折り返し後、少しペースを上げたつもりになって走る。
どうやら、今まで参加した大会に比べると、きちんとランニング用の装備を固めている人が少ないようだ。
ということは、ランニング慣れしている人も少ないはず。ペース配分のうまい人も少ないはず。イーブンペースでも後半でけっこう抜けるはず。
そんなことをウダウダ考えながら進む。
どんなに後ろのほうを走っていても、抜かれるのはイヤ。
逆に抜くのは気持ち良い。体力には余裕がある。抜ける。まさに理想的な展開。
「こっからはタイムアタックだ」とツイッターでつぶやいてから、前へ前へ。しかし、人が少ないので一人抜くのに5分くらいかかったりする。それでも抜かれることはない。楽しい。
残り6kmくらいで左足に違和感。去年の秋口にやらかした「足が抜けそうな感じ」になりかける。これやっちゃうと足に力が入らず走れなくなる。
別にドラマチックにしなくていいよーと思いながらも、ペースを維持。右足にも痛みが出て嫌な感じだったが、あくまでも強気強気。ほんとうにヤバイことになる前に気付ける自信はある。
一人…一人…一人と地道に順位を上げる。夫婦(たぶん)で並走しているランナーに嫉妬しながらも抜く。順位はともかく抜くのが気持ち良い。
残り5kmになって大体のゴールタイムがわかってくる。1時間51分くらい。キロ5分強のペース。ペースは変わらず。暑くもなく寒くもなく、風が控えめに吹いているのも意識できる。
余裕あり。やっぱりハーフが短く感じる。フルマラソン効果、恐るべし。
最後まで少しずつペースを上げ続け、最後の交差点を左に曲がる。レインボーカラーのゴールゲートが見えてくる。ラストスパートもきっちり決めてゴール。
記録は5km手前で計算していた通り、1時間51分28秒。会心。
今までのベストタイムは、去年の余市。そのときは1時間56分52秒。ずいぶん縮まった。意識していたわけじゃないけど、それはそれで嬉しい。
とにかく勝った。勝利の水をかぶ飲み。
そして、参加者ハズレくじ無しのお楽しみ抽選会に挑む。
抜ける抜けると言ってくれるな、ベテランランナー後頭部