・八房 やつぶさ
ナス科、南アメリカ原産で多年草だが、日本では1年草として栽培している。高さ60cm、夏に白い花を咲かせその後細長い緑色の実が結実してくる。実が房のようになって直立していることから名前がついた。
普通種より葉や枝が多くでる性質があり剪定(せんてい)が欠かせない。小さい鉢の中で大木を表現するのに盆栽として適し珍重する。
昭和の初期まで東京都武蔵野市は、八つ房唐辛子の産地として知られ、また江戸時代から 東京近辺で栽培し新宿四谷名物「内藤八つ房とうがらし」の薬研堀七味唐がらし(青海苔、麻の実、粉山椒、陳皮、黒ゴマ、赤唐辛子、八房の焼き唐辛子)の売り口上にも謳われた。2009年に「スローフード江戸東京」の手によって八房系の内藤とうがらしは復活し普及プロジェクトが進められているようだ。
葉唐辛子として茹でて醤油、味醂で味をなじませ佃煮に、八房の緑色の未熟のものは大分名産の柚子こしょうの原料にしている。
実が緑色から赤色に色付くのは10~12月頃で辛みは中辛で鷹の爪の半分程度で赤く完熟する。乾燥して香辛料として漬物、キムチにも使われる。赤い色素はカロテノイド(抗酸化作用)、辛味のカプサイシンCapsaicinは食欲増進、発汗作用がある。
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