・鮒Crusian carp ふな
コイ科、中国原産といわれ、川に生息する淡水魚で全国に広く分布、人工飼育も行なわれる。自然の状態で雌が圧倒的に多いという。
変種を作りやすく、自然に、人工的に雑種が生まれており金魚に代表され、ヒラブナ、マルブナ、ギンブナなどが有る。体長20~40cm程に成長し鯉(こい)に似ているが、口の周囲にひげがなく、側線(表面の頭から尾にかけて中央に走り、水の流れ圧力を感じるところ)上のうろこの数に違いが見られる。
産卵期を4月から6月とし、寒ぶなといい身が締まって泥臭さの少ない12月より翌年の3月ごろの冬を旬とする。肝臓ジストマの幼虫寄生が多く、川魚特有の臭みがあり生で食べることは避けるか、酢〆としたほうがよい。フナのなれ寿司が滋賀県琵琶湖の名産品としている。酢味噌で洗い、味噌汁の実、すずめ焼き、昆布巻き、甘露煮、鮒寿司に、3~4cmの小形のものは佃煮等にする。
生100g中でタンパク質18.2g、脂質2.5g、カルシウム100mg、鉄1.5mg、亜鉛(インスリン構成に関与)1.9mg、ビタミンD(骨粗鬆症予防)4μg、ビタミンB1(疲労回復)0.55mg、ビタミンB12(悪性貧血予防)5.5μgを含む。民間療法で鯉同様に乳の出がよくなるとして用いていた。
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