以下、中国に関する情報のコピーです。(中国の現状について考えてみた。)
中国の一部市民が注目したのは、2022年の2.4%の伸びに対して5倍以上も積み増しされた外交予算だった。対外援助が大幅に増加したとみられており、3月26日に中国がホンジュラスと正式に結んだ国交にも「台湾を切り崩す狙いで、ホンジュラスに数千万ドルが送金された」ともささやかれている。
南半球の国々に触手を伸ばしている中国は、これらの国々との関係強化に、また残り13カ国となった台湾と外交関係にある国を取り込むために、外交予算を巧みに利用する可能性がある。
*(以下、鬼井による補足です)
台湾(民主主義)と国交のある国々をデカップリング(切り離し)させて、台湾の民主主義を弱体・崩壊させるための動き。中国は台湾への軍事侵攻の前に、経済的に台湾を追いこんでいくつもりだろう。台湾の半導体と関係の薄い国々は中国の思う方向へ行くだろうが、半導体と関係が深い国々は中国の思う方向へは行かないだろう。
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ロシア接近が招く西側との断絶に警戒感
習氏のロシア訪問と前後して、国際社会ではさらにさまざまなことが起こった。
20日はバイデン米大統領が新型コロナウイルス感染症の起源に関する情報の機密解除を求める法案に署名し、19日には岸田首相がインドを訪問、その足で21日にウクライナを電撃訪問した。
こうした動きはますます中国を刺激しロシアに接近させ、ますます世界のデカップリングを進行させるだろう。
すでに西側諸国の包囲網は中国経済に打撃を与え、その諸症状が表れ始めている。サプライチェーンの移転による失業、貿易の減少がもたらす工場稼働率の低迷、先行きの不透明感から来る消費の落ち込みなどだ。自動車の消費も伸びず、自動車購入税は397億元(2023年1〜2月、57億ドル)と、前年同期比33%も下落した。
習近平政権の「1期目」(2012年〜17年)では「中国の夢」が14億人の国民の求心力となったが、「3期目」に入った今ではそんなムードもすっかりなくなった。
今の中国が見せるロシアへの接近は、1950年に中国とソ連が結んだ軍事同盟を彷彿とさせる。国営企業に勤務する上海市在住の男性・蔡仁波さん(仮名、40代)は次のように意見を述べた。
「今回の習氏の訪露は新冷戦を象徴する大きな出来事です。建前は仲裁ですが、この時期にロシアを訪問することは二極に分かれた両陣営の片方を選ぶことであり、独裁国家と呼ばれるロシアと一蓮托生(いちれんたくしょう)になるかのような選択です。私は中国と西側諸国の断絶はさらに深まると感じています」
蔡さんによれば、これまで国外脱出を希望したのは“習指導部の強権政治”に嫌気がさした人々が中心だったが、「今回は違う」と言う。そこには“新冷戦の開戦”を強く感じ始めた人たちもいて、「英語も日本語も分からない友人さえも、日本に移住したいと騒ぎ始めている」(同)
中国は鎖国の道を選ぶのか
今回、筆者が対話をしたのは、30~40代の中堅世代だが、こうした世代は中国の将来を悲観する傾向が強い。中には「習氏の訪露が“鎖国の準備”を早めることになるのでは」と胸騒ぎを起こす人もいる。
確かに「中国は鎖国の道を選ぶ」とする見方も一部にはある。その理由は二つある。世界を二つに割るかのような「デカップリング」と中国共産党の権力基盤の維持存続だ。中国には「国を丸ごとグローバル社会から隔離させることが、中国共産党の影響力を未来永劫(えいごう)、子々孫々に伝えるには有効なのだ」という考え方があるのかもしれない。
自宅に市民を閉じ込めた上海の大規模ロックダウンからちょうど1年になる。今になって思うのは、あのロックダウンこそが、中国共産党が振るう権力の“ここぞの見せ場”でもあり、隔離政策の拡大版ともいえる“鎖国”のための練習台だったのではないか、ということだ。
改革開放政策が導入されたのはわずか40余年前のことだった。世界に向けて開かれたその扉も、徐々に閉じられようとしている。
中国共産党の影響力を維持しながら、仲のいい国々と“半鎖国経済”を回していく――、中国はそんな段階に突き進もうとしているのではないだろうか。