・鯥/鱫Japanese bluefish むつ
ムツ科、成魚は東北より南部の水深500mの深い海域に生息する体長1.5m、10kgにも成長し細かいうろこを持つ。目と口が大きく成長するにつれ、しだいに真っ黒く黒っぽい魚体となる。
11月~翌年3月にかけ沿岸部の浅瀬に集まって来て産卵、幼魚期は、沖合いで過ごし体色も淡褐色をして10~20cmぐらいまで赤ムツと呼ばれる。
また直ぐに親魚(おやざかな)のいる深海に帰らないことから神奈川県沖ではオヤシラズともいう。岩礁、砂泥地で動物性プランクトン、稚魚、甲殻類を餌とし肉食性で成長するにつれ沖合いから深海へと移り体色も黒くなっていく。水深100~150mで生後3年ぐらいのものが釣りの対象となる。
寒むつとして冬季の12月から翌年2月にかけてのものが旬で油がのっておいしい。ムツとは方言のムツッコイ、油っこいからという。むつ自体もともと油の多い魚であり刺身、照り焼き、西京焼き、煮魚、味噌煮、竜田揚げ、蒲鉾の原料としている。
卵巣、白子も煮物、鍋物に利用する。卵巣は、むつこと呼ばれ魚肉以上に賞味し代用としてタラコが使われることがある。
魚肉100g中でエネルギー189kcal、たんぱく質16.7g、脂質12.6gを含む。
牛肉偽装事件(2001年:輸入牛を国内産と偽る輸入牛を国内産と偽る)をきっかけに正しい名称でとの高まりから、正式名称の表示が必要になって銀ムツ→メロ(チリ、アルゼンチン海域に生息)であり適性とされない表示を原則禁止として適性表示に改められた。