・pH(potential of Hydrogen) ぴーえいち
一般に水素イオン濃度で示し水素イオン指数といいphで表す。 pHは英語でピーエイチPotential of hydrogen、ドイツ語でペーハー Potenz Hと読む。
電解質(化合物を水溶液にしたときに電流を通すことができる性質)である水の性質は、水素イオン:H+(電気をおびた原子であり、水に溶かすと発生する)と水酸イオン:OH-とに分子が分かれていて条件が変わらないと一定している。酸を加えて水素イオンが増えると水酸イオンが減少し、反対にアルカリを多くすると水酸イオンが増加して水素イオンが減少することになる。よって一方が分かれば他の濃度も知ることができる。
22℃での中性を7として7より低い値を酸性、高い値をアルカリ性としている。pH の簡単な測定としてpH紙(リトマス試験紙:酸性で赤・アルカリ性で青)を用いているが、正確には、電極法がある。
食品では、無機質の中でリン、いおう、塩素などは体内でそれぞれリン酸、硫酸、塩酸の酸を作るのでナトリウム、カリウム、カルシウムに比べて多い食品を酸性食品(肉、卵、穀類がある)、Na、K、Ca、MgがP、S、Clより多い食品をアルカリ性食品(牛乳、野菜、果物、芋類)といっている。
果物の酸味は、クエン酸の有機酸であり体内に入って炭酸ガスとなり反応には関係していない。人体における血液のpHは、常に7.3~7.5に保たれ食物を取ることによって直ちに変化することはない。ある程度は緩衝作用によって調節機能が働いている。
人体の小腸下部に達するとpHが酸性から弱アルカリ性に変わり、リン酸イオンと結合して不溶性のリン酸Ca が形成され、Caが吸収されにくくなる。 滅多にない事だが、ヒトの場合、血液 pH が 7.0 以下になると昏睡に陥り、7.7 以上になると痙攣を起こし、いずれも心臓が停止してしまう。輸液や手術の際には、血液 pH を常に監視し、pH の維持に努めなければならない。アシドーシス(酸毒症・酸中毒)とアルカローシス(アルカリ血症・アルカ リ中毒症)の症状を呈する。
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