審判講習会 参加報告書
平成29年8月23日
報告者 前田 周二
この度参加しました、審判講習会について報告します。
講習会名 (大会名) |
平成29年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会 第70回全国高等学校バスケットボール選手権大会 審判研修会 |
参加者 (報告者) |
前田 周二 (高体連) |
期 日 |
平成29年7月24日(月) から 平成29年7月28日(金) |
会 場 |
福島県 あづま総合体育館・国体記念体育館 |
講 師 |
佐藤誠・清水幹治・相原伸康・片寄達・平原勇次・古橋雅一・岩木太郎・大谷英樹 |
参加者 |
58名 |
報告① ■ 講義 |
■講 義 講師 片寄 達 氏 テーマ『2017-18 JBAプレイコーリング・ガイドライン』 (1)悪い手・腕・ひじの整理 ・RSBQに影響するのかどうかの判定をしっかり見ることの重要性。 ・ハンドチェックについては、ふれあいの度合いではなくしっかり整理すること。 ・ディフェンス・オフェンスにかかわらず公平に整理する必要性。 (2)スクリーンプレイ ・リーガル・スクリーンの3つの原則をしっかり認識し、当てはめる事。 (3)ブロッキング・チャージング ・リーガル・ガーディング・ポジションの概念の理解。 ・インパクトが大きいふれあいの場合、オフェンスに責任がない場合はディフェン スのファウルとして取り上げるべき。ノーコールは不適。 (4)プロテクト・シューター ・オフェンス側プレイヤーの着地する場所を確保する権利を認識する。プレイ ヤーをけがから守ることの重要性の理解。 (5)アンスポーツマンライクファウル ・タクティカルファウルとの選別。 ・ハードファウル、ラスト・プレイヤーのシチュエーション等、しっかり説明で きる状況をしっかり判断しておくことの重要性。 (6)プレイヤー/コーチのテクニカルファウル ・「Respect for the game」の精神 (7)フェイク ・基本的な考え・処置の理解 (8)トラベリング ・軸足の踏みかえ、軸足のずれ、突き出しの遅れの3点をしっかり認識しておく。 ・吹き逃さないことと、両チームの同様の状況を見逃さない意識。 |
報告② ■ 実技講習 |
■実技講習(2日間) 講師 清水 幹治 氏 ・ 大谷 英紀 氏 (1)レポート 声をしっかり出して、はっきりとレポートを行う。本戦ではより大きな声でし っかりと伝えることが重要。 (2)エリア1・6、45°からの1対1(トレイル)…下がるのか、右へ動く(クロス ステップ・ペネトレイト)することを選択する。ハンドチェック、トラベリングの 見極めもしっかりと行う。ガイドラインの徹底。 (3)エリア1・6、45°からの1対1(トレイル・リード)…どちらの方向への1 対1になっているのかをしっかり見極めて、いい位置取りをする。ハイポストの 高い位置で見えにくいところはトレイルに任せ、無理に見に行かない。 (4)エリア6のポストアップ(トレイル・リード)…セットアップポジション・ク ローズダウン・スイッチサイドを判断する。プレイを見て、思い切って右へ行く のか、トレイルに任せて逆サイドのあわせに備えるのか。 (5)3対3(スイッチサイド)…プレイにアジャストすることの重要性。 ■所感 トレイルの動き方での迷いがあり、その答えを探そうと粘ってみたが、なかなか 自分のものにできたという実感は正直なかった。講師の先生も、「答えはない。様 々なケースを判定し、トライする中で、引き出しとして今回の判定を生かしてほし い。」という言葉が終始であったので、今後自分自身が審判としてコートに立った時 に、様々な引き出しのトライを行っていく必要性を感じた。リードではセットアップ ポジションにステイしすぎる事、スイッチサイドの判断力、トレイルでは右へのクロ スステップなのか下に下りて見に行くペネトレイトなのか、講習生全体として課題が あるとの指摘であった。まさに自分自身もその課題についてより大きく感じ、これか ら克服していかなければならないと痛感した。 |
報告③ ■ ゲーム |
■ゲーム 主審 漆間 大吾(S級) 副審 前田 周二 主任 宇田川貴生 氏 男子1回戦 正智深谷(埼玉) 対 県立能代工業(秋田) (1)プレカンファレンス ・ガイドラインの再確認。一つ一つのケースを動画を見ることで、お互いの共 通理解・同じ判定基準を確認する。特にハンドチェック・トラベリングの2点 においてはかなり詳しく、時間をかけて行った。 (2)ゲーム後のカンファレンス(宇田川氏の指導・助言) ○主審の漆間氏が1Qで基準を作ってくれたので、吹きやすかったのではない か。2Q以降はよく笛もなるようになり、後半にかけてよくなっていった印 象であった。1Qから同じ基準でしっかりとらえて、もっと積極的に判定し に行く必要がある。自分のプライマリーをもう一度理解する必要性がある。 〇自分自身を動画で見てみる必要性がある。なぜこの動きになったのかを動 画で見て、それを一つずつ検証していくことが大切である。 〇スイッチサイドをもっと積極的にするべきである。以前に比べて右への動 きが減ってしまっている傾向が全体としてあるが、もっと右へ行くことが 大切である。 〇トレイルの動きの中で、プレーヤーの背中を見ている位置取りが多くみら れた。背中を見ることがないようにもっと下りてみることが大切である。 〇一つのプレーを長く見れる位置取りを早くとることが大切である。そのた めに足を動かして、オープンアングルで見るのか、セットアップポジショ ンでよいのか、しっかり判断して、良い判定につなげなければならない。 〇リバウンドの時に、落ちる可能性の高い場所への飛び込みも含めたポジシ ョンどり、視野の確保をしていく必要性がある。 |
所感 |
今回の研修では、新しい動き方やガイドラインの理解において、答えが出ていない状況での研修会参加であったので、常に悩みながらの5日間であった。しかし、本戦を終えて、宇田川氏・漆間氏の助言やアドバイスを多くいただき、ようやく頭の中での理解とコート上での判定につなげていくための動きがつながったように思う。ゲームを終えてのミーティングでは、宇田川先生にかなり長い時間をかけて説明をしていただき、今まで悩んでいたことが一つ一つ解決されていく実感を持つことができた。また、主審としてともにコートに立った漆間氏の動きや判定を目の当たりにすることで、どのように動けばいいのか、またどのような判定基準をしっかり持つべきなのか、体験的に知ることができたのは大きな収穫であった。 愛媛国体の開催に向けて、また今後の自分自身の審判活動においても、大いに生かすことのできる充実した研修会に参加できたことは本当に良かったと思う。この経験を自分自身しっかり生かすとともに、愛媛県の審判員の方々とも共有し、切磋琢磨していきたいと思う。このような機会をいただき、本当にありがとうございました。 |