-196℃の部屋

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歩きタバコやめれ!ヾ(>д<)ノ ~ニコチン~

2011-02-17 22:05:13 | なんとなく有機化学がわかった気になる
どうも、朝、うちから駅まで歩いていると、よくサラリーマンのおっさんなんかがドヤ顔で歩きタバコしてる光景を見ることがあって、横通り過ぎるとき舌打ちしてしまうボクです。
あまつさえ、吸ったタバコを当たり前のようにポイ捨てするやつとかもうね…(´・ω・)y―-~~ ※ボクは吸いません。

さておき、そんなタバコに含まれている体に良くないものと言えば…

そう、「ニコチン」です。

どうです、普通に聞く名前でしょう。
いやぁ、この前がプタキロサイドなんて、一般には知名度が全然低そうなやつを取り上げてしまったので、今回は思いっきし有名なやつにしてみました。

タバコが日本に伝わったのは、古くは1573年頃から、なんて言われてますが、元はコロンブスが見つけたんですね。
で、新大陸から旧大陸に伝えられ、世界中に一気に広まったわけですが、その当時は万能薬のイメージがあったそうで。
まぁ、大抵科学が発達してないときに見つかった真新しいものって、そんな風に扱われがちがよね( =ω=)

そんなタバコに含まれているニコチンだけど、アルカロイドに分類され、1828年に単離され、100年後の1928年に全合成が達成されました。

さぁ、そんなニコチンの構造はこれだっ!




すごく単純な構造です。
1ヶ所3級炭素の不斉点があるけど、ピリジンの3位にN-メチルピロリジンがくっついてるだけですね。
ピロリジンってのはピロールが還元されたやつです。
ピロール、フラン、チオフェンのようなヘテロ環式化合物はセットで覚えておくといいでしょう。
さらに、ヘテロ原子を含む三員環だと、アジリジン、エポキシエタン、チイランあたりもまとめて覚えておくといいかも。
エポキシドって言うのはあくまで「エポキシエタンを含む化合物の総称」なので注意な。
てかチイランとかあんまり見る機会ないだろうなぁw
まぁアジリジンやエポキシエタンなんてのは、疑似イミンや疑似カルボニルになる求電子剤としてよく使われるしね!

閑話休題。
さて、このニコチンがどう効果を及ぼすかだけど、主に神経細胞の神経節(シナプス)であれこれします。
神経細胞では刺激が伝導して末端まで到達すると、シナプスで神経伝達物質であるアセチルコリンやノルアドレナリンなんかが遊離し、それを別の神経細胞の受容体(レセプター)がキャッチし、またその神経細胞を刺激が伝導していきます。
ここで実はアセチルコリンを受け取るレセプターには「ニコチン受容体」と「ムスカリン受容体」の2種類があり、ニコチンは文字通り、ニコチン受容体にキャッチされます。
すると、自律神経は興奮作用を示し、その後、神経伝達を遮断して鎮痛作用を示すのです。
この興奮作用のせいでタバコは麻薬ほどではないにしろ、中毒を引き起こすわけですね。いわゆるニコチン中毒。

また、体内にニトロソニウムイオンがあったりすると、ニコチンのピロリジンのN原子がこれと結合し、加水分解で五員環が開裂して、N-ニトロソアミンとなります。
実はこのN-ニトロソアミンというのは強い発癌性を示すのでひじょーに危険なのです。



あと、タバコにはタールが云々なんてことをよく聞くけど、アレの中にはベンゾピレンなんてものがあって、それも発癌性物質です。

いやぁ、つくづく体に良くないですね、タバコ。
吸うな、とは言わんけど、歩きタバコはまじかんべんよ。




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