目黒線洗足駅で降りて 洗足いちょう通り商店街を抜け 緩い坂を下った交差点の角にゴルフ練習場があり そのお隣に在る。
周りが住宅街なのにここだけ森林のよう 20m以上ある むくの木 けやきが30本近く有り別世界に迷い込んだ様。
丁度開門したばかりで 受付で200円払うも領収書の用意が出来ていない 受付の係の人が出てきて園内を説明してくれる。
主屋は約230年前に建てられた茅葺き屋根の田の字型農家建築 茅葺き屋根の材料 職人が居なくなり 25年ほど前に銅葺き屋根に。
案内されて中に入ると土間から左に上がり框 厚さ10cm以上 幅500mm 長さ3mは有る1枚板。
高級寿司屋のカウンターでも滅多に見掛けない1枚板を 上がり框に使う豪農のお屋敷。
座敷は以前 囲炉裏 が有った居間 畳は取り去り板張りになっているが分厚い板 現在畳の下の板は薄い板が主流。
奥の間の畳の部屋にはポツンと火鉢 先代が木を繰り抜き銅板を張り付けた手作りだとか 円形でなく多少歪んでいるのが良い。
ふすまの板がこれまた1枚板 厚さ5mmぐらいあり かなり重たいふすま 現在はコロが付いているとか。
ふすま上の縦梁と横梁に釘隠し 鶴をかたどった模様 当時神社仏閣以外 普通の民家に付けられることはない。
廊下は大正時代に作られたようでガラス戸のガラスが大きく当時でもかなりの大きさだったようです。
この廊下の床板 全長9mぐらいあるが 継ぎ目なしの1枚板を7枚横に張り合わせた当時の民家では珍しい建築。
天井板の一部を外し内部が見えるようになっている個所 太い梁が何本も通っていて頑丈さが分かる。
関東大震災の時は一部損傷があったが 太平洋戦争の空襲は免れたとのこと。
土間の一部が現在までの資料棚になっていて 箱根を通る交通手形から明治の小学校の教科書 電話機 蓄音機まで。
庭は枯山水をモチーフに木々が覆い 小さな神社は以前はなれた場所に在ったものを移設したとのこと。
離れ 茶室 民具展示室(納屋) 古井戸 等があり 民具展示室には木製の脱穀機等の農工具からお釜まで。
その隣のケースに プレステ ゲームボーイ ゲームキューブ ニコンF50 が展示 一昔まで戻される。
木々が多いせいか自動車の通過音など日常生活の音は無く 田舎に来たようだ しいて言えば隣のゴルフ練習場の打音が気になる程度。
200円で 江戸時代 明治 大正 昭和 平成と タイムスリップしてきました。