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今日のライトノベル ~ブギーポップは笑わない~

2020-07-13 21:30:43 | 今日のライトノベル
「ぼくは自動的なんだよ。周囲に異変を察したときに、宮下藤花から浮かび上がって来るんだ。だから、名を不気味な泡(ブギーポップ)という」

今日のライトノベルは電撃文庫から発売されている「ブギーポップは笑わない」です。
初版は1998年2月に発行されました
ブギーポップについてはシリーズではあるのですが、このブログではシリーズとしてまとめずに作品単体で取り上げていく予定です。



とうとうこの本を取り上げるときが来ました。
1998年に登場してから22年、今なおシリーズが続いてるブギーポップ。
“電撃文庫”というライトノベルレベールの立ち位置を確固たるものにしたきっかけの作品であり、「戯言シリーズ」や「物語シリーズ」でお馴染みの西尾維新さんや、「キノの旅シリーズ」でお馴染みの時雨沢恵一さんをはじめ、多くの作家に影響を与えた伝説的な作品です。

そもそも、私がライトノベル沼に落ちるきっかけになった作品がこの「ブギーポップは笑わない」なのです。

(以下、自分語り)
私がこの作品を初めて読んだのは中学校の図書室でした。
それまで活字を読むということが嫌いだった液体少年は、中学一年のときに図書室で「マンガでわかる歴史シリーズ」みたいな本を探していました。
そんなとき、ある本棚の片隅にこの作品が一冊だけそっと置かれていました。
本の大きさからして文庫本だし活字のやつだなとは思ったのですが「ブギーポップは笑わない」という変なタイトルが気になり手にとってしまいました。
すると表紙にはイラストが描いてあるじゃないですか!
そして表紙を捲るとそこにもカラーイラストが!
気付くとその場で読み初めていました。
チャイムが鳴り教室に戻らないといけないので、本を元の場所に戻して図書室をあとにするも、さっき読んだ本の内容が気になる。
なので放課後にまた図書室を訪れ、続きを読みます。
当時は活字嫌いだったこともあり、読むスピードはとても遅く、数日かけて読み終えました。
なんでこんなにはまって読んだのか、そのときはよくわかりませんでした。

今思うと、活字というのは国語の教科書に乗っている心情描写や風景描写が多い話のイメージが強く、読んでてもツマラン印象だったのに対し、この作品…ライトノベルは会話が多くマンガに近くて読みやすかったというのがあったのかもしれません。
また、主要な登場人物が口絵で描かれているからイメージしやすかったのもあったのでしょう。
その後、この作品には続きがある、シリーズだったということを知り、本屋で探して買い漁るようになったのでした。
こうして私はライトノベル沼にずぶずぶとはまったのでした。

なおしばらくしてから、図書室にあったブギーポップは1つ上の図書委員の先輩が置いた、自分の私物だったということが判明しました。
曰く、同志を増やそうと思って置いた、と。

見事にその目的は達成されましたね!

悔しいけど見事にはめられました。
でも今では感謝しています(笑)

というわけで、読んだことのない方は読みましょう(`・ω・´)
人に本を薦めるということをあまりしない私ですが、この作品については薦めたい。
特に、私のように活字嫌いの若い方に…

内容としては、シリーズで後に「マンティコアショック」と呼ばれる超重要な鍵となる事件を、それぞれ異なる登場人物たち視点で、5つの話として書いたものです。
ブギーポップ、統和機構、合成人間…
今後のシリーズで頻繁に見るキーワードの原点がここにあります。

また、22年前に出た作品にも関わらず、メディアミックスもアニメ化が2回、実写映画化、コミカライズと多くされています。

著者は上遠野浩平氏。
「ブギーポップは笑わない」で第4回電撃ゲーム小説大賞で大賞を受賞してデビューされた、ラノベ界のレジェンドです。
電撃文庫だけでなく様々なレーベルでいろいろなシリーズを出されていますが、全ての作品とシリーズが同じ世界観にあるのが特徴でもあります。
たとえば富士見ミステリー文庫で出されたミステリー作品「しずるさんシリーズ」も実はちょっとブギーポップと関係しているし、徳間デュアル文庫から出された「ナイトウォッチ三部作」と呼ばれるシリーズもブギーポップの世界から遥か未来を舞台にして書かれています。
全く違うシリーズなのに同じ世界観を共有している、というのが好きな方にはたまらんですね(^q^)

いやほんと、未読の方は是非読んで…(くどい)


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