学術調査のため、△諸島の魚釣島に上陸していた吸収大学の研究者たちからの連絡が途絶えた。捜索隊が島に向かったが、通信機に苦悶の声を残した後、消息を絶った。その声は「毒ガス」と聞こえた。これを受け、完全装備の特殊部隊が決死の上陸を果たすと、先に上陸した人々はみな、口から血を流して死んでいたのである。
吸収大学グループの残した記録に、「やつらの恐るべき生物兵器」という走り書きのメモがあったことが分かり、マスコミは沸騰。政府は事態の把握に苦しんだ。「やつら」とは?
収容された遺体を調べていた吸大医学部グループは、遺体の肺から毒性の胞子を発見、これが死因であると断定した。この胞子は、ナガエノスギタケというきのこのものによく似ていたが、成分が異なる。未知の胞子…となると、どこかの国が極秘に開発した「生物兵器」ではないのか?
たまたま人事交流で台湾から来ていた老教授が、この胞子によく似たものを見たことがある、と言い出した。日本統治時代の台湾で、新種の毒キノコとして採取されたナゲエノスギタケの仲間のものだと言う。そして、このキノコに毒性を与えたのはタイワンモグラだと言うのだ。ナガエノスギタケは別名をモグラノセッチンダケといい、名前の示すとおり、モグラの巣の便所部分から伸びてくるという。冗談のようだが、まったくの事実である。そして、信じがたいことに、戦前の台湾でタイワンモグラたちは、意図的に毒キノコを、いわば栽培していたらしい。つまり、キノコが生え出すあたりに、特定の成分を含む希土類を、モグラたちが意図的に集めていたらしいのだ。
何のために?人間を殺すためである。当時の台湾では、新来の日本人が肩で風を切って歩いていたが、それをふくめて人間どもの横暴がうるさくなったからだろうと推測されている。タイワンモグラにそんな知能があるのか?あるのだ。戦後の混乱で、この衝撃的な発見が世に出なかっただけなのだ。
ところで話を魚釣島にもどす。ここには、タイワンモグラの親戚のセンカクモグラがいるのをご存知だろうか。そして彼らがタイワンモグラよりもいちだんと賢いことを。そして、この島に人間よりずっと前に定住したのが彼らであることを。
吸収大学グループの残した記録に、「やつらの恐るべき生物兵器」という走り書きのメモがあったことが分かり、マスコミは沸騰。政府は事態の把握に苦しんだ。「やつら」とは?
収容された遺体を調べていた吸大医学部グループは、遺体の肺から毒性の胞子を発見、これが死因であると断定した。この胞子は、ナガエノスギタケというきのこのものによく似ていたが、成分が異なる。未知の胞子…となると、どこかの国が極秘に開発した「生物兵器」ではないのか?
たまたま人事交流で台湾から来ていた老教授が、この胞子によく似たものを見たことがある、と言い出した。日本統治時代の台湾で、新種の毒キノコとして採取されたナゲエノスギタケの仲間のものだと言う。そして、このキノコに毒性を与えたのはタイワンモグラだと言うのだ。ナガエノスギタケは別名をモグラノセッチンダケといい、名前の示すとおり、モグラの巣の便所部分から伸びてくるという。冗談のようだが、まったくの事実である。そして、信じがたいことに、戦前の台湾でタイワンモグラたちは、意図的に毒キノコを、いわば栽培していたらしい。つまり、キノコが生え出すあたりに、特定の成分を含む希土類を、モグラたちが意図的に集めていたらしいのだ。
何のために?人間を殺すためである。当時の台湾では、新来の日本人が肩で風を切って歩いていたが、それをふくめて人間どもの横暴がうるさくなったからだろうと推測されている。タイワンモグラにそんな知能があるのか?あるのだ。戦後の混乱で、この衝撃的な発見が世に出なかっただけなのだ。
ところで話を魚釣島にもどす。ここには、タイワンモグラの親戚のセンカクモグラがいるのをご存知だろうか。そして彼らがタイワンモグラよりもいちだんと賢いことを。そして、この島に人間よりずっと前に定住したのが彼らであることを。