・漁場Fishing ground ぎょじょう
日本は、海に囲まれ黒潮、親潮が交差し大陸棚に魚が多く集まり世界有数の漁場となっています。世界の三大漁場と呼ばれているところは大西洋の北に位置する北海、アメリカの大西洋岸、太平洋の北部(日本側とアメリカ側)の三箇所といわれます。
黒潮、親潮は、どこからやってくるのでしょう。大陸棚はどこをいうのでしょうか。
日本の海域は冬季に流氷で覆われるオホーツク海、急深な日本海、太平洋側には大陸棚が発達しています。黒っぽい黒潮(暖流)と青い親潮(寒流)が接する北部太平洋、海溝が発達し離島群のある中部太平洋、世界屈指のサンゴ礁に恵まれた沖縄諸島南方海域まで、極めて複雑な海域によって形成されています。
黒潮、親潮は、偏西風、貿易風など風によって引き起こされた海流です。
海の深いところの水温は低く比重の小さい黒潮は暖かい海水ですので、深いところと浅いところで水温差が大きく表面付近と深いところで大きく構造が違って流れかたも違っています。黒潮は深いところは比重が大きく水温が低く暖かい海水の下を流れ減速していることになります。
一方、親潮は塩分濃度の低い、冷たい海水で水温差が小さく深海でも同じような流れ方をしているとみられます。よって黒潮は早く、親潮は遅くなって流れています。
◆黒潮は親潮と比べて流れる速度が大きくその源は暖かいフィリピン、台湾の東方で発生しているといわれ、 琉球列島西側の東シナ海大陸棚に沿って北上し、黒潮本流や対馬海流(暖流)は、水深200m付近の大陸棚の縁辺に沿うように流れています。
浅い東シナ海や黄海では黒潮の流れに及ぼす影響は小さくなっています。
黒潮の平均的な流れは、台湾と西表島の間から東シナ海に入り、尖閣列島付近の大陸棚にぶつかって、向きを北東に変え、沖縄本島の西を通りトカラ海峡を抜けて本州南岸を流れていきます。
200m深さの水温が 14℃以上で深くなるにつれ水温が低くなっています。黒潮の「黒」は他の海流に比べて海の色が黒っぽくコバルト色をして見えることから黒潮と呼んだのが語源だと考えられています。海水に含まれる栄養素が少なくて透明度が高いため黒っぽく見えるといわれています。
◆親潮は100mの深さの水温が5℃以下ですが、表面の水温より水深500m付近では逆に高くなることもあります。全般に低温・低塩分の海流で流速は最高でも1ノット(1.852Km/時速)程度で本州沿岸を北上する黒潮の数分の1ですが栄養を豊富に含んでいます。
プランクトンの量などで黒潮の5~20倍多く含みます。親潮は、ベーリング海、ウルップ島、オホーツク海や千島・カムチャッカ半島近海などで発生し通過していきます。親潮とは魚類を育てる親にあたる潮の意味に由来しています。
◆大陸棚が広がっている釧路の沖合、三陸海岸沖、銚子・九十九里地域ではこれらの親潮と黒潮がぶつかりあっています。
そして日本海流(黒潮・暖流)と千島海流(親潮・寒流)がぷつかったところは潮目(潮境)と呼ばれ、黒潮と親潮がぶつかる潮目はよい漁場になって 栄養豊富な水の中でプランクトンなどが育つことで、絶好の漁場になるのです。
海岸から200海里(約370km)までの海底で、水深30~200mの平坦な傾斜の極めて緩やかな地形のところを大陸棚といい食用にしているカレイ類、カジカ類、タラ類、ホッケなど漁業上重要な種類の生物が最も多く生息しています。東北地方には有名漁港が多くあるのです。
ご愛読戴きましてありがとうございます。よりよい情報をお届けしてまいります。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます