Little Tree

日々のいとなみのなかで感じた子どものこと、季節の移ろいやこころに映る風景

映画「ゲド戦記」

2006-08-02 04:56:28 | Weblog
昨日、kirikouと一緒に「ゲド戦記」を観てきました。

このところの数日は、思いの外、涼しい過ごしやすい日が多い中
気がつくと、カレンダーは8月になっていました。

我が家の日常は、ご想像のとおりのてんやわんやのドタバタな毎日が続いています。

予想どおり、スキマの時間にPCを開けて
お気に入りをいくつか覗いては、チョコっと書き込むのがやっとなので
書きたいことも、あるようなないような気がしています。

とりあえず、どこかにストックしつつ
気になる本などは、少しずつ読みながら、それやこれやのことなどを
心の中であれこれと転がすのも、楽しからずや…という心境でしょうか。


…と前置きが長くなりましたが

数日前にkirikouが「ブレイブストーリー」のTVコマーシャルを見たようで
今回は、まずこの映画を観たいと言い出しました。

夏休み中の予定表(良くある一日の時間割表みたいなもの)を作りましたが
なかなかその予定通りの生活は、できていませんでした。

そのうえ、宿題もあまりはかどっていませんので
漢字ドリルを、1ページやったら10時30分の上映に間に合うように行こう!
ということになりました。

こういう本人の目的意識が固まると、普段はなかなかやる気の出ない
苦手な課題にも、比較的前向きに取り組むことができるようで
いつもより短時間で、集中もそれほど途切れずに終えることができました。

昨日は、インターネット予約をせずに、直接いつも行く映画館に行きましたら
さすがに夏休みの真っ最中で、お目当ての「ブレイブストーリー」は満席で
ポケモン映画も、すぐのは一杯、結局「ゲド戦記」ならば、ということになりました。

kirikouは、急な予定変更ということもあり
もともと、あまり気乗りのしない映画だったので、少し抵抗を示して
「いやなら、観ないで帰ろう。」と言いましたら

「じゃぁ、付き合うよ~。」としぶしぶOKを出しました。

ここで無理をして観なくてもいいか、とも思いましたが
こんな機会もいいかもしれないと考えて、
いざというときは、途中で出ればいいし…と、結局観ることにしました。

(映画の内容について、期待していらっしゃる方には
つまらないお話が続いて申し訳ありませんが…)


さて、肝心の映画のほうは…

私の中で、いま一番印象に残っているのは

空の色、雲の流れ、風の気配、テルーの声の響き…です。


お話や内容については、実際に観て感じていただくことが一番だと思いますし
私のつたない表現など邪魔になると思いますので
取り立てて、書くことはあまりありません。

私的には、色合いがとても落ち着いていて好きな感じだったことと

登場人物のそれぞれの気持ちに、素直に自分を重ねながら観ることができたこと

また、宮崎吾朗監督の昨品に対する意気込みやいろいろな想いなどが伝わってきて

それだけで、十二分に楽しめる素敵な作品だと感じました。


加えて、kirikouと一緒に観たことは
思いの外、興味深く、まわりの方に気を使って、かなり疲れましたが
それはそれで、良かったと思います。


いろいろな場面で、kirikou やほかの子どもたちからの反応は、とてもオモシロく
また、素朴な疑問がたくさんあったようで
kirikouが、その都度いろいろ聞いてくるので
「小さい声で!」とか「あとで、話してあげるよ。」ということが何度かありました。

観にきている方も、おそらく大人の方のほうが多いいようで
もしかしたら、ある程度理解のできる年齢の子どもを対象としていたのかもしれません。

ちなみに、kirikou から、はっきりとした感想は聞いておりませんが
帰りがけに、パンフレットを一生懸命読みながら
アノ「テルーの唄」を鼻歌で歌っていたのを見ると
言葉にはならない何かを、どこか感じていたのかもしれません。



全体として、ほんとうに真摯な一生懸命さの伺える意味深い作品でしたので

これからも、偉大なお父さんの背中を見ながらも、自分らしさに磨きをかけて

また新しい、いろいろな世界を描いてほしいと想います!

そんな期待の広がる素敵な作品でした。


私はもちろんですが、kirikouも含めて

多くの方々や子どもたちの心の中に、目には見えないけれど

不思議で素敵な大切なキラキラと輝くようなファンタジーの種が蒔かれて

しっかりと根付いていく様子が、目に浮かびました。


今度は、アーシュラ・K・ル=グウィンさんの

「ゲド戦記」や「ファンタジーの言葉」を読んでみたいと、想っています。


ほんとうに、本や映画の世界は、オモシロくて楽しくて、大好きです!!


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9 コメント

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ファンタジー映画のムズカシさ (RYO)
2006-08-02 16:09:26
いつのまにやら8月ですね。早いものです。

「夏休みの予定表」ありましたねぇ。

私も先生に提出したあとは、そんなものの存在もすっかり忘れて、夏という季節を存分に堪能しておりました。

とうぜん宿題などは……(笑)。



まぁ、それはそれとして、「ゲド戦記」観てきたんですね。

私自身は原作大好きなので、どんな仕上がりになっているのかドキドキモノなんですけど、今回の記事を読ませていただくと、やっぱり小さな子どもには難しい感じになってるみたいですね。う~む…。



ファンタジーを原作とした映画は、とくに原作の世界観が緻密であればあるほど、その世界観の説明をわずか2時間の物語の中にふんだんに盛り込まなければならない、という避けては通れない試練がありますから、たいてい説明だらけになるか、説明不足になるか、といったところなんですよねぇ。

「何でそういう展開になるのかよく判らない」とか「まとめが急で強引(時間が足りなくなるので)」という傾向が多いのは、今までのファンタジー原作映画を観ていて非常にしばしば思うところ。

まぁ、それは作り方云々を超えた「ファンタジー映画の課題」であると思うのですが、なかなか難しいものですねぇ。

そういうものもひっくるめてジブリの「ゲド戦記」、楽しみにしたいと思います。



ル=グウィンの「ファンタジーと言葉」。

私もぜひ読みたいと思って、今、書店で探しているところです。
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緻密な世界観! (風待人)
2006-08-02 19:00:34
RYO さま



やはり原作の力強さや、細やかな設定を表現するのは

とても大変なのでしょうね。



映像には映像ならではのインパクトもあると思いますので

言葉によるイマジネーションの広がりとは違う

楽しみ方をすればいいのかもしれませんね!



最近また、アレコレと本を読み出したので、好きなんですけれど

これまで、意外に優れたファンタジーをたくさんは読んでいないので

RYOさまのおススメがありましたら

また教えてくださいね!!
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 (hama-wind)
2006-08-02 21:18:42
もうゲド戦記を見てこられたんですね?前から宮崎アニメのファンなので、こちらの方を見てみたいなと思っていました。いつも空と雲がすばらしいのが印象的なので…。ただ監督さんが変わって、どうなんだろう…っていうのが、予告TVCMを見た印象でした。

風待人さんが“空の色、雲の流れ、風の気配”とおっしゃるんなら、まず間違いなさそうですね。僕もぜひ見ようと思います。ご紹介ありがとうございました!
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風景に目がいくのは、なぜでしょう・・・? (風待人)
2006-08-02 21:31:42
hama-wind さん



素人の私の感想なので、当てにはなりませんが

アニメのデビュー作としては、もう充分その才能が伺われるのではないでしょうか・・・



偉大な父を越えることは、ある意味難しいことでしょうが

別のよい面も、きっと出ていたように思います。



また、できればゆっくり観てみたいと思います。





“空の色、雲の流れ、風の気配”・・・はそうです・・・

私のなかの、大切なたからものかもしれません。



hama-wind さんも、きっと・・・ですね・・・

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ファンタジー (RYO)
2006-08-03 09:15:57
ファンタジーでオススメというと、何を置いてもまずはミヒャエル・エンデですね。

わたくし大ファンであります。



「モモ」「はてしない物語」などのファンタジーもすばらしいですし、あるいはエッセイやファンタジー論なども、読んでていろいろ気づかされること多し。



日本人で言うと梨木香歩さんの「裏庭」が好きですね。

「西の魔女が死んだ」とか「からくりからくさ」とか他にもすてきな児童文学(って言っていいのかな)を書いてらっしゃいますけど、どれもオススメです。



そういえば「西の魔女が死んだ」は去年あたり突然ブームになっていましたね。

「読者が選ぶ一位」だか「書店が選ぶ一位」だとかなんとか…。

なんで突然注目されたのかよく分かりませんが(文庫化されたから?)、まぁそれだけ良い小説だったということですよね。



でもファンタジーというなら、やっぱり「裏庭」だと思います。3回泣きました(?)。
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ご存知で… (RYO)
2006-08-03 10:19:02
再びお邪魔いたします。

今、過去記事をサラサラと拝見させていただいていたところ、6月15日の記事に「母なるものとは・・・?」と題して、尊敬する女性として梨木香歩さんを挙げていらっしゃいましたね。

どうも、ご存知でしたようで…(笑)。



ちなみに幸田文さん、私も好きです。

その上品な文体と細やかな目配りの利いた文章に、読んでいるだけでなんだか元気になってきます。
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ミヒャエル・エンデ!!梨木香歩さん!! (風待人)
2006-08-03 10:38:34
RYOさま



Wa~!!



やっぱり、そうですよね!!



エンデの、「オリーブの森で語りあう ファンタジー 文化 政治」は、

以前に読んで、このようなことが根底にあって

「モモ」や「ネバーエンディングストーリー」があるんだと思いました。



たまたま、先日ビデオを借りて子どもと見ましたが

ウチの子が、チョッと変わり者なのか

まだ、時期尚早だったのか、映像が古臭かったのか

あまり思ったほどの興味を示しませんでした。



どうしても、映像などの視覚情報が入りやすいので

活字から得られる楽しさを知るまでには、ハードルがあるようです。



その子その子の特性と、ちょうど良い出会いのタイミングがあるのかもしれませんね。



そういえば、記憶が定かでないんですが

「エンデの遺言」というような番組を見て、とてもいろいろなことを想いましたが

ご覧になったことはおありでしょうか?



それから、梨木果歩さんは

ひげウサギ先生という学校の先生でご本を出している方に

教えていただいて「春になったら苺を摘みに」を読んで

もうなぜだかわかりませんが、ほんとうに大好きにりました。



いま、いろいろな作品を少しずつ読んでいるところです。



(実は、ブログを始めた頃に

私の文章を読んで、どこか同じような雰囲気があるような・・・

とおっしゃっていただいたのが、きっかけなんですけれど)



手元にある「からくりからくさ」を読んだら

こんどは「裏庭」を読んでみますね!



(いま、「考える人」という雑誌に連載がはじまって、

こちらも楽しみにしています。)
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エンデとファンタジー (RYO)
2006-08-03 22:23:31
「オリーブの森で語り合う」、読まれたんですね。

素晴らしいですよねぇ。私も読んでずいぶんいろんなことを考えさせられました。



エンデ自身がシュタイナー学校に通っていた経歴もあって、シュタイナー思想に深く影響を受けているので、作品にもとても奥の深い世界観が感じられます。

ちなみにエンデは、私にシュタイナーという人を教えてくれたきっかけとなった人でもあります。



「エンデの遺言」はもちろんチェックしましたよ。ビデオもしっかり(笑)。

ちなみに「エンデの遺言」「エンデの警鐘」というNHK取材班の書籍も2冊出ておりますが、どちらも大変興味深く、「経済」と「貨幣」についていろんな気づきを与えてくれる本です。

(手前味噌ですが、拙ブログ2月末日あたりの記事で3回連続で「貨幣について」の記事を書いております。ご一瞥していただければ幸いです。)



ところで、ビデオは「モモ」を観られたんでしょうか?それとも「ネバーエンディングストーリー」?

じつは「ネバー…」の方は、完成後に原作取り消しを求めてエンデ本人が裁判を起こしているんです。結局敗訴しましたけれども、ご本人はまったく納得いっていないようです。

「モモ」の方はだいぶ口を出せるような形で制作できたので、本人いわく満足のいく仕上がりになっているそうですが、どちらが興行的に成功したかは……(苦笑)。



やはり、ファンタジーの映画化というのは難しいものですね(笑)。
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ファンタジーの映画・・・ (風待人)
2006-08-04 08:24:25
RYOさま



いくつか、記事も読ませていただいて

なるほど~!とうなずくこと、しきりでした。



20歳の頃までは、科学や自然に関心がありましたが

ある先生から、クリシュナムルティを教えていただいて

20代には、いろいろありながらも

科学を超えた世界があるのかしら?というあたりを漂っていました。

その頃、シュタイナーやもっと怪しげなところをウロウロしていましたが

当時は、よくわからないまま頭だけの理解を求めていたのかもしれません。



それが、どういう風の吹き回しか(?)

このところ、実生活の中での体験的なものと

少しずつですが、リンクしてきたような気がします。



ほんとうに不思議な感覚デス。



私の場合、おそらく表現力や感情の扱いが課題のようで・・・



RYOさまとの出会いは、そのお話の素晴らしさを実感して

とてもありがたいことに感じています。



ところで、映画「モモ」や「ネバー・・・」でのエピソードは知りませんでした。



出来上がった作品と、原作者の想いとは

複雑な関係にあるのですね・・・
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