日本以外で写真を文化・芸術として美術館の収蔵分野にしている国で、一番有名な日本人写真家は誰か —— ピントだ構図だと考えていないで、とにかくサッサとシャッターを押せと言うあの写真家だ。しかも持っているカメラといったら、およそ自分で買ったとは思えない、つまりメーカーなどからもらったカメラのうち、小さくて軽くてフルオートなものを好んで持ち歩く、あのフォトグラファーだ。
そういう思想の洗礼を受けると、カメラに大枚払う気が失せる。しかし、100万円のカメラを買うことによって多幸感が味わえる人は別で、買うべきだ。両者、写真との向き合い方が異なるので比較するのもおかしな話だが...。