『前田元検事に実刑判決 大阪地裁「史上例を見ない犯罪」』
判決で、中川博之裁判長は「我が国の刑事裁判史上例を見ない犯罪で、刑事責任は非常に重大」と述べていますが、「我が国の刑事裁判史上例を見ない犯罪」なら、証拠隠滅罪の最高刑である懲役2年にしなかったのは何故なのか、疑問が残ります。
また、捜査機関による証拠隠滅罪でも一般の人と同じ懲役2年までと言う今の刑法は、何か変だと思います。
一般の人と捜査機関とでは、責任が違いますし、捜査機関には逮捕・勾留と言う身柄拘束や自由を制限する強大な国家権力があるので、そういった事を考慮すると、懲役2年が最高刑と言うのは、いくら何でも罪が軽すぎます。
この事件、捜査機関への信頼が大きく損なわれた事件です。
このような事は捜査機関では日常茶飯事で、最近、多くなってきたと思われる冤罪事件も氷山の一角で、実際は多くの人が泣き寝入りしているのではないかと思います。
現行刑法を見てみると、証拠隠滅罪だけじゃなく、特別公務員の犯罪に対する罪が軽すぎると思います。
例えば、特別公務員暴行陵虐罪は、7年以下の懲役又は禁錮です。かなり軽い罪です。
しかも、取調べは密室で行われるので、特別公務員暴行陵虐罪等の立証は容易ではありません。
取り調べが可視化されていない上に、特別公務員に対する罪が軽く、捜査機関自体が身内に物凄く甘い傾向にあるので、今の捜査機関はやりたい放題になっています。
大阪府警東署の警部補高橋和也被告の事件などは、そのような状況から起こるべくして起きた事件だと思います。
この事件、当初、検察側が略式起訴したところ、大阪簡裁が略式起訴は不相当とする決定をして通常の裁判になった位です。捜査機関は捜査機関に物凄く甘いって事が見事にバレてしまいました。
これだって、被害者がコッソリ録音していたから発覚しただけで、このような事は、捜査機関内部では日常茶飯事的に行われているのではないかと思います。
高橋和也被告の事件なんかは、取り調べが可視化されていない上に、特別公務員に対する罪が軽く、捜査機関自体が身内に物凄く甘い弊害が如実に現れた悪しき結果だと思います。
捜査機関の信頼を回復するためにも、取調べの可視化だけじゃなく、そろそろ、捜査機関の犯罪とそれにに対する刑罰を見直す時期にきているのではないでしょうか?