「サンザシの樹の下で」に続き、チョウ・ドンユイの映画、2作目。
「少年の君」(2019年 原題:少年的你)
![邦題「少年の君」は直訳すぎて分かりづらい、「少年の頃の君」って感じだと思うんだ 邦題「少年の君」は直訳すぎて分かりづらい、「少年の頃の君」って感じだと思うんだ](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/3b/0ce70ef91ef9bffdb6c19d7bdd1da63e.png)
©2023 猫眼电影 www.maoyan.com
いじめにあう優等生のチェン・ニェンとチンピラのシャオベイ、二つの孤独な魂が寄り添うも、ある事故が起こったことで純愛に暗雲が立ち込める。
シャオベイが自分の悲惨な生い立ちを淡々と語った後、チェン・ニェンに背を向けて眠るシーンは、やり切れない哀しみに包まれていた。
チェン・ニェンの夢を叶えさせるためにシャオベイが逮捕されるシーンは、途方もなく切なかった。
「你保护世界,我保护你(君は世界を守れ、俺は君を守る)」
「你往前走,我一定在你后面(歩いてろ、俺は必ず後ろにいる)」
チェン・ニェン役のチョウ・ドンユイの演技が素晴らしい。泣き顔からの笑顔、そして無表情へ。どこか幼さの残る顔の、細かい変化が恐ろしく上手い。
「サンザシの樹の下で」の同じチョウ・ドンユイとは思えない。数段アップしたドンユイが凄い。
シャオベイ役のイー・ヤンチェンシー(易烊千玺)は、アイドルグループのメンバーとのことだが、彼の印象的な表情の演技にも、強く惹きつけられる。
チェン・ニェンに対するいじめの描写が濃すぎて、こんなの見るんじゃなかったと思ったぐらい、かなり辛いシーンが続く。いじめる側のリーダー的存在も、ああ、こういう子いる、と思わせる。
よくこんなの中国で検閲通ったものだ。検閲は通っても、上映がなかなか決まらなかったのもうなずける。
本当にすごい映画だった。2時間を超える映画なのに、一気に見終えて時間を感じなかった。日本でこんな映画は、到底作れそうにないように思う。
監督のデレク・ツァン(曾國祥)の他の作品、「ソウルメイト/七月と安生」も見たい。
余談だが、中国の大学入試(高考)の凄まじい競争は、他の中国ドラマでも、担任教師が檄を飛ばすシーンなど、よく目にする。
日本とは違い、自分の将来だけでなく、一族郎党の未来をも背負う、大事な一発勝負ともいえるから。
しかしそんな競争に勝って考上(合格)して毕业(卒業)しても、現在失業率が20%という中国では、一握りの優秀な人しか就職できないという闇。
少し前に高考のことがワイドショーで取り上げられて、入試の応援が地域のお祭りみたいになっている(ゲン担ぎでチャイナドレスを着て踊る母親とか)、笑える要素を紹介していた。
実際はそんな呑気な状況でなく、熾烈な競争のストレスが、凄惨ないじめ(はっきり言ってあれは犯罪)に繋がっていると思うと恐ろしい。
日本でも、北海道旭川で起こったいじめ事件を思い出す。今の子供らの抱えるストレスは、大人の想像を超えている。
「少年の君」(2019年 原題:少年的你)
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いじめにあう優等生のチェン・ニェンとチンピラのシャオベイ、二つの孤独な魂が寄り添うも、ある事故が起こったことで純愛に暗雲が立ち込める。
シャオベイが自分の悲惨な生い立ちを淡々と語った後、チェン・ニェンに背を向けて眠るシーンは、やり切れない哀しみに包まれていた。
チェン・ニェンの夢を叶えさせるためにシャオベイが逮捕されるシーンは、途方もなく切なかった。
「你保护世界,我保护你(君は世界を守れ、俺は君を守る)」
「你往前走,我一定在你后面(歩いてろ、俺は必ず後ろにいる)」
チェン・ニェン役のチョウ・ドンユイの演技が素晴らしい。泣き顔からの笑顔、そして無表情へ。どこか幼さの残る顔の、細かい変化が恐ろしく上手い。
「サンザシの樹の下で」の同じチョウ・ドンユイとは思えない。数段アップしたドンユイが凄い。
シャオベイ役のイー・ヤンチェンシー(易烊千玺)は、アイドルグループのメンバーとのことだが、彼の印象的な表情の演技にも、強く惹きつけられる。
チェン・ニェンに対するいじめの描写が濃すぎて、こんなの見るんじゃなかったと思ったぐらい、かなり辛いシーンが続く。いじめる側のリーダー的存在も、ああ、こういう子いる、と思わせる。
よくこんなの中国で検閲通ったものだ。検閲は通っても、上映がなかなか決まらなかったのもうなずける。
本当にすごい映画だった。2時間を超える映画なのに、一気に見終えて時間を感じなかった。日本でこんな映画は、到底作れそうにないように思う。
監督のデレク・ツァン(曾國祥)の他の作品、「ソウルメイト/七月と安生」も見たい。
余談だが、中国の大学入試(高考)の凄まじい競争は、他の中国ドラマでも、担任教師が檄を飛ばすシーンなど、よく目にする。
日本とは違い、自分の将来だけでなく、一族郎党の未来をも背負う、大事な一発勝負ともいえるから。
しかしそんな競争に勝って考上(合格)して毕业(卒業)しても、現在失業率が20%という中国では、一握りの優秀な人しか就職できないという闇。
少し前に高考のことがワイドショーで取り上げられて、入試の応援が地域のお祭りみたいになっている(ゲン担ぎでチャイナドレスを着て踊る母親とか)、笑える要素を紹介していた。
実際はそんな呑気な状況でなく、熾烈な競争のストレスが、凄惨ないじめ(はっきり言ってあれは犯罪)に繋がっていると思うと恐ろしい。
日本でも、北海道旭川で起こったいじめ事件を思い出す。今の子供らの抱えるストレスは、大人の想像を超えている。
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