遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

劇団怪獣無法地帯『散ル 咲ク わらう花』

2020-03-30 11:07:55 | 演劇を見てきた

2020/3/27

・生身と見まごう四体の女性の人形が作られていく過程を描いた話。

・全部で2時間。3話構成になっているので、そこまで長くは感じない。

・会場に入る前に手のひらを消毒。お客さんはほぼ全員マスク。普段見られないコンカリの換気のやり方。

・客席の椅子は通常通りの配置だけど、一席ずつ空けて座る。パンフが置いてあるのでわかりやすい。

・非常時のやむをえない対策ではあるけど、正直、座りやすいし、見やすい。

・お客さんが声を出して笑うような作品ではないので、仮にこの作品がダメなら演劇は全部ダメかも。

・面白さの方向を一語で表すと耽美。

・こういう面白さは小劇場のジャンルでは希少。

・普通はやりたくても技術が伴わない。笑いと違って、偶然性による面白さは期待できない。

・人形を演じる生身の役者、繰り返されるあや取り演出、装置の移動と組み立て、着替え、動線だけでも決め事がたくさんありそうな大勢の黒子たち。

・演出の手数が多く、そのひとつひとつに美しさが求められる。これは大変。

・自分があの中にいたら絶対あやとりで絡まる。台無し。

・そんな作品なので、必然的に舞台上には緊張感が生まれてくる。

・野球に例えると、0対0の投手戦を見る楽しさに似ている。

・舞台は上手下手と奥の三方向を紗幕で覆っている。

・黒子が出入りする、チラッと見えて消える、出入りしそうでする、しないの塩梅が薄気味悪くて楽しい。

・凝りだすとキリのない数々の表現を、全部高いレベルでまるっとまとめきったところに、劇団の組織としての積み重ねと強さを感じる。

・最後の暗転の仕方もおもしろい。カラフル。

・野暮なんだろうけど、秋山さんはどうしてあんなに人形作りにこだわったんだろう。桜貝はわかるんだけど。

・愛玩する感じもでないし、何かの使命感、仕事、趣味、どれもピンと来ない。

・愛情と道徳的な正しさは案外両立しないのは承知で、ジェンダー論的に観るとどうな感じになるんだろう。

・近々、『人形の家』の公演もあるけど、人形観の違いが面白そう。人形になるのはだいたい女性だけど、男女逆転しても成立するのかな。

・答えが出ないことでも、いろいろ考えてみるのは楽しい。

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南北朝『楠木氏、そちらは東ですぞ』

2020-03-23 11:56:10 | 演劇を見てきた

2020/3/23

妙な名前のユニットが妙なタイトルの作品をやるんだな、このご時勢に…くらいの気持ちで見に行く。

会場についてみると、よく知っている人に似ている人が前説を始めて、なんか見たことあるような役者さんの一人芝居が始まる。

スタジオミュージシャン(でいいのかな)がある楽曲のバックコーラスを録音しながら、「特別な人」と「その他大勢」との間のギャップに苦しむ話。

コーラスには水棲生物にまつわるフレーズが頻出する。

自分は見てないけど、前にSNSで感想などを目にした作品と似ている。

前説でも触れていたけど、楠木氏は出てこないし東にも行かない。

ただ、北と西の要素は入っていたと思う。

戯作(脚本)の方が「浪速之男」さんなのは関係あるかも。

音楽を生業とすることに説得力がある声。

本作とは関係のない話だけど、次に札幌でやるインディペンデントシアターも楽しみにしたい。

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万能グローブガラパゴスダイナモス『西のメリーゴーランド』

2020-03-05 09:49:07 | 観劇三昧

観劇三昧:万能グローブガラパゴスダイナモス『西のメリーゴーランド』

2020/3/4

・母が娘と和解しようとする話(ネタバレ回避のあいまいあらすじ)。

・不謹慎なギャグはツカミに向いている。

・序盤で必要な説明をしつつ、今後の展開の前フリをたくさん入れている。

・ひとつの言葉やアクションが、複数の意味を持っている。情報効率がいい。

・タイトルの「メリーゴーランド」にしても、重要な「思い出」でもあるし、「まわるもの」でもあるし、「乗り物」に次々と「乗る人」が入れ替わる本作の仕掛けとも連動している。

・全体的にかなりドタバタしていて好き。

・ペッドボトルのくだりはわかってても笑う。

・間の取り方が絶妙。無機物なのにちゃんと演技しているように見える。あの仕掛けどうなってるんだろう。

・ひどい目にあう人は偏っていたほうがおもしろい。最後も装置の一部みたいになってた。

・液体には魂ないのかな。混ざるのかと思ったら違った。

・戻すタイミングはあったはずだけど、面白いほう優先でいいと思う。

・笛のところもしょうもなくて笑った。

・客席のノリがいい。

・ワンシチュエーションの芝居で問題になりやすい、登場人物のインアウトを超自然的な設定で解決している。

・同じパターンは何度も出来ないけど、誰がどこから出てきても不自然にならない。出入りだけで楽しい。

・年の差恋愛を成立させる杉山英美さんの存在。

・「詐欺師」が共感を勝ち取るシーンはかなり強引だけど、座組みの中にそれができる演者がいるのは心強い。取り乱し方の熱量がすごい。こわい。

・もともと生まれ変わりを信じている人以外、人間の死と、魂の死はあんまり変わらないような。

・メタ的な緊張感も煽ってくる砂時計。

・入れ替わっていてもほぼ変化がない二人。演技は変えてるのかな。申し訳ないことに見分けが付かず。

・親子の和解モノの定型。幸か不幸か自分は父親と血が繋がってないし未だに親から何か説明されたことはないけど、別にそれでストレスを感じたこともないので、個人的にはいまいちピンと来ない。

・それでも、結構な人数の目的と行動に矛盾が無いまま、熱量落とさず最後まで走りきったのはすごい。

 

■公演時期 2015/12/02

■地域 九州

■キャスト
椎木樹人
阿部周平
横山祐香里
早樋寛貴
田崎小春
山崎瑞穂
柴田伊吹
針生あかり
杉山英美

■スタッフ
作・演出:川口大樹
舞台監督:森田正憲(株式会社エフジーエス)
照明:太田勝之(有限会社サム)
音響:大谷正幸(九州音響システム)
舞台装置:中島信和(兄弟船)
小道具:早樋寛貴・柴田伊吹
衣裳:山崎瑞穂・針長亜沙美
演出助手:石井実可子
舞台写真・宣伝写真:藤本彦
宣伝美術:トミタユキコ(ecADHOC)
WEB:谷口紗友梨・森脇千恵子
制作:橋本理沙・ししはらみさ
今村麻衣子・佐藤友美(スリーオクロック)

■あらすじ
今作「西のメリーゴーランド」どんな感じのお話かというのを、創作メモ達から目に付くワードを抜粋する形で紹介するという試み、どうでしょう。
生まれ変わり 椅子取りゲーム ぐるぐる 記憶 スープ ループ ランプ ハンカチ落とし 箱庭 死んだらどこへ行くの? 超能力 etc...
なんとなくスピリチュアルな雰囲気でしょうか?あと、スープ・ループ・ランプの辺りは、ただリズムで書いちゃった感じでしょうか?

なんにせよ今回も、10年やり通して来たワンシチュエーションの会話劇です。
そんでもってコメディです。コメディったらコメディです。

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池田洋子監督『映画プリキュアスーパースターズ!』(2018年)

2020-03-03 23:10:08 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

映画プリキュアスーパースターズ!予告

2020/3/3

過去3シリーズのプリキュアが集まって、うそつき怪獣から世界を守る話。

出てくるプリキュアは12人。このくらいだと各人の見分けもつくし、新鮮な組み合わせもあって楽しい。

特に「アラモード」側の年長者二人と、「HUG」側の秀才天才コンビとの絡み。

なにぶん尺が1時間くらいしかない(幼児の集中力の限界)のでどうにもならないけど、もっと色んな組み合せで見たかった。

敵が出てくると対応しなきゃいけないから、特に何も起きず、彼女らがずっとキラパティあたりでダラダラくっちゃべってるお茶会映画が見たい。ほぼ需要はないんだろうけど。

時間が時間なので、話はだいぶん大雑把。

一方でたしかな手際の良さも感じる。

何を見せたいのかはっきりしている感じ。方法論が確立してそう。

客席の子どもたちとのコラボも楽しそうなので、不審者に間違われないようにして、映画館で見てみたい。

 

 

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