山本敏晴さんは、医師として国際医療援助活動をなさりながら
NPO法人「宇宙船地球号 Earth the Spaceship(ETS)」を立ち上げて
様々な活動をしていらっしゃる方です。
私は、まだ直接、山本さんのお話を伺う機会はありませんが
星槎大学で「社会と子育て」「ボランティア論」を教えていらっしゃる野口桂子先生が
大学のブログの記事の中で、星槎大学の学生さんを取り上げている
山本敏晴編著「世界と恋するおしごと 国際協力のトビラ」という本について
書かれているのを読んで、直観的に、山本さんに興味を持ちました。
それは、ちょうど映画「ホテル・ルワンダ」を観たすぐあとで
その出来事について、自分なりにその映画の背景について考えたり
自分は、どんな風にそのことを感じたのか?
もしも、自分がそのような出来事に直面したときに
どう考え、どう感じ、どんな行動ができるのか…?
と、自分自身に問いながらも、まとまった考えも想いも
はっきりとお話できるようなものが、何も見えていないときでした。
そのときの私の中に浮かんでいたことは
人間のこころという、まだ捉えきれないものの中にある様々な動きの現れや
自然のような人間の手の及ばない原因によって
戦争や内戦、虐殺や貧困や病気などが生じる…という不可解なものへの怒りと不安のようなものと
どうして、こんなに受け入れがたいようなことがいろいろ起こるのか?
同じ人間として、この地球に生まれて「いのちの重さは、同じである」はずなのに
なぜ、こんなにも「当たり前に、生きること」が難しいのか?
「ホテル・ルワンダ」に描かれていたジャーナリストや国連軍の人や
家族を含めた何人もの人を救うことのできた主人公のポールでさえも
何かを変えたり、すべての人を救うことの難しさを目の前にして
「何もなす術のない自分を思い知る」辛さを抱えて、これからも
生きていかなくてはいけないのだろうか?という疑問でした。
いま、日本で暮らしている自分に、できることが果たして何かあるのだろうか?
という、私自身の中にも大きな無力感が湧いてきたような気がしていました。
そんなことを感じながら
山本さんが、2001年、西アフリカ・シエラレオネ共和国で緊急医療援助
2002年、アフガニスタンで緊急医療援助
をなさった時のことをお書きになった
「世界で一番いのちの短い国 シエラレオネの国境なき医師団」
「アフガニスタンに住む彼女からあなたへ 望まれる国際協力の形」
という2冊の本を、読みました。
人間をあたたかく見守り、苛酷な厳しい環境のなかでも的確な判断をして
必要な活動を粘り強く実践なさっている山本さんの
文章につづられた言葉は、思いの他さわやかで
その中に山本さんの人柄が、にじみ出てくるように感じました。
そして、ご自分の活動について真摯に向き合っていらっしゃることが
その本の最後のことばからも、つよく伝わってきました。
ここに、引用させていただきます。
「…ともかく私が考える最善の、自己満足ではない、意味のある国際協力には
いくつかのポイントがあることをわかってもらいたかった。
ただ、私自身は現在でも迷いが続いており、国際協力の形として、
なにがほんとうに正しいのか正直言ってわからない。
これらの意見にも賛否両論があってしかるべきだと思うし、
これらすべてしょせんは自己満足にすぎないと言われれば、そうかもしれない。
それでも私は、迷い続けながらも、とにかく前進している。
あなたがこの本を読んでいるころも、世界のどこかに私は派遣されて、
自分の理想が、自分の考え方が正しいかどうか、
必死にそれを確認しようとしているはずだ。
『ありがとう』といってくれる、彼らの未来を信じて。」
(平成14年9月「世界で一番いのちの短い国」より)
「さてアフガニスタンから帰ったあと、私はあいかわらず
『ほんとうに意味のある国際協力』について、悩みつづけている。
今回のプロジェクトは、ほんとうにうまくいったのか?
どのくらい意味があったのか?数字ではどうか?
現地文化は尊重したか?未来に残ると思うか?
……さまざまな疑問が噴出してくる。わからないことだらけだ。
こうした疑問を解決するために、私はまた勉強を始めるだろう。
国際協力関係の本を読み漁り、たくさんの経験者たちの話を聞く。
だが、最終的には、日本のクーラーのきいた部屋で
『机上の空論』を論じるのではなく、
あくまで現場で答を見つけたいと思っている。
よって再びどこかの組織に所属したり
自分の考えたプロジェクトを自力で行ったりしながら、
前に進んでいこうと思う。
『ほんとうに意味のある国際協力』という名前の宝物を、
一生かけて探し出すために。
願わくば世界中の人々とともに。」
(2004年2月14日「アフガニスタンに住む彼女からあなたへ」より)
さて、ご本の内容は、ぜひ皆さまにお読みいただきたいので、ここではお話したしませんが
私は、この本を読んだ中で、まさに『これだ!!』というような
いまの自分の想いとつながるようなものと出会いました。
「アフガニスタンに住む…」の第7章の中に書かれていることを要約すると
それは国際協力を現場で実践するにおける大きな方針に
「現地文化を尊重しながらも、あくまで理論的・合理的な計画を実行していくこと」
「ずっと未来へ続いていく継続可能なシステムを作ること」という
コンセプトがあるそうです。
このことについては
1.政治の安定(戦争をなくすこと) 2.経済援助 3.義務教育
4.医療と公衆衛生 5.環境問題 を、あげていらっしゃいます。
また、国際協力の一般論としては「みんなの力」という項で
1.とりあえず、海外へ行ってみる―ともかく自分の目で見てみる
(私の補足ですが:もちろん安全等が確認されているところという意味)
2.国際協力の世界には、それ専門の勉強が必要。あと英会話とパソコン
3.募金をするなら、継続、ニュースのチェック、そして団体の予算収支の確認
4.実はなにをやっても、国際協力。でもとくに、身近なところで環境問題
5.世界に目を向けた子どもたちを育てる
以上のことは、今現在の山本さんのなさっている活動そのもので
身近なところから、意識していくことで
kirikouのような子どもたちや私たち大人にもできることがあるように思えます。
現地での、医療スタッフを育てることや
子どもを産み育てる母親を、サポートしながら知識や実践の方法を伝えていくこと
さらに、これからの未来をになう子どもたちを育てていくこと
そして、日本や世界も含めて
『これからの子どもたちに、何を、如何に伝えていくのか?』ということに
突き当たって、やっぱりここから始めるしかないんだろうなぁ?!と思いました。
山本敏晴さんの、お話もいつか機会があったら伺ってみたいと想っています。
日本にも、素晴らしい意識を持った方々が、実はほんとうにたくさんいらっしゃって
地道な活動をしていることを知り、とても心強く感じています…
NPO法人「宇宙船地球号 Earth the Spaceship(ETS)」を立ち上げて
様々な活動をしていらっしゃる方です。
私は、まだ直接、山本さんのお話を伺う機会はありませんが
星槎大学で「社会と子育て」「ボランティア論」を教えていらっしゃる野口桂子先生が
大学のブログの記事の中で、星槎大学の学生さんを取り上げている
山本敏晴編著「世界と恋するおしごと 国際協力のトビラ」という本について
書かれているのを読んで、直観的に、山本さんに興味を持ちました。
それは、ちょうど映画「ホテル・ルワンダ」を観たすぐあとで
その出来事について、自分なりにその映画の背景について考えたり
自分は、どんな風にそのことを感じたのか?
もしも、自分がそのような出来事に直面したときに
どう考え、どう感じ、どんな行動ができるのか…?
と、自分自身に問いながらも、まとまった考えも想いも
はっきりとお話できるようなものが、何も見えていないときでした。
そのときの私の中に浮かんでいたことは
人間のこころという、まだ捉えきれないものの中にある様々な動きの現れや
自然のような人間の手の及ばない原因によって
戦争や内戦、虐殺や貧困や病気などが生じる…という不可解なものへの怒りと不安のようなものと
どうして、こんなに受け入れがたいようなことがいろいろ起こるのか?
同じ人間として、この地球に生まれて「いのちの重さは、同じである」はずなのに
なぜ、こんなにも「当たり前に、生きること」が難しいのか?
「ホテル・ルワンダ」に描かれていたジャーナリストや国連軍の人や
家族を含めた何人もの人を救うことのできた主人公のポールでさえも
何かを変えたり、すべての人を救うことの難しさを目の前にして
「何もなす術のない自分を思い知る」辛さを抱えて、これからも
生きていかなくてはいけないのだろうか?という疑問でした。
いま、日本で暮らしている自分に、できることが果たして何かあるのだろうか?
という、私自身の中にも大きな無力感が湧いてきたような気がしていました。
そんなことを感じながら
山本さんが、2001年、西アフリカ・シエラレオネ共和国で緊急医療援助
2002年、アフガニスタンで緊急医療援助
をなさった時のことをお書きになった
「世界で一番いのちの短い国 シエラレオネの国境なき医師団」
「アフガニスタンに住む彼女からあなたへ 望まれる国際協力の形」
という2冊の本を、読みました。
人間をあたたかく見守り、苛酷な厳しい環境のなかでも的確な判断をして
必要な活動を粘り強く実践なさっている山本さんの
文章につづられた言葉は、思いの他さわやかで
その中に山本さんの人柄が、にじみ出てくるように感じました。
そして、ご自分の活動について真摯に向き合っていらっしゃることが
その本の最後のことばからも、つよく伝わってきました。
ここに、引用させていただきます。
「…ともかく私が考える最善の、自己満足ではない、意味のある国際協力には
いくつかのポイントがあることをわかってもらいたかった。
ただ、私自身は現在でも迷いが続いており、国際協力の形として、
なにがほんとうに正しいのか正直言ってわからない。
これらの意見にも賛否両論があってしかるべきだと思うし、
これらすべてしょせんは自己満足にすぎないと言われれば、そうかもしれない。
それでも私は、迷い続けながらも、とにかく前進している。
あなたがこの本を読んでいるころも、世界のどこかに私は派遣されて、
自分の理想が、自分の考え方が正しいかどうか、
必死にそれを確認しようとしているはずだ。
『ありがとう』といってくれる、彼らの未来を信じて。」
(平成14年9月「世界で一番いのちの短い国」より)
「さてアフガニスタンから帰ったあと、私はあいかわらず
『ほんとうに意味のある国際協力』について、悩みつづけている。
今回のプロジェクトは、ほんとうにうまくいったのか?
どのくらい意味があったのか?数字ではどうか?
現地文化は尊重したか?未来に残ると思うか?
……さまざまな疑問が噴出してくる。わからないことだらけだ。
こうした疑問を解決するために、私はまた勉強を始めるだろう。
国際協力関係の本を読み漁り、たくさんの経験者たちの話を聞く。
だが、最終的には、日本のクーラーのきいた部屋で
『机上の空論』を論じるのではなく、
あくまで現場で答を見つけたいと思っている。
よって再びどこかの組織に所属したり
自分の考えたプロジェクトを自力で行ったりしながら、
前に進んでいこうと思う。
『ほんとうに意味のある国際協力』という名前の宝物を、
一生かけて探し出すために。
願わくば世界中の人々とともに。」
(2004年2月14日「アフガニスタンに住む彼女からあなたへ」より)
さて、ご本の内容は、ぜひ皆さまにお読みいただきたいので、ここではお話したしませんが
私は、この本を読んだ中で、まさに『これだ!!』というような
いまの自分の想いとつながるようなものと出会いました。
「アフガニスタンに住む…」の第7章の中に書かれていることを要約すると
それは国際協力を現場で実践するにおける大きな方針に
「現地文化を尊重しながらも、あくまで理論的・合理的な計画を実行していくこと」
「ずっと未来へ続いていく継続可能なシステムを作ること」という
コンセプトがあるそうです。
このことについては
1.政治の安定(戦争をなくすこと) 2.経済援助 3.義務教育
4.医療と公衆衛生 5.環境問題 を、あげていらっしゃいます。
また、国際協力の一般論としては「みんなの力」という項で
1.とりあえず、海外へ行ってみる―ともかく自分の目で見てみる
(私の補足ですが:もちろん安全等が確認されているところという意味)
2.国際協力の世界には、それ専門の勉強が必要。あと英会話とパソコン
3.募金をするなら、継続、ニュースのチェック、そして団体の予算収支の確認
4.実はなにをやっても、国際協力。でもとくに、身近なところで環境問題
5.世界に目を向けた子どもたちを育てる
以上のことは、今現在の山本さんのなさっている活動そのもので
身近なところから、意識していくことで
kirikouのような子どもたちや私たち大人にもできることがあるように思えます。
現地での、医療スタッフを育てることや
子どもを産み育てる母親を、サポートしながら知識や実践の方法を伝えていくこと
さらに、これからの未来をになう子どもたちを育てていくこと
そして、日本や世界も含めて
『これからの子どもたちに、何を、如何に伝えていくのか?』ということに
突き当たって、やっぱりここから始めるしかないんだろうなぁ?!と思いました。
山本敏晴さんの、お話もいつか機会があったら伺ってみたいと想っています。
日本にも、素晴らしい意識を持った方々が、実はほんとうにたくさんいらっしゃって
地道な活動をしていることを知り、とても心強く感じています…
「本当に意味のある国際協力」に関しては、その後、
「国際協力師になるために」という書籍を出版しました。
http://www.ets-org.jp/pub.html
機会がありましたら、
ご一読いただければ幸いです。
なお
最近は、地球温暖化関係の、映画を製作いたしました。
興味がございましたら、
下記の予告編だけでも、ご覧下さいませ。
http://www.ets-org.jp/hosoku/YouTube20080124.html
ツバルの映画完成なさったんですね~!!
私も機会を見つけて、是非見せていただきます!!
先に記事のほうでお話したので、コチラにお返事するのを忘れておりました。
是非多くの方にも関心持っていただいて
その方それぞれが何かできることがあるのか、考えていただいたり
何らかの行動に結びつけていただくことができたら・・・いいですね~!
こころより祈りつつ
今後の活動に大いに期待をしております!!