白マムの以心伝心

タイトル「日本のこと 日本のもの」
をあらためました。
オーフェン・マムの
とりとめのない雑多なブログです。

お仏像と三輪途道先生への長い話 3

2012-01-12 22:46:02 | 仏像
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<鏡池より東大寺大仏殿をのぞむ>


500年ぶりのご新造をまかされた仏師とはどのような方なのだろう。
そう思いつつも、いつもの性癖でその思いは薄まっていき
日常の中に埋もれてしまいました。







ある時のこと、
インターネットで版画を検索していました。
そして、偶然にもあの「月の舟」と題された彫刻に再びめぐり
あうことができたのです。
作者は三輪途道(旧姓上原三千代)という女性でした。
男性作家と思いこんでいた私は驚きましたが、
それ以上に驚いたのはまだお若い方、私よりもひとまわりも
年下という年齢でした。
いえ、
もっと驚いたことは、
この女性が東大寺1250年祭時の菩提僊那上人坐像の作者だったということです。


薄れて埋もれていたとはいえ、長年の思いは別々のところでうずくまって
つながっていたとは。




<わたくしmom所蔵 三輪途道作 檜 漆 彩色 mom家のなめくじ>



それにしても東大寺の懐の深さです。

東大寺は学生時代の三輪先生(当時上原三千代)の技量を熟知したうえ
の登用ですが、それにしても当時30そこそこ。大英断に違いありません。
例え東大寺が起用したとしても面々と続くおかかえの仏師集団がだまって
いるのだろうか等、とても下世話なことですが疑問が浮かんできます。
が、
のちに三輪先生にお会いしたおりその質問をぶつけてみましたところ、
制作中に嫌な思いは一切なかった。
嫌なことは一切耳に入らなかった。
と、
明快に答えてくださりました。

まさに、これが東大寺の器の大きさです。



                                     






*菩提僊那上人坐像に関しては三輪途道先生のオフィシャルホームページ
 ご覧ください。  

                             

私のお仏像の原点と三輪途道先生とのつながり、
このことが縁となり、
私の仏像への旅は深まっていくのでした。


                                この項 完



お仏像と三輪途道先生への長い話   



*黒マムの新春老骨に鞭打つ見仏記」を掲載中

お仏像と三輪途道先生への長い話 2

2012-01-09 21:25:51 | 仏像
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私のお仏像の原点、日光月光菩薩さんは
東大寺法華堂においででした。




<東大寺法華堂(三月堂)>


しかし、現在日光月光菩薩さんは不空羂索観音菩薩さんと
共に昨年開館の東大寺ミュージアムのガラスの向うに
おいでです。







さて、話をもどしましょう。
絵を描くのは好きでも絵の下手なことを自覚している私は
絵画や彫刻や陶磁器を愛でることに重きをおいていきました。


10年ほど前のことです。
ある彫刻写真に目がとましました。
静謐な空気を身のまわりにまとった
老犬(私には老いた犬にみえました)です。
タイトルは「月の舟」。

いい彫刻だなあと、見惚れましたが、

50才すぎの男性作家と勝手に思いこみ
どなたの作品なのかわからないままに心にしるしました。


ちょうどそのころです。
「東大寺大仏開眼1250年祭」がとりおこなわれたのは。
正確には2002年10月15日です。
奈良国立博物館では記念の展示が催されました。
勿論私も馳せ参じ祭をうっとりと眺めたものです。


この大仏開眼1250年祭の大きな話題は、東大寺が500年ぶりに
お仏像を新造されたということでした。
そのお仏像は1250年前に天竺よりおいでになった
菩提僊那僧上(ぼだいせんなそうじょう)の肖像彫刻です。
(僧侶の彫刻であっても高僧の場合、お仏像といいます)


500年ぶりの新造です。

この重責を担う仏師はそれは重鎮でたくさんの弟子を
もった人のはずです。



つづく



<東大寺ミュージアム>




お仏像と三輪途道先生への長い話   

お仏像と三輪途道先生への長い話 1

2012-01-06 00:10:39 | 仏像
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三輪途道先生のカレンダーが、おくられてきました。

早速パネル貼りにして壁に掛けてみました。




さて、なにから書きだせばよいのやら、ちょっと考え
あぐねています。




わたくしと三輪先生の出会いのこと。
あるいは
お仏像のこと。

書くことはたくさんあります。




まずわたくしの生まれた環境を書きだしすすんでいきましょう。


わたくしの家は商家でした。
大きな玄関に長い廊下、床の間のある数々の部屋。
赤いとさかの軍鶏の日本画。
驢馬にのり商いをする異国の人の図。
書画骨董がふんだんにある家でした。

それらが本物かまがい物か残念ながらわたくしには
わかりません。
聞けば答えてくれたでろう母も、今はいません。




<画像は実家から持ち出した横山大観色紙です>



まず、日本美術ありきの中で育った私は
絵を描くのがとても好きでした。
しかし、残念なことに描くのは好きだけれど、絵は下手。
好きこそものの上手なれというのは、あまりあてにはできません。
好きだけど下手。
小さいころからそのことに関しては自覚していましたが、
小学校の4年のときでした。
図画工作の時間に運動場のはしでレンゲ畑を一心に描いていた
私の後ろから声がしました。
「I さんの絵はゴッホのごたあね」。
子ども心にもぐっとくるかけ声です。

この一言が私の人生を変えたと言ってよいと思います。

わたしはその頃出始めた西洋美術の画集ヴァンタンを
母にねだり、ゴッホ、セザンヌ、ミロ、モネ、マネを知り
西洋絵画にふれ、油絵を習い画廊に通う様になったのです。

西洋絵画に傾倒していた私ですが、入江泰吉さんでしたか
土門拳さんでしたかの写真集でみた「日光月光菩薩立像」に
心を奪われてしまいました。

このようなシンプルな線で、慈しみ深さや強さや怖ろしさや
優しさをあらわす事が出来るものがあること。
なにより美しいことに気持が動転しました。

私は毎日その写真集をみていたものです。

それは中学3年生の時でした。

しかし、それはまだ14、5才です。
いつのまにかその他の楽しいことに気がまぎれ
日光月光菩薩のことはみごとに幕をおろしてしまって
いました。



それから2年後のことです。

高校の修学旅行で、東大寺を訪れました。
友人らとなにげなく入った薄暗いお堂には
たくさんのお仏像さんがおいででした。

そのたくさんのお仏像さんのなかに
中学の時に恋焦がれた日光月光菩薩おいでだったのです。




<画像は日光菩薩 ポストカード>



完全に忘れ去っていたお仏像さんが目の前に
おいでになった時の私の気持はどうあらわせば
よいのでしょう。
申し訳なかったという気持と畏怖と懐かしさ、
それから、なんて美しいんだろうという
ないまぜの気持でしょうか。


私のお仏像の原点はここにあります。



つづく


お仏像と三輪途道先生への長い話   




<わたくしmom所蔵 三輪途道作 檜 漆 彩色 おかいこ>



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