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[発酵食品] 食生活について語ろう     

2019年10月19日 | 美容ダイエット
◎発酵食品でfermented food  はっこうしょくひん
発酵食品の消化、吸収がよいことから人気がでています。身近なもので酒、味噌、醤油がありますが私達の食生活にどのようにかかわってきたのが調べてみることとしました。

 紀元何千年も前から穀類、果実🍇、木の実、乳を原料とし酒、パン🍞、チーズなどの発酵食品を作り人類との関わりをもってきたことをメソポタミヤ、エジプト文明の壁画より容易に知ることができます。日本では、縄文、弥生時代(2000年前)より干物、なれずしが作られていたようであり遣唐使(7~9世紀)が奈良、平安時代に中国に渡り、酒、酢、味噌、醤(ひしお)、漬物の原型を日本にもたらしたとされます。そして今日では、日本独自の発酵食品とし日本酒、味噌、醤油が生まれています。
 実際に微生物が化学的に捉(とら)えられるようになったのは、1674年にオランダのレーウェンフックにより手製の顕微鏡で単細胞の微生物が存在することを発見、1859年にイギリスのダーウィンが「種の起源」で生物は、原子的で下等なものから高等なものへ変化し進化する進化論を打ち出し、それまで信じられていた自然発生説をくつがえしました。
1861年にフランスの細菌学者パスツールによって空気中の微生物が紛(まぎ)れ込み増殖することにより、発酵、腐敗が起こることを確認しています。ぶどう酒の腐敗が酢酸菌が繁殖して起こることを認め、ぶどう酒を低温殺菌すると腐敗を防ぐ事ができることを発見したのです。他にも色々の病気が微生物によって引き起こされていることを知り微生物学の基礎を作ったのです。

 一般に発酵食品といわれるのは、狭義的には酒、味噌、醤油類をさし微生物が嫌気状態(空気、酸素に触れない状態)で有機物(糖類)を分解し微生物の成育に必要なエネルギー代謝を行なう現象でその副産物として人にとって有用に作用していることを発酵としています。
酵母、細菌、かび類の微生物が出す酵素により原料とした食品が、アルコール類、有機酸類、炭酸ガスなどを生じ消化されやすくなり食品に複雑な旨みが与えられます。特に定義として一定していません。有用でなければ腐敗になります。
近年の科学的に同じ反応過程を示すアミノ酸発酵(グルタミン酸、バリン、アラニンなど)、有機酸発酵(乳酸、クエン酸など)、核酸発酵(イノシン酸、グアニル酸など)、ビタミン発酵(ビタミンB2、ビタミンB12)、抗生物質発酵(ペニシリン、ストレプトマイシンなど)の空気(酸素)を与え生合成される場合、生体の代謝も発酵に加えています。
 ここでは、従来からの狭義の発酵食品について触れます。
発酵食品のなかで醸造食品といわれるものにアルコール飲料、食酢、味噌、醤油などがあり、醸(かも)すとは、麹に水を加え発酵により原料になかった新たな旨みを生みだし生成、創造することとしていました。今では広義(広い意味)に解釈して漬物、納豆、チーズなどを含め発酵と醸造は同一の意味合いをもっていわれています。
発酵によって、遊離アミノ酸を生じ得られ、また食品の旨み、甘み成分を生み出しているのです。
発酵に使われる酵母、菌、カビから作られる食品とその原料の一覧を示すと

・酵母 パン(小麦粉:パン酵母)、ビール(大麦ビール酵母:)、ワイン(ぶどう:ブドウ酵母)、果実酒(果物)、蒸留酒(穀物、果物)
・細菌  ヨーグルト(牛乳:乳酸菌)、発酵バター(牛乳:乳酸菌) 納豆(大豆:納豆菌)、プーアル茶(茶葉:黒麹菌) 
・かび(糸状菌) 鰹節(かつお:麹カビ)、テンペ(大豆:クモノスカビ)、オンチョーム(らっかせい)、
・酵母、細菌 漬物(野菜)、焼酎(穀類、芋類:酵母、黒麹菌)、泡盛(砕け米:酵母、黒麹菌)、ケファイア、クミス(やぎ乳、牛乳)
・酵母、カビ 清酒()、
・細菌、カビ チーズ(牛乳:乳酸菌、かび)、
・酵母、細菌、カビ 醤油(大豆、小麦)、味噌(大豆、米、大麦)、食酢(、麦、果実:酵母、カビ、酢酸菌)
 
●酵母 こうぼ・yeasts
  カビと同じ子嚢(しのう:胞子の入ったふくろ)菌類に属すがカビと違い菌糸を生成しないものとしている。単細胞の菌類で球形、またはそれに近いものが多く植物、土壌に見出され糖類(ショ糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖など)を分解発酵(至適温度25~30度、微酸性、少しの窒素、無機化合物)させアルコールと二酸化炭素を作る。酒、パンの製造に用いる。
有用菌として利用するサッカロミセス属は、重要で代表的存在でありサッカミセス・セレビシエは、初めイギリスのビールから分離され分解能力が強くビール(サッカロミセス・カールスベルゲンシス)、清酒(サッスロミセス・サケ)、ぶどう酒、アルコール、パン等の製造に用いられそれぞれに適した酵母が見出され利用されている。他はほとんど野性酵母といわれ、利用上の価値が少ないか、あるいはまったくないという。

●細菌 さいきん(bacteria)
  細菌は、カビ、酵母より小さく単純な単細胞植物で球状の球菌、棒状、円筒状をして桿菌(かんきん)、らせん菌の3つの基本形からなり、肉眼でみることが困難であり光学顕微鏡で識別される。その種類、量は非常に多く確認される。細菌の分裂は、外界から養分とエネルギーを取り入れ細胞が大きくなると分裂が起こり2個の細胞に分裂しできたその個体は、それぞれに成長、分裂の能力をもっている。
有用な細菌は、発酵細菌としアルコールを酢酸に変える酢酸菌、糖類を発酵させ乳酸を産出する乳酸菌(ラクトバチルス科、ヨーグルト、チーズ、バター、漬物、乳酸の製造)が主なものとされる。
 ・酢酸菌 さくさんきん
  アルコールに酢酸菌が加わることによって酢酸発酵し酸化されたもの。嫌気性、無芽胞桿菌で10%前後のアルコールの液体で培養すると表面に膜を作って発育し5~8%の酢酸を生成する。この性質を利用し酒(米、酒粕、ぶどう酒、りんご酢)から食酢を製造する。食酢の主成分(3~5%)をなしている有機酸であり、脱臭、防腐、殺菌作用がある。
 ・乳酸菌 にゅうさんきん
  糖類(牛乳、脱脂粉乳、穀類等)を分解、発酵させて乳酸に変える菌をいい種類は多いが有用菌としてビヒィズス菌、アシドフィルス菌が知られている。乳酸菌は、多くは、嫌気性だが微好気性のもあり栄養とする養分を選ぶので寒天培地での腐敗細菌のような集落、塊(コロニー)を作りにくい。
特殊な嫌気培養したり、牛乳より有用乳酸菌を純粋培養して、乳酸菌飲料、チーズ、ヨーグルト、バター、酒、漬物、味噌、乳酸菌製剤の製造、アミノ酸、ビタミンの微生物定量(成分の量測定)に利用される。乳酸菌が腸内の腐敗菌を抑制、殺菌、整腸作用、ビタミンB群を作りだすことが認められ胃潰瘍の原因とされるピロリ菌を減少させる。

        *乳酸 にゅうさん
  乳酸菌によって糖類(乳糖)が発酵、分解してD-グルコースとD-ガラクトースに分解されるまでの中間にできる酸性物質で有機酸のひとつで漬物の酸味の成分でもある。ビフィズス菌がつくる乳酸と、筋肉のエネルギーを使う時発生する疲労物質の乳酸とは基本的には、同じもので最終的には、エネルギーとして消費される。
だが運動中は蓄積されているのでそのためスポーツ選手は、試合後にクールダウンと称して急に立ち止まらないで軽く助走して硬くなっている筋肉をほぐし、疲労物質を少しでも排出させるといわれる。その分解にビタミンB1、酢が有効といわれる。酸味が強く、漬物、酒類の発酵、飲料、ph調整に使われている。

●黴 かび(molds)
  糸状菌とも呼ばれ、基質に密着しまたその内部に入りこんで栄養を摂取するもの、空中に向かい成長するものに分けられる。カビの菌糸の成長は、先端部分が分裂をおこなって伸びていき最初は、無色透明だが成育するに従い灰色ががかってきて肉眼で見ることが出きる。
黴の種類は、10万近くも確認されているが人に有用として利用されているものは、リゾープス(クモノスカビ属:穀類、果物 至適温度30~40℃)、アスペルギルスオリゼ(米、大麦、大豆:至適温度25~35℃、強い糖化、たん白分解力がある)、ペニシリウム(アオカビ属、チーズ製造)、モナスカス(ベニコウジカビ属、中国、マレー半島で紅酒[こうしゅ]の製造)、ノイロスポラ(テンペ[大豆]、オンチョーム[落花生])などせいぜい10種ていどにとどまる。

 食品を発酵させることによって、風味、消化、吸収がよくなり、保存しておくことができます。最近ヨーグルト、漬物、食酢が健康食品として注目しています。発酵食品のヨーグルト、漬物について簡単に触れてみることとします。
・ヨーグルト
   バルカン半島、中近東で紀元前より保存食品として作られ牛、やぎ、羊の乳を発酵させた発酵乳をいう。ヨーグルトを常用していたブルガリヤに長寿の人が多いことからソ連のメチニコフニによって20世紀初頭に論じられ世界中でヨーグルトの有用性が認められていった。日本では、ブルガリヤ菌、ラクチス菌、クレモリス菌の乳酸菌による製造が多く、脱脂粉乳を使った口当たりのよいヨーグルトは柔らかく、寒天、ゼラチンが硬化のために用いられる。乳固形分(牛乳のかたまり、凝乳)を多くすることによって硬さの調節もされる。
プレーンヨーグルト、フルーツヨーグルト、飲むヨーグルト(液体タイプ)がある。レタス、果物と合わせてサラダ、デザートに利用される。発酵によって乳蛋白質、カルシュウムが吸収されやすい状態となり、乳酸菌がビタミンB群を作りだす。ヨーグルトは牛乳を飲むと下痢しやすい乳糖不耐症の人に利用できる。乳酸菌が腸内の腐敗菌を抑制、整腸作用があることが認められ胃潰瘍の原因とされるピロリ菌を減少させ、感染症の予防に役立っている。
・漬物 つけもの
   日本での漬物は、主に野菜に塩を振り入れることにより浸透圧を保つのに野菜からの水を取り込み濃い食塩水をつくり野菜の細胞が破壊され水分が少なくなってほかのいろいろの成分が野菜に入り込み漬物ができあがる。以前は、貯蔵性を高めることから15~25%もの食塩量が使われていたが塩分の取り過ぎが懸念され低塩化が進み梅干で12%程度より一夜漬け、浅漬けは、2~3%程度となっている。
 
食塩を使わないで無塩で圧力をかけて細胞を壊し作られるのもある。野菜の種類、魚介類、海藻、糠床、麹、酒粕、甘酢、醤油、味噌の漬ける原料、調味料によって色、香りに変化を楽しむことができる。漬物を発酵させることによりその時に乳酸菌が働き炭水化物(糖類)を分解し酸味を与え、水分量の減少とともに風味、歯ごたえ、消化吸収、保存性を高め食欲増進させ、食物繊維(整腸作用、有害物質の吸着)を多く摂取できる。
 色々の健康によいとされる食材を合わせて漬け込んだキムチが身体によいとし健康食品として注目され人気があるようですのでここで紹介しておきましょう。
・キムチ
、朝鮮における伝統的漬物のことであり、古くは、単なる塩漬けであったものがにんにく、生姜、唐辛子を加え防腐効果のある事から旨みのある魚介類を加えるようになったという。常温での長期保存の塩蔵には濃度10%以上で有効だが、冷蔵庫の普及で低濃度2%での漬物ができるが保存、賞味期間は、10日程度にせばまっている。
主につくられるペチュ(白菜)キムチ系は、塩で浅漬けした白菜の葉の間に野菜(人参、大根、長葱、せりなど)の千切り、ニンニク、生姜、りんごのすりおろし、唐辛子粉、アミの塩辛、いか、えび、かき、ホタテのひもなどをよく塩もみし薬念(やんにょむ)、薬味としはさみ込み魚醤油で漬け込んである。
晩春から秋口までは、浅漬けとしているが晩秋からのは、貯蔵漬けとし乳酸発酵し旨みを増している。旨さの秘密は、薬念(やんにょむ)の、野菜の千切り、ニンニク、生姜、りんごのすりおろし、唐辛子粉、アミの塩辛、いか、えび、かき、ホタテのひも(タウリン)などが食欲を増進させ発汗、疲労回復、抗菌作用をもちそれぞれ体内で有効に作用している。
白菜の栄養的成分は、同じアブラナ科でキャベツに似るが水分が95%とありみずみずしさが味わえる。白菜を使ってのキムチ(朝鮮漬け)は、このところのダイエットも手伝って脂肪燃焼(唐辛子、ニンニク、生姜など)効果、食物繊維、乳酸菌発酵による抗菌、整腸作用もあり今や、たくわんを抜いて急速に生産、消費量とも急増し漬物の王座を占めるとさえいわれる。

 発酵させることにより、保存性、風味、香りが高まり遊離アミノ酸(グルタミン酸、タウリン、ヘタイン、リジン、グリシン、アラニンなど)を生じ消化吸収がよくなり私達の食生活、食卓に発酵食品はなくてはならないものとなりました。化学の進歩によりその有用性がさまざまに紹介されています。
新たに発酵食品は、アレルギーを抑制することも知られるようになりました。微生物の出す酵素により消化されやすくなりたん白質は、アミノ酸まで分解されていて大豆、米、麦などの発酵食品は、原料そのものを摂るのに比べアレルギーを起こしにくく抑制するといいます。発酵によりアレルゲンとなる物質が分解されるのではないかといわれます。
さらに納豆菌Bacillus subtilis natto に含まれるジピコリン酸 dipicolinic acidには、強力な抗菌、抗ウイルス、抗炎症作用、金属イオンと結合して排出する作用があるムチンと呼ばれる成分に含みます。腸内環境を整え便秘をしないことで、放射能物質を排出してくれるのです。 
 
しかしながら発酵食品の原料でもいえることですが穀類はビタミンA、Cの成分は、微量にとどまっています。漬物は野菜が主であり植物性食品のアミノ酸のバランスがよくありません。新陳代謝の促進、特に成長期には、動物性たんぱく質が欠かせません。有用であることを認めながらも三食のバランスのとれた食事の大切さを認識致します。 

 
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