Little Tree

日々のいとなみのなかで感じた子どものこと、季節の移ろいやこころに映る風景

神奈川県立近代美術館鎌倉館にて…

2010-01-11 21:20:09 | お気に入り
昨年末ギリギリに、「内藤礼展」を観に行ってまいりましたが

「成人の日」の今日は、アーティストトークが開かれるとのこと。

思い切って、日常を放り投げて…また、鎌倉まで飛んでいってしまいました。


今回もルートは北鎌倉駅から歩いて、鎌倉別館に寄って

まず、前回予告を目にしていた「収蔵品によるイギリスの版画展」を観ました。

 【会期:1月5日(火曜)~3月28日(日曜)】


ウィリアム・ブレイクの作品やヘンリー・ムーアのリトグラフの質感
そして、「ユリシーズ」に因んだリチャード・ハミルトンの作品なども
何気ない中に表情があって、とても面白く感じました。

ダンテの「神曲」に寄せた作品は、現代のある方の作品を想わせるような
新しい雰囲気を感じました。

              


広報誌「たいせつな風景」も、静かな佇まいを感じさせる素敵な冊子です。


(そう言えば…夏休みにも、訪れていましたっけ…)


そして、八幡さまの裏の通りを歩いて

「内藤礼 すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」を

開催している鎌倉館に向かったところ


木立の中のいつもの落ち着いた雰囲気とは違う、人の多さに少々ビックリしつつ
会場への階段を登っていきました。

展示室に入ると、どこかホッとするような懐かしさと温かさを感じます。

(たくさんの方がいらしているので、雰囲気は前回とは大分違いますが…)


リボンが風に揺れている中庭で開始を待っていると
タイミング良く、雲の合間から水色の空が観えてきました。


               


アーティストトークは、副館長さんが聴き役で、内藤さんが作品について

どこかしら…観えないキャンバスを見つめるような視線で

心の中に浮かぶ想いをすくい取るような…
ひとことひとこと確かめるような、そんな丁寧な語り口でお話してくださいました。

今回の展覧会のために、何回も近代美術館を訪れたとのことで

この空間で表現できること、この場所だからこそ立ち上がるモノがあるのでしょう。

「内と外」や「生と死」や「隠れているモノと顕われているモノ」との行き交いとその変化…

様々な言葉の断片は、まるで浮かんでは消えていく「風や雲や波」のように取りとめなくて
そのはかないモノたちを、もしかしてナントカ作品として
表そうとなさっているかのように、私には感じられました。

それでいて、その奥の方には、その存在が確かなものかもわからないようなモノに
手を差し伸べたいという想いが、静かに強く伏流水のように流れておいでなのかなぁ…
と感じました。

私が、作品から感じた「女性らしさ」や「包み込むような安心感」は
ひょっとすると、内藤さんご自身の求めていらっしゃる存在に似たモノなのかもしれませんね…

これまでとは違って、他の人の手による「善きモノとの出会い」を愉しまれた…とのこと。

ご自身や作品の変化を、お感じになっているという言葉がとても印象的でした。


展覧会の会期は、1月24日までですから

お陽さまの光とともに、一日をお過ごしになれるような

ゆったりとしたお時間のあるお天気の良い日に

皆様も、ぜひお出かけになってみてはいかがでしょうか?




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