2021/8/20
・井上悠介くんの脚本と演出の一人芝居を4作品。アーカイブ視聴。
『部屋が暗い』沖中詩乃
・帰宅した女性が友人と電話で電話しているうちに、体に異変が生じていく話。
・飾りのないタイトル通り、大きな展開の起伏もなく、救いもなく終わる。クセになる後味の悪さ。
・初見の作品だけど、自分の中の井上作品の魅力ってこういうイメージ。
・劇場と配信で見え方聞こえ方の差が大きそうで魅力をうまく摂取できなかったかも。
『バスで帰る女子大生(女子高生バージョン)』前田叶愛
・ある女子高生が、バス内で寝てしまった結果、バスから降りられなくなる話。
・少しコミカルな要素が増えているものの、同じように展開に大きな起伏がなく、文字通り一本道の話。
・後味の悪さを残しつつ、ドライに切り上げ、あとは沈黙。余計な説明はなし。
・登場人物に全く寄り添ってない終わり方が好き。
『デスゲーム業界で働く女たち』泉加奈子
・デスゲーム業界で働く女が、仕事の失敗や恋を通して成長していく話。
・新人OLとデスゲームという、両立しにくい二つの要素を並べて、ギャップを楽しむ方針。
・さすがに前の二作品とは毛色を変えている。
・ずいぶん前に読んだ『督促OL修行日誌』を思い出す。
・どんな業界にもそこで働く人がいる…とか、そういう教訓じみたことを考えても仕方ない感じで楽しむ。
『うのうえうえ』リンノスケ
・きっとろんどんメンバーの仮名を与えられた三人の男たちが、廃病院へ肝試しに行く話。
・ここまで電話で会話する形式が多かったので、一人語り形式が新鮮。
・語りと、いかにも訓練されている感じの体の使い方とが合っていて、見やすい。
・伏線の貼り方が、この公演ならではという感じでおもしろかった。作中の前振りも最低限で済んでいた。
・最後のところはきょとんとしてしまったけど、時間をおいて思い出し笑いした。うまく落としている。
・あと、二作品終わった後の映像が不穏すぎて笑った。映っているもの自体は普通なのに。
(8/15 15時の回のアーカイブ)
感謝です。
以前、
遠藤様が記された、
演劇が一番、
人間が描かれるという意見に、
うなずかされるものがありました。
これは、
テレビだろうが映画だろうが、
人間が主役である以上、
そのテーマに則った人間そのものが描かれたものが一流ですし、
演劇は、
生身の役者との触れ合いですので、
深い、
人間学との遭遇が生まれますね。
映画やテレビと違って、
役者も、
ほぼ、
セリフ丸暗記でしょうから。
ニューヨークでは、
演劇が俄然人間劇を表す頂点に位置づけられてるようです。
映画やテレビは、
格下も格下の三流読み切り漫画扱いされてますね。
俳優がいただく名誉賞にトニー賞というのがありますが、
アカデミー主演賞の数倍の価値があるそうです。
演劇のルーツは古代ギリシャでしょうけど、
現在に至るまで、
舞台で多くの人生を演じ、
観客に提供して来た歴史の深さに、
人間の生き様が、
そのまま展開される演劇は、
衰えることなく、
多くの愛と憎悪,生と死,成功と失敗の悲喜劇を継続して、
見るものを、
深く納得させていくことでしょう。
演劇の歴史が他の媒体に比べて古いのは事実なんですけども、その敷居の低さは良くも悪くもという感じですね。
舞台の役者さんのセリフを覚える力は本当にすごいと思いますが、セリフの暗記はスタート地点にすぎないので、演技の工夫はその先のことになります。
自分は役者をやりたいとは思いませんが、どんどん工夫を足していく役者さんを近くで見てるのはやっぱり楽しいものです。
最近はアーカイブもたくさん出てますし、よかったら色々見ていただければ。
ありがとうございました。