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「まあ、こいつにはもっと簡単な呼び方があるけどね。つまりは魔法さ。これにはタネも仕掛けもありませんってね」
今日のライトノベルは電撃文庫から発売されている「ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師」です。
初版は1999年8月に発行されました。
上遠野浩平氏によるブギーポップシリーズの6作目です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/8f/1a6d36e307aa8bbfbe2707aedab6e422.jpg?1595491026)
ブギーポップシリーズの中でも私が特に気に入っている作品です。
過去シリーズに登場したスプーキーEや飛鳥井仁、寺月恭一郎などのキャラもちょいちょい登場します。
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しかし本作のキーパーソンはやはりペパーミントの魔術師こと軌川十助でしょう。
実は統和機構の合成人間ですが「ノトーリアスI.C.E.」という失敗作扱いされています。
(本人はそのことを知りませんが)
能力は「相手の心の痛みと同化する」というもの。
人は意識的にでも無意識的にでも自分の心の痛みから目を背けたり、気付かないようにしているので、その心の痛みに同化することで、相手に存在を知覚されなくなるというものです。
仮にその知覚されていない状態で相手をナイフで刺しても、相手は刺されたことに気付かないようにまま死んでしまうという…
恐ろしい能力ですね。タイマンなら最強クラスなのでは…?
ただ、当人がこういう能力だと気付いたのは終盤で、それまではこの能力を使ってお客の心の痛みを理解し、この人にはこのアイスが適している、というような使い方をしていました。
まぁでもヤバい能力であることには変わりないので、ブギーポップに目をつけられてしまうわけなんですが……
なんと、見逃されちゃうんですね( ゜Д゜)
理由はブギーポップが浮かび上がっては、十助に会うたびに消えててしまうから。
これは十助がこの能力をアイス作りを通して自分の痛みを他人にわかって欲しいために使っているからだとブギーポップは言っています。
つまり、世界に対して使おうとしていない、“世界の敵”になりえないと判断して、彼を見逃したんですね。
十助の能力も相手が見失ってしまう能力だし、これらがタイトルの「ブギーポップ・ミッシング」にかかっているのです。
大体ブギーポップが合成人間やMPLSの前に現れたら、ほぼ倒してしまうのですが、これは非常に珍しいパターンです。
ちなみに個人的にはラストのシーン、十助と一緒にアイスクリーム屋を経営するも途中で別れて、その後は統和機構に洗脳されていた楠木玲に、十助がアイスを渡して洗脳を解くシーンが切なくて良かったですね…
読んでない方は是非。
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