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日常と日記
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麒麟がくる #37 きっしょ

2020-12-21 | 麒麟がくる
蘭奢待
漢字の中に東大寺、が入っている宝物香木
信長が「わしも削り取る権利あるよな」と宣い、破片を二つ切り取らせ、一個をだいちゅきな帝に送る
帝は「これを私に送ることで私がありがたがると思うその心があさましい」と思うし、信長の敵である毛利にでもくれてやれ、と。

これ信長が父親に敵将の生首持って行ったり、母親に魚持って行ったり、帰蝶に野の花や、よその女に産ませた子供を持って行ったりしたのと同じ構図ですね
相手の気持ちとかは考えず、喜ばせたい、喜んでくれるはずと思ってしてるのですね。徹頭徹尾これだけ
愛されたくて愛されたくて仕方ないのね





信長気持ち悪かったです
この麒麟の信長はもう徹頭徹尾気持ち悪いです
可愛いところもダサいところもヒステリックなところも冷徹で残酷なところも時々猛烈に人懐っこいところも、なんていうか全部、万能感をときどき与えられる幼児のようで気持ち悪いです。
うまくいかないと「なんでなんで」と喚き散らす


信長といえば戦国大河常連で漫画や舞台芝居などでも大人気の武将ですが、ここまで気持ち悪く描かれることは敵であれ味方側であれあんまりなくて、
「とにかくいろいろあるけど凄くかっこよくね?」
って描かれかたをされています
地獄から蘇りし第六天魔王。
もうね、劇団新感線の舞台とかさ、鬼のように強く無敵な悪い奴だけどかっこいい、みたいな描かれかたをするのよ
漫画とかでもさ、
「御館様男らしくて強くて残酷だったりして無敵ですてきーー」
まあノッブ、わりと甘くて優しいところもあるしね
それに言ってしまえば確かに有能です
あ、ところでだいろくてんまおう。この名前も厨二心くすぐられますね

第六天とは仏教における天のうち、欲界の六欲天の最高位(下から第六位)にある他化自在天をいう 
他化自在天は「人間の望みを叶えたり快楽を与えて、それを自在に自分の快楽とする事ができる」神様で、趣味=仕事という全くうらやましい……、人間的にもありがたいことこの上ない神様です。
宝くじが当たったり、美人と付き合えたり、どう考えても遅刻しそうだったのに今日に限って信号が全部青で滑り込みに成功したり。
金運、恋愛運、学業運や仕事運(?)など、人間のありとあらゆる願いのほぼ全てに御利益のある方で、東日本、特に関東には「第六天神社」などの名前で神社もたくさん分布しています。

とか、ちょっと検索すると出てきます

これもう最高の神様じゃね?



とりあえずかっこいいです信長はいつだって。本能寺でなくなるのも劇的ですし、物語的にかっこいいのですね

ところが「麒麟」ではかっこいいという描かれかたはしていません
役者の染谷さんもうまいのですが、とにかく「かっこいい」より「得体のしれないどこか宇宙人みたいな」人として描かれていると思います
それはもう主役である光秀の主観として描かれているのです

ほんとうに気持ち悪いです、この信長。

光秀は「きしょ!!」と思ってます
この世を平定するためにこれからがんばらなあかんのに
「やった、幕府ほろんだし蘭奢待手に入れた俺頂点に上り詰めたで、だいちゅきな帝(生神)にも愛されてる俺幸せやーー」
とか無邪気に言ったりしてる幼児的な信長見て今回確かに
「きっしょょょょ!」
って思ってました光秀





…本能寺は近いです