を吐露する暇があれば、少しでも多くの曲をオーディエンスに届けて欲しいタイプです。しかし、ただ淡々と曲だけを演奏すればイイという訳でもなく、そこにはライヴならではの楽しみが内包されていなければ意味がありません。BRADIOは限られた持ち時間の中で、最大限に曲を演奏し尚且つオーディエンスを楽しませるサービス精神に溢れた素晴らしいライヴをやってくれました。そこには、エンターテイメントの本質を理解し具体化する、格の違いを見せつける若きバンドの姿があったのです。
ちなみにセットリストは
1 Flyers
2 ハートビートを打ち鳴らせ
3 Golden Liar
4 Chocolate Flavor
5 FUNKASISTA
6 スパイシーマドンナ
正直言えば、もっともっともっと聴きたかった。あの曲もこの曲も聴きたかった。しかし、割り当てられた時間の中で目一杯歌って楽しませてくれた。本当に最高だった。
彼らの演奏は、気持ち良い事この上ない。1回目のライヴでは興奮が上回って気付かなかった事が今回解った気がします。
他のバンドのライヴで時々・・・というか、かなりの確率で“演奏が耳ざわり”に感じる事があるのです。スネアやシンバルの音がうるさかったり、ベースの音のヌケが悪いとかモタモタして切れが悪いとか、ギターの音が歪み過ぎてて煩わしいとか、各楽器の音が調和が取れていなくてヴォーカルが届いてこないとか・・・・・・
BRADIOの歌と演奏には一切そういう事がありませんでした。ドラムもベースもギターも、押し出す部分は主張するけど決してヴォーカルを邪魔する事なく緩急をつけ、しかしただの伴奏に陥る事なく一体感を演出していた。意外とコレが出来てないバンドが多い様に思いますが、彼らは見事にやってのける。
とにかくお客さんを楽しませようという矜持が伝わるのが素晴らしい。来てくれた人を笑顔で帰そうという気持ちが溢れている。その為に良い楽曲を作り、確かな演奏技術を磨く。私は、そんな風に感じた次第です。
機会があれば是非是非見て欲しい。絶対に楽しい。彼らのサービス精神を感じて笑顔になって明日への活力を貰える。私はそう確信しています。