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クインタプル100

2021年10月10日 | MLB
大谷翔平のSHOWTIMEに酔いしれたシーズンが終了しました。
2021年の最終成績は、
投手として23試合 9勝2敗 防御率3.18 投球回130回1/3 156奪三振
打者として155試合 537打数 138安打 26二塁打 8三塁打 46本塁打 塁打数318
打率.257 103得点 100打点 96四球 4死球 189三振 26盗塁 出塁率.372 長打率.592
となります。

投球回、奪三振、安打数、得点、打点の5つが100を超えて「クインタプル100」として話題に。
この数字を投打で達成したのは史上初、MVPへの大きな後押しになると言われています。

日本人選手のMVPは2001年のイチロー選手以来となりますが、どんな結果になるでしょうか。

対抗馬について考察すると、本塁打王を争った二人がいます。

サルバトーレ・ペレス(ロイヤルズ)は捕手としてのMLB本塁打記録を更新し、本塁打と打点の二冠王。
二冠王はジョニー・ベンチ(レッズ)が1970年、1972年と二度達成して以来二人目。
145年の歴史の中でたった2人、しかも捕手として最多の本塁打なので、通常のシーズンならMVP間違いなし。

また、ブラディミール・ゲレロJr.(ブルージェイズ)は、今年三冠王に最も近いと言われましたが、
最終的には本塁打王をペレスと分け合った。打率3位、打点5位で、こちらもMVP級の活躍。

ちなみにゲレロJr.の父親は高打率で長打力もあり、足も速く肩も強い、いわゆる「5ツールプレイヤー」。
シーズンベストは打率.345(2000年)、44本塁打(2000年)、131打点(1999年)、40盗塁(2002年)。
これらの野手4部門で一度もタイトル獲得はないが、2004年にアメリカンリーグMVPに輝いた。
ゲレロJr.がMVPを獲得すれば、MLB史上初の親子MVPとなります。

そんな有力候補の二人と争う大谷選手のマイナス要素は以下のとおり。
1.打率が低いこと
MVP受賞者で最低打率は、1944年のマーティ・マリオン(カーディナルス)の.267。

2.約100年ぶりの活躍であること
2021年の大谷選手は、ベーブ・ルース以来約100年ぶりに1シーズンを通して投打で活躍。
約100年ぶりの活躍をしたことは、大谷選手をMVPに選ぶ「プラス要素」だが……
が、まだ27歳。健康なら来年も再来年も、あと5~6年くらい同じような成績を残すのでは?
となると、誰もできない活躍をした大谷選手をMVPに選んだとして、翌年以降も同様の成績なら、
毎年大谷選手がMVPということに。それでいいのか?という議論もあるようです。

3.チーム成績がよくなかったこと
MVPは上位のチームから選ばれることが多いため、チーム成績が悪いこと(地区4位)はマイナス要素。


逆に以下の3つのプラス要素もあります。

1.打率の低さを補って余りある活躍
MVP受賞者の中で2番めに打率が低いのは、1961年のロジャー・マリス(ヤンキース)で.269。
この年のマリスは、ベーブ・ルースが1927年に記録したシーズン最多本塁打数である60本を超える61本塁打を記録。

2.約100年ぶりの活躍であること
これはマイナス要素に挙げたが、当然プラス要素でもあります。
単純に年数で比較しても、大谷選手は約100年ぶり、ペレスが捕手として本塁打王と打点王の二冠は49年ぶり、
ゲレロJr.は三冠王を逃したが仮に三冠王だったとしても、9年ぶりです。

このなかでは、約100年ぶりの活躍をした選手が「Most Valuable(もっとも価値がある)」のは間違いなく、
以後5、6年間、同じような成績を残したらどうなるのかは、その年ごとに記者の投票が答えを出すことでしょう。

3.チームの成績がよくなかったこと
ゲレロJr.は本塁打20本以上のチームメイトが6名もいたが、大谷選手はたった1名、29本のジャレッド・ウォルシュだけ。
ゲレロJr.はこれら強打者に守られながらのシーズンだったが、大谷選手は打線のなかで孤軍奮闘状態。
後ろに強打者がいれば四球はもっと少なくなり、勝負してもらえる回数も増えたと言えます。

最後にクインタプルとは「5倍」の意味です。
1はsingle(シングル)、2はdouble(ダブル)、3はtriple(トリプル)の5になります。
これで、10勝したり、本塁打王だったり、30盗塁していたら、もっと大騒ぎでしたね。

来シーズンもケガなく、大活躍されることを楽しみにしてます。


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