柿右衛門の絵付けのようで、なかなか旨そうだった
近所の元農家の庭先に、丈の高い柿の古木がある。 東京では旬は終わったが、...
細かいことを言い出せばキリがない
飲物を正しく・美味しく飲む作法を知っているうるさ型は、世の中にいるようでなかなかいない。例えば、玉露を淹れるお湯の温度を気にしたりとか、ワインは静かに注いで、決し...
気付くのが遅いにも程がある
年の瀬に「混色」を復習した —— 加法混色、減法混色、中間混色などなど —— 学生の頃に、もっと真...
林で書いた詩
あるテレビ・ドラマの冒頭。 海へ下る坂道の風景が美しい北海道小樽。 市立図書館に勤める寡黙な青年司書がひとり。 そしてある日、借りたいと彼の前に本を差し出す、都会か...
良いものを生み出せるかどうかは、更にそれよりずっと先のお話
米映画『オン・ザ・ロード (2021)』より 以前、芥川賞作家の村上龍が、放送協会の番組でアナウンサーにベストセラーを量産する才能について問われ、「才能とは『良いものを生み...
この夏に撮った古い思い出のような写真
表紙に青カビが生えた古いアルバムが押し入れの奥から何十年振りかで出てきたりすると、思い出は美化されて記憶に留まるものなのか、いずれの写真も記憶と比べるとパッとしな...
全米バーテンダー組合指定スコッチウイスキー
過去、不景気を反映して、夫の小遣いが何度か減額された時期があった。サラリーマンの間には減額前でさえ、凡そ平均一万円程度の小遣いの不足感があった上での減額だから、夫...
クリスマス・ウイークに毎日ひと切れずつ食べるシュトーレン
毎年、クリスマス・シーズンになるとシュトーレンを半ダースほど買う友人がいる。 今頃からクリスマスが終わってもまだ家族で毎日ひと切れずつ食べるんだとか。 それを知った誰か...
今年もまた『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』
ニューヨークの、とある交差点。 その一角に、古い小さな煙草屋『ブルックリン葉巻商会』はあった。 店長は雇われの白人中年、名前をオーギー・レンという。土地柄、住...
冬のドーヴィル海岸 —— 映画『男と女』の周辺減光
映画を学ぶと、撮影専攻でなくても教養の一環として『周辺減光』程度は学習するはずだ。 『周辺減光』とは、スクリーンの四隅が中央部に比べて光量が少なく(露出不足に)なる症状。理由...