・新生姜・生薑Ginger しんしょうが
ショウガ科、熱帯アジア原産。温暖で適度の湿潤な気候土地を好み乾燥には弱い。
日本には、3世紀の中国の歴史書三国志の魏志倭人伝 (ぎしわじんでん)に倭(日本)の山にあるものとして、「薑(キョウ)・橘(キツ)・椒(ショウ)・茗荷(ジョウカ)あるも、以て滋味と為すを知らず」と記している。薑 (きょう) の名での記載がある。
古くより伝えられ山椒を古名ではじかみ(薑)と称していたが中国の呉(くれ:222~280年)より伝来したショウガをクレノハジカミと呼ぶようになったという。生姜(ショウキョウ、ショウガ)と、いうようになったのは、その後の室町時代(1338年~1568年)といわれる。
漢方で根茎を蒸して乾燥させたものを乾姜(かんきょう)という。今に言うはじかみは、葉生姜の甘酢漬けのこと。東京の谷中を産地とし有名であったことから葉生姜を谷中生姜ともいう。英語でジンジャーといい語源は「角の形をしたもの」という意味がある。
地下茎の塊茎(かいけい)を食用とし、大きさ(大、中、小)、栽培方法(芽、葉、根生姜)により種類が分けられる。香辛料、薬用とし用いられていた。高知県で全国の生産量の半数を占めるが、消費量の多くを中国からの輸入に頼る。露地栽培もするが施設(ハウス)栽培が年々増加傾向にある。花は、通常ほとんど咲くことはなく極稀に、クリーム色と朱色の混色の花が、9~11月頃咲くことがある。
6~8月に収穫するのが色が白く軟らかで新生姜の旬とする。9、10月に収穫している生姜を根生姜(ひね生姜)といい秋に掘り起こし旬とし翌年の夏ごろまで貯蔵でき、色素、辛味、香り成分を多く含む。
初夏の新(葉)生姜は辛味が少なく湯通しして醤油漬け、酢漬け(寿司用ガリ)、味噌付け、薬味とし利用する。
ひね生姜(根生姜・土生姜)は、臭み消し、針生姜、紅生姜、清涼飲料、菓子の風味づけ、香辛料に利用する。
新生姜の時に酢と反応して赤くなるのはアントシアンAnthocyanin という色素を多く含み、 根生姜(ひね生姜)になるにつれ少なくなる。辛味のジンゲロールGingerol、ジンゲロンZingerone(結晶)、ショウガオールShogaolが新陳代謝を高め、発汗作用がある。
黄色の色素クルクミンが肝臓の働きを強くする。アミラーゼ、プロテアーゼなどの分解酵素を微量含み消化、吸収を助ける。
香りの精油成分は主にジンギベレンZingibereneを含み他にカンフェンCamphene、シネオールCineole、ゲラニオールGeraniol、ガラノラクトンGalanolactoneが血流をよくし、保温効果が高く、痛みを和らげ消炎作用を有し風邪引き、咳、冷え性に生姜湯、湿布にし利用している。