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2021年07月28日 | 日記
井上ひさしの遺作『一週間』は、終戦直後のハバロフスク*が舞台の長編小説。主人公の日本人とソ連当局との丁々発止のやりとりが、抜群におもしろい。ページ数も多くて読みごたえも十分である。

ただ、どうも未完成な印象を受ける。たとえばスパイM**について物足りない。それ以外にも、作者自身も、いろいろ直したり加えたりしたかったのではないか。手を入れてから単行本にするつもりで、果たせなかったのかもしれない。

10年以上前のこの作品を思い出したのは、潜入スパイつながりで。サンデー毎日最新号の下山進の記事***によると、なんとまあ、立花隆が『日本共産党の研究』に従事した当時、スタッフの中心的な人物に、その日本共産党からの「スパイ」がいたそうな。たまげるじゃありませんか。その人物は誰にも正体を知られずに姿を消し、何年もたってから、苦しい胸の内を書いた告白の手紙を送ってきたそうである。


* 黒竜江とウスリー川とが合流するあたりのソ連領。
** 結党直後の日本共産党に潜入した当局の工作員。党に大打撃を与えたのち姿を消した。
*** 2021.8.8 「2050年のメディア 第70回」


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