Little Tree

日々のいとなみのなかで感じた子どものこと、季節の移ろいやこころに映る風景

新しい絵の具セット

2006-05-13 09:53:49 | Weblog
3年生から、水彩絵の具を使うらしく、学校に注文した新しい絵の具セットが
先日届きました。


お店であれこれ選ぶヒマがなかったので、懇談会で見本をチェックした
水入れの出し入れが楽そうな、使い勝手の良いものを選びました。

kirikou は「学校の教科は何が好きなの?」と聞くと

一年生の頃から、『図工』と言っていました。

子どもにとって、絵を描いたり工作をすることについて考えてみると
作品の評価などは、何の意味もなく、どうでもいいことに思われ

本人が、好きで楽しく感じているということは
何かに熱中している様子や、夢中でやったあとの充実した表情を見れば

ほんとうに、良く分かります。


そんなわけで、kirikou は、持ち帰った名前も書き入れていない
絵の具セットを、どうしても使ってみたくてたまらなかったようで

早速、新しいパレットに、順番に絵の具を出していきました。

幼稚園のときのお絵かきブックを、ひっぱり出してきて
何か書きはじめました。

彼が何かに集中しているときは、「私の自由時間」なので
このときとばかりに、私はPCに向かっておりました。

好きなことには、夢中になりすぎて
なかなかやめられないところがありますが
kirikou が、何か言ってくるまでは、時間の許す限り放っておきます。


一時間近く書いた後、見たいTVが始まったらしく、中断しましたが
色合いも、なかなか楽しいオモシロイ絵を書いていました。

いまは、特に絵の具をいろいろ混ぜて、違った色になるのが
とても面白く楽しく感じているようで、どれも、絵の具そのままの色ではなく
パレットの中で、混ぜ合わせた様々な微妙な色が使われていました。


何かで聞いたことがありますが
子どもの絵や作品を見たときは、どんなものであっても

「よくできたね~」とか「この色がいいね~きれいだね~」と
ほめてあげると、いいそうです。

大人もそうなのでしょうが、あれこれけなされたら
やる気もなくして、やること自体が嫌になってしまうのでしょうね。

ただし、その時「何だ!ボクのこの良さが分からないのか!!」って
言えるような、強い個性を表現できる人は、素晴らしいですね。

批評と非難は違うかもしれませんが
少なくとも、子どもたちや、心優しき人たちは
ほめられたり、良い評価を得られたほうが気持ちがいいですね。

(気持ちよければ、それでいいのか?ということは、ここでは置いておいて・・)

「コーチング」関連の本なども読んだことがありますし
良く「ほめて育てる、子育てコーチング」みたいなことも言われています。

ただ、親の思い通りにしようとか、「知育にいいから」と言う視点で
ものを見るのは、どうなのかしら…?と感じています。

こちらの意図に関わらず、本人がやりたい、楽しいと感じることは
自分から、すすんでやりたいと思って、取り組むものなのでしょう。


むずかしいのは、やったほうが良くて、チョッと負荷がかかって
本人には、まだ目的意識やモチベーションがハッキリしていないことに
いかに、興味を広げたり、意識を持たせるか…というあたりかもしれません。


そのあたりは、

もしかしたら、こちらの想いとは別の世界に住んでいる子どもたちを

もっとしっかりと、素直な曇りのない眼で観ていくことから

何か、ヒントが得られるような気がしています…



(絵を描くことについては、もう少し書きたいこともあるような…
   続きは、また後ほどにします。)

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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ふくらむ絵心。 (道草)
2006-05-13 17:33:00
初めてのお便りです。

Kirikou君は絵が好きなのですね。私が初めて絵の具を買ってもらったのも、小学校の3年生です。ホーローびきの四角い皿に入ったさくら絵具。12色でたしか35円でした。もちろん嬉しかったのですが、それより絵具は舐めると微かに甘かったのです。口の周りを赤色や紫色に染めながら舐めました。黄色の絵具は毒や、なんて言われていました。終戦間もない、日々空腹だった丹波の田舎の小学校のことです。Kirikou君がどんな絵を描くのか、楽しみですね。じっと見守ってあげてください。 



「優劣のかなたに」  大村はま



優か劣か

そんなことが話題になる、

そんなすきまのない

つきつめた姿。

持てるものを

持たせられたものを

出し切り

生かし切っている、

そんな姿こそ。



優か劣か、

自分はいわゆるできる子なのか

できない子なのか、

そんなことを

教師も子どもも

しばし忘れて、

学びひたり

教えひたっている、

そんな世界を

見つめてきた。



学びひたり

教えひたる、

それは 優劣のかなた。

ほんとうに 持っているもの

授かっているものを出し切って、

打ち込んで学ぶ。

優劣を論じあい

気にしあう世界ではない、

優劣を忘れて

ひたすらな心で ひたすらに励む。



今は できるできないを

気にしすぎて、

持っているものが

出し切れていないのではないか。

授かっているものが

生かし切れていないのではないか。



成績をつけなければ、

合格者をきめなければ、

それはそうだとしても、

それだけの世界。

教師も子どもも

優劣のなかで

あえいでいる。



学びひたり

教えひたろう

優劣のかなたで。





  
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はま先生のこと (風待人)
2006-05-14 13:55:20
道草 さま



はじめまして!



大村 はま先生は、私もお亡くなりになってからですが

ご本や、VTRを通じて、いろいろな大切なことを

教えていただきました。



「はま先生のこと」を書いてみましたが

http://blog.goo.ne.jp/elm511/e/be48a8347e8983503afd3ac21ddd57a0



はま先生の素晴らしさを、もっと皆さまにもお話したいと想いつつ

なかなか、かなわないままで、おります。



「優劣のかなたに」の詩は、



「特別支援教育」と言う雑誌の18号(平成17年)に掲載されていましたね。



子どものことを考える中で、はま先生の言葉は

心に響く大切な指針のように感じております。



また、いろいろなお話を聞かせてください。



どうぞ、よろしくお願いいたします。
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Unknown (ロジェ。)
2006-05-14 16:22:02
こんにちは。

子供でなくても自分の作業の痕跡を褒められて嬉しく思わないヒトはいないでしょう。

どこかに自分のことを受け入れてくれる人物がいるって知っているととても安心します。

…褒めるポイントが難しい場合があります。

私もしばしば無理やり探しているときがあります。

でもときどき心のソコから「これ、とても素敵!」といえる絵や色に出会います。

子供ながら本気で尊敬しちゃいます。

ではまた。
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ほめることのムズカシサ・・・ (風待人)
2006-05-14 16:35:24
ロジェ。 さま



はい!そうなんです・・・けれど。



ほめ上手の方がいらっしゃると、ほんとうに尊敬してしまいます!



通級の先生にも良くお話しするんですが



親として、ついついできないことには、目がいきますが

子どもを褒めることは、意外にむずかしく



良い言葉かけや、褒め言葉のボキャブラリーに乏しくなってしまいます。



「当たり前のことでも、できていることをほめる」

「結果をほめるより、やっている行動や

努力しているプロセスに注目して、認めていく」ことが



大切であると言われています。



このあたりの、ほめ方も

日々の、私の課題だと痛感しています。



ただ、他のお子さんには上手にできるのに

自分の子どもに対するのは、まだまだ・・・です。



また、それぞれの子どもによって

言われてうれしい言葉かけも違うので



やはり、一人ひとりの子どもの特性の把握が重要になってくるんでしょうね。
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ほめること・・・ (風待人)
2006-05-14 16:52:28
(続きです・・・)



そのようにして、認めるところも、これからの課題も

やはり、子どものことを良く観ていくことから

気づくものかもしれません。



さらに、子ども自身の「やりたいという発信」や「自立の芽生え」が

生まれてきたら、素晴らしいですね・・・
返信する
褒められる経験 (RAM)
2006-05-14 22:48:46
息子も養護学校高等部に入ってから褒められることが多くなり、ずいぶん自信がついたようです。もったいぶった言葉だけ褒められていた中学校。自分の行動を褒められる高等部。自閉症児でも実態のない褒め言葉には敏感に反応しますね。

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本人からの受信と発信 (風待人)
2006-05-15 02:57:10
RAM さま



「褒められることが自信につながる」・・・そうなんですね!!



13日に、中邑賢龍先生と坂井聡先生のお話を伺ってきましたが

自閉症の方の受信していることや発信していることに

周りの人はどれだけ気づいているのか?



それが、もっと私たちに分かったら・・・知ろうとする努力ができたら



お互いに、ある意味でのコミュニケーションを取ることは

もっともっと、可能なような気がしました。



このこともいつか書いてみたいです。
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そう思います。 (平太)
2006-05-30 09:38:48
『賢くなるから、とかIQが高くなるから』ほめるとか、親のエゴチックなのはどうかと思います。

心に栄養つける意味合いとか、心通い合わせる意味など、心から思って人はほめたいですね。
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心の栄養! (風待人)
2006-05-30 11:05:15
平太 さま



ほんとうに、心がうれしくなったり楽しいと

いろんなことを吸収しようとしたり

興味がどんどん広がっていくと思います。



ただ、親というのはどうしても

親の思う「良いこと」や「価値観」をそのまま子どもに

意識的にも無意識的にも、伝えてしまうところがあります。



その影響力は、ほんとうに大きくて

それは、先生の影響も同様に少なからずあると思います。



子どもの持っている素晴らしい才能や個性の『たね』を

(IQとは全然別物ですが・・・)

妨げることなく、いかに伸ばしていくかを考えると

とても大きくて難しいけれど、意義深いものがあると思います。



客観的な立場からの、ご意見はとてもありがたいです!!



また、お話聞かせてくださいね!
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