田端 義夫さんが唄う「かえり船」は知っていましたが、「かよい船」は東京大衆歌謡楽団さんの演奏を聴くまで知りませんでした。
「かえり船」1946年(昭和21年)歌手:田端 義夫 作詞:清水 みのる 作曲:倉若 晴夫
1.波の背の背に ゆられてゆれて 月の潮路の かえり船
霞む故国よ 小嶋の沖じゃ 夢もわびしく よみがえる
2.捨てた未練が 未練となって 今も昔の切なさよ
瞼合わせりゃ 瞼にしみる 霧の波止場の 銅鑼(どら)の音
3.熱い涙も 故国に着けば 嬉し涙と 変わるだろ
鴎行くなら 男の心 せめてあの娘に 伝えてよ
「かえり船」は、終戦(敗戦)に伴い、外地から故国・日本へ向かう船に乗った人々の思いが唄われています。「かえり船」が発売された昭和21年は、私の生まれた年になり、改めて感慨が深まります。(追記予定)
「かよい船」1949年(昭和24年) 歌手:田端義夫 作詞:清水みのる 作曲:倉若 晴生
1.銅鑼(かね) が鳴るさえ 切ないものを 雨の出船は なお哀し
泣くな小島の いとしい娘(ひと)よ 晴れて逢う日は あるものを
2.島に鴎の 群れ飛ぶ頃は 便り持てゆく かよい船
待つ身つらかろかろ 一二三月(ひい ふう み つき)君の心の いじらしさ
3.都通いも 潮路に馴れて 帰る小島の なつかしさ
君の愛情(なさけ)に 心の謎も 解けて嬉しい かよい船
「かよい船」は、「かえり船」から、3年後に発売されています。遠く離れた恋人を思う心や、便りを届ける船にも思いを馳せています。 (写真は、石田造船様のHPよりお借りしました。)