遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

全国学生演劇祭「第3回:元気の極み 『せかいのはじめ』」

2018-05-21 00:19:32 | 観劇三昧・全国学生演劇祭

観劇三昧:全国学生演劇祭「第3回:元気の極み 『せかいのはじめ』」

2018/5/20

自分がいつから始まっているのか自問自答する話。

ストップウォッチを首からさげた舞台監督風の女性が客席からそのまま舞台に移動して「世界の始まり」から語り始める。

そのうち、この演劇作品自体も始まっているのかどうか自問自答し始める。

語り口も聞き取りやすく体の使い方も安定している。

映像や音楽の使い方も無理がない。

多くの訓練や調整を重ねたえらく手間のかかった作品だというのはわかる。

内容的には強い表現欲求をそのままぶつけられた感じ。

何回か見たり後から調べたりすれば表現したいことがわかるのかもしれないけど、そこまでの欲求はわかず。

わからないと言ったらバカにされそうなタイプの作品ではあるけど、わかりにくい作品はわからせようとしていないんだから気に入ったお客さんだけわかろうとすればいいんだと思う。

■作品情報(観劇三昧HPより引用)

公演時期 2018/02/24
上演時間 00:37:16

■出演者:中尾多福

■スタッフ :
脚本・演出:中村奏太
舞台監督・演出助手:キャメロン瀬藤謙友
照明:宮崎遥河
音響・映像制作:増田涼太
舞台監督補佐:吉田優真、森田歩
映像オペ:栗林昌輝
宣伝美術:天野瞳

■あらすじ

ここ、ロームシアター京都は2016年にリニューアルオープンしたそうです。私は1998年に生まれました。この演劇祭は今年で第3回目だそうです。……いつか終わりは来るのかな。私はこの劇場で、この演劇祭で、演劇をする。わたしはそうして生まれ、そうして死ぬ。せかいのはじめ。

--第3回全国学生演劇祭 Aブロック上演作品--
大阪短編学生演劇祭 推薦:元気の極み(大阪府立大学×大阪大学×神戸大学)

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全国学生演劇祭「第3回:劇団宴夢 『熱血!パン食い競走部』」

2018-05-17 00:11:48 | 観劇三昧・全国学生演劇祭

観劇三昧:全国学生演劇祭「第3回:劇団宴夢 『熱血!パン食い競走部』」

2018/5/16

パン食い競争部の部員達が幾多の挫折を気合と暴力で乗り切り、栄光のメロンパンに食らいつく話。

70~80年代熱血青春ドラマのパロディとしてそこまで斬新な設定というわけではないけど、いちいち一捻り入った演技と、安定した語りのテンポで、娯楽作品としてしっかりしている。

殴る演技にしても殴られる演技にしてもちょい足しアイディアがあるし、絶妙なタイミングでフランスパンを齧ってみたり、米からの卒業の伏線回収とか、よく練られている。

パン食い競争部というバカ設定なので余計な感情移入をせずに素直に楽しめる。

舞台装置もいい感じでゆるいし斬新だし頭おかしい。

札幌なので、後半の展開はわんわんズの『恋はいつでもレイアップ』の影響を受けているのかもしれない。

■作品情報(観劇三昧HPより引用)

公演時期 2018/02/24
上演時間 00:27:30

■出演者:
梶原正樹
森本周平
松田弥生
高橋永人
阿部七菜子
丹野尚也
山本聖也

■スタッフ :
脚本・演出:本澤貴史
舞台監督・小道具:藤田美由貴
照明:井出真理愛
音響:石田経気
メイク:村田昌子・馬場雛乃

■あらすじ
この物語はパン食い競走に命をかけた男達の青春の記録だ。

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シラカン『永遠とわとは』(全国学生演劇祭)

2017-04-26 00:02:55 | 観劇三昧・全国学生演劇祭

観劇三昧:シラカン『永遠とわとは』(全国学生演劇祭)

2017/4/25

無機物の心がわかる女とその女友達、つきまとう男の三角関係から始まる話。

サンドペーパーの上を這いずり回るようなフックだらけの会話で埋め尽くされている。

三人の登場人物が三様に狂っていて、奇跡的に拮抗している。

そして、そのまま終演まで走りきっている。すごいバランス感覚。

演出効果もさりげなく手間をかけていて、シンプルながら最大限の効果を生んでいる。

素直に笑えるし、不条理展開もすんなり受け止められる。

役者さんの演技が役者然としていないところも、かえって生々しくて効果的。

こういう会話や演出の構成はなにか元ネタみたいなものはあるんだろうか。

作品が表現しているものというよりも表現の仕方そのものに価値のある作品だった。

何度も見れば、表現しているものにも踏み込めるのかもしれない。

================メモ===============

公演時期:2017/02/26

脚本/演出:西岳

ひかり:阿部百衣子
れんこ:櫻井碧夏
そうた:芳野広太郎


第2回全国学生演劇祭 Bブロック上演作品
東京学生演劇祭 推薦:シラカン(多摩美術大学)

◇大賞、観客賞、審査員賞 受賞作品

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幻灯劇場『DADA』(全国学生演劇祭)

2017-04-23 23:30:35 | 観劇三昧・全国学生演劇祭

観劇三昧:幻灯劇場『DADA』(全国学生演劇祭)

2017/4/23

ロッカーに捨てられた赤子が、幽霊かつロッカーになって成仏していく話。

タイトルはダダイズムのDADAでいいのかな?

掛詞を多用して世界を拡張していくやり方は野田秀樹作品っぽいけど、言葉の選び方はだいぶん荒っぽい。

舞台装置は3×4×1のジャングルジム状の物体のみ。

シンプルでかっこよく、場面場面での利便性も高い。うまく使いこなしている。

BGMや効果音はエレキギターの生演奏。かなり主張が強い。

登場人物も役者の人数も多く、強い表現をどんどん足していくやり方。

セリフと演奏と歌と踊りのそれぞれのバランスを取りながら、総合芸術としての表現にチャレンジしている。

ただ、映像で見る限りそのバランスが取れていないような感じがして、集中力が続かなかった。

客席は沸いていたようなので、録画環境のほうの問題なのかも。

================メモ===============
公演時期:2017/02/26

脚本/演出:藤井颯太郎

配役

らじお:谷風作
マリア:松本真依
ケンちゃん:小輝
サナエ:鳩川七海
サンショウウオ:神保七味
小石:戸根亮太
お菊:橘かれん
バッキー:小野桃子
ブッキー:平元花奈
ボッキー:藤井颯太郎
おばば代表:富永美里
金さん:今井聖菜
銀さん:西園寺桜子

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岡山大学演劇部『山田次郎物語』(全国学生演劇祭)

2017-04-23 00:03:55 | 観劇三昧・全国学生演劇祭

観劇三昧:岡山大学演劇部『山田次郎物語』(全国学生演劇祭)

2017/4/21

山田次郎の一生を、山田次郎物語という本を通して高速で振り返る話。

なんでもない普通の人の一生がすばらしいという日常賛歌。

一人の山田次郎とそのほか大勢のコロスで成り立っている。

家族友人知人、喫茶店のドアや立ち木まで、ぜんぶ人で演じる。

有効に時間とスペースを埋めて、作中、一定の情報量と緊張感が保たれている。

個々の役者が、ちゃんと頭を回して作品を支えているのがわかる。

文脈は違うけど、平田オリザの「俳優は考える駒」という言葉を思い出す。

編集力と演出力が問われる作品。

テンポの良さと見せ方のバリエーションは十分だったけど、会話や動きの精度はもっとのびしろがありそう。

あと、山田次郎がほんとうになんでもない普通の人かどうかは、ちょっと判断が分かれるところだと思う。

================メモ===============

公演時期:2017/02/26

脚本/演出:伊藤圭祐

配役
山田次郎:田中優真
ヤマダ・ミク:中尾小夏
ふせん:
小原千明
佐藤晴香
吉田陸也
宇賀朋美
青木大地
太田健斗
眞庭周之
中村洸太
原田実季
嶋田有希

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一寸先はパルプンテ『境界』(全国学生演劇祭)

2017-04-18 00:00:08 | 観劇三昧・全国学生演劇祭

観劇三昧:一寸先はパルプンテ『境界』(全国学生演劇祭)

2017/4/17

古代ギリシアの哲学者などが議論をするという体で複数のコントを挿入していくオムニバス。

「アメリカ横断ウルトラクイズ」から「君の名は。」まで、パロディの幅が広い。

さかな君にさかな君が絶対言わなさそうなことを言わせるギャグが面白かった。

LGBTやら国籍やらマスコミやら精神障害者やら、社会問題っぽいことをいろいろ扱っているけど、わりと表面を触れるところでとどまっている感じ。

たぶん、ほんとにやりたいのはギャグのたくさん入ったコントなんだと思う。

あと、精神病disのコントは、笑いにも風刺にもなっておらず、表現の刺々しさだけ強調されていて受け止め方がわからない。

ギリシア哲学に詳しい人なら、もうちょっと深いところまで分かるのかもしれないけど、それを求められても困ってしまう。

コンビニのあのボールの正しい投げ方は、なるほどと納得した。

================メモ===============

公演時期:2017/02/26
脚本・演出:馬場佑介

配役:
パイドロス:今林崚磨
パウサニアス:加茂慶太郎
エリュクシマコス:植木健太
アリストパネス:佐野克哉
アガトン:山口大器
ソクラテス:瀬川聖

第2回全国学生演劇祭 審査員講評など ※2016年度なのかな?

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劇団なかゆび『45分間』(全国学生演劇祭)

2017-04-15 00:06:56 | 観劇三昧・全国学生演劇祭

観劇三昧:劇団なかゆび『45分間』(全国学生演劇祭)

2017/4/14

あらすじによると、二人のテロリストが立てこもりながら神を自称する話とのこと。

二人芝居だけど、わかりやすい会話があるわけではなく、強いて言えば語りと舞踏の組み合わせ。題材選択が渋い。

わざわざこのジャンルを選んで45分やりきるんだから、相当好き者なんだと思う。

役名は「ムハンマド1(社会的疎外による)」と「ムハンマド2(精神的阻害による)」。

作中にテロリストやイスラム教の要素は、ほとんど感じられず。

若い人が演じると、どうしても宗教というよりは自意識との付き合い方に苦しんでいるのかなという印象になってしまう。

セリフや動きは連続せず、ひとつずつ置いてく感じ。遅いけどテンポは悪くない。

理解するまでの道のりが遠いので、エンタメとは言わないまでも、もうすこしサービスがほしいなと甘えたくなってしまう。

先鋭的な表現なので、演劇祭での観客投票の点数の低さはむしろ勲章になっていると思う。

================メモ===============
公演時期:2017/02/26

脚本/演出:神田真直

ムハンマド1(社会的疎外による):神田真直
ムハンマド2(精神的阻害による):綱澤秀晃

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劇団マシカク『自憂空間』(全国学生演劇祭)

2017-04-10 01:19:09 | 観劇三昧・全国学生演劇祭

観劇三昧:劇団マシカク『自憂空間』(全国学生演劇祭)

2017/4/9

ルームシェアしている三人組のそれぞれに抱えている秘密が明らかになっていく話。

ほぼ、トリオコント。途中、結構長い尺を使った漫才コントもある。

衣装も色分けしてそれっぽくしている。

ルームシェアと言っても、二人が一人にたかっているような関係。

家賃の滞納は許されても、彼女を作るのは許さないという非生産的な掟。

今どき同性愛のこと茶化すのは注意したほうがいい。

何でもやるって言ったからには、キスぐらいさせてやればいいのに。

親友なんだからあんなに露骨に嫌がんなくても。

全体的にやりたいことを堂々とやっていて現場が楽しそう。

ちょいちょい聞き取れないセリフがあった。

客席はよく沸いていていたので、現場で見るともっと面白いのかも。

================メモ===============
公演時期:2017/02/26

脚本/演出:中西一斗

配役:
かずちゃん:中西一斗
ようちゃん:玉木葉輔
たけちゃん:岸川丈流

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南山大学演劇部「HI-SECO」企画『絶頂終劇(テクノブレイク)で完全犯罪』(全国学生演劇祭)

2017-04-08 21:09:40 | 観劇三昧・全国学生演劇祭

観劇三昧:南山大学演劇部「HI-SECO」企画『絶頂終劇(テクノブレイク)で完全犯罪』(全国学生演劇祭) 無料

2017/4/7

父親を殺した男が法廷のような場所で経緯を追求される話。

テクノブレイクで検索してみたら、自慰のやり過ぎで死んでしまうことだった。

自慰をやりすぎると神に怒られる。ここで言う神はギリシアのほうだと思われる。

古代ギリシアは性に寛大なイメージあるけど、自慰はダメなのかな。

息子は失踪した母親の面影があったために、父親から犯されたという。

息子は計画的に父親を腹上死させることで殺人の罪を問われる。

父親は母の代用品と性交しているわけだから自慰と同じ。要するにオナホ扱いされたということか。

自慰と腹上死と同性間の性行為と近親相姦とがごっちゃになっていて、理解が追いつかない。

生きていること、転じて母への呪詛という結論は作り手が心配になるくらい暗かった。

================メモ===============
公演時期:2017/02/26

脚本/演出:長谷川ゆうと

配役:
M:光起
法廷A:中村祐太
法廷B:奥谷大樹
法廷C:今村拓哉
布袋D:青木香保里

第2回全国学生演劇祭 Aブロック上演作品
名古屋学生演劇祭 推薦:南山大学演劇部「HI-SECO」企画(南山大学)

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劇団カマセナイ『ナインティーン・コスプレーション』(全国学生演劇祭) 

2017-04-08 00:26:01 | 観劇三昧・全国学生演劇祭

観劇三昧:劇団カマセナイ『ナインティーン・コスプレーション』(全国学生演劇祭) 無料

2017/4/7

高校生の制服を着た男女二人で、高校時代に死んだ「チイちゃん」を悼む話。

男子にとっては憧れの人、女子にとっては大事な友達。

舞台上に登場しない誰かを、登場している人たちのセリフや行動で表現することで実在感を出す手法。

全部で37分ある話のうち、10分くらいでそういう構造がはっきりする。

それ以降は、シリアスな雰囲気がずっと続く。

過去の思い出を引きずる象徴として制服やネクタイが使われている。

その制服を脱ぐ脱がない、ネクタイを緩める緩めない、涙を流す流さないと、それぞれの方法で悲しみを乗り越えようとする。

もうちょっと変化があると思ったら特になかった。

こんなシリアスな調子で三年間もどうやって生きてきたんだろうと心配になる。

あと、演出効果だったとしても、席替えクジのやらせ感がすごい。

================メモ===============
公演時期:2017/02/26

脚本/演出:小野明日香

高橋ユウタ:橋本和真
小山リツコ・チイちゃん:小野明日香

第2回全国学生演劇祭 Aブロック上演作品
大阪短編学生演劇祭 推薦:劇団カマセナイ(清教学園高校演劇部OB・OG)

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