うまいビール

缶ビールはなるべく飲みたくない。すぐに生温かくなるから。缶から直に飲むのは輪をかけていやだ。缶の味がするし、泡もないし。

だから瓶ビールを買って飲む。グラスに泡を立てて注ぐ。わざわざグラスを傾けて泡が出ないように注ぐ人を、以前はよく見たような気がする。今もいるのだろうか。わざわざ言うまでもないだろうが、ビールはある程度以上泡がなくては味気ない。

ビール歴３５年

若いころはサッポロの黒ラベルがいちばん美味かった。キリンビール一強の時代である。キリンはもたもたした味のように感じていた。

やがてアサヒがスーパードライで一世を風靡した。まさに一世風靡だったなあ。しかし発売当初も、たぶん改良を経ている現在も、わたくしにはあれが美味しいとは思えない。

サントリーはモルツを出した。これは旨いと思い、結構好きだった。しかし比較的最近出たプレミアムモルツというやつの評判がいいのは理解不能だ。あれ、どこがいいんだ？

キリンは？一番搾りもきらいではないが、もっと後になって登場した「クラシックラガー」が今では最大のお気に入りである。なんと、むかしはちょっとばかにしていた「あのころのキリンビール」ではないか。この旨さが味わえるのだから、おっさんになってよかった。

しかし、若いころからずっと変わらず、いちばん好きなビール、いちばんおいしいと思うビールは、キリンから出ている「ハートランド」である。味も良いがボトルも洒落ている。コンビニなどには売ってないだろう。ほんとに美味しいですよ。